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公開番号
2024154167
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-30
出願番号
2023067846
出願日
2023-04-18
発明の名称
神経発達症群のモデル動物
出願人
学校法人立命館
,
国立大学法人滋賀医科大学
代理人
個人
,
個人
主分類
A01K
67/027 20240101AFI20241023BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】自閉スペクトラム症の症状が従来の自閉スペクトラム症モデルマウスよりも重篤なモデル動物、あるいは自閉スペクトラム症の他の症状を示す神経発達症群モデル動物を提供し、該モデル動物を用いることで、神経発達症群の病態の解明や、新規な神経発達症群の改善薬の探索などに資すること。
【解決手段】ヒト染色体15q11-13領域に対する他の動物におけるシンテニー領域を4つ有する、遺伝学的異常に起因する神経発達症群のモデル動物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒト染色体15q11-13領域に対する他の動物におけるシンテニー領域を4つ有する、遺伝学的異常に起因する神経発達症群のモデル動物。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
前記神経発達症群が、自閉スペクトラム症、知的発達症、注意欠如多動症及び常同運動症からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の動物。
【請求項3】
前記神経発達症群の少なくとも1種が自閉スペクトラム症である、請求項1又は2に記載の動物。
【請求項4】
注意欠如多動症様の症状を示す、請求項3に記載の動物。
【請求項5】
前記動物が哺乳動物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の動物。
【請求項6】
前記哺乳動物がげっ歯類動物である、請求項5に記載の動物。
【請求項7】
(1)ヒト染色体15q11-13領域に対する他の動物におけるシンテニー領域を3つ有する動物同士を交配させて得られた仔動物をジェノタイピングする工程、及び
(2)工程(1)により該シンテニー領域を4つ有することが確認された仔動物を遺伝学的異常に起因する神経発達症群のモデル動物として選別する工程、
を含む、神経発達症群のモデル動物の作製方法。
【請求項8】
前記神経発達症群が、自閉スペクトラム症、知的発達症、注意欠如多動症及び常同運動症からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記神経発達症群が、自閉スペクトラム症である、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記動物が哺乳動物である、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経発達症群のモデル動物に関する。より詳細には、ヒト染色体15q11-13領域に対する他の動物におけるシンテニー領域を4つ有する、遺伝学的異常に起因する神経発達症群のモデル動物及びその製造方法などに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
神経発達症群は、神経系の発達不全に起因する一群の疾患である。神経発達症候群は、発達の早期、しばしば就学前に明らかとなり、該疾患を発症する患者においては、個人的、社会的、学業又は職業において期待される機能を発揮しづらくなる。神経発達障害の原因の1つとして遺伝的な要因が挙げられ、特に、神経発達障害と染色体の一部の重複や欠失との関連性が着目されている。
【0003】
自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder:ASD)は、自閉症スペクトラム障害とも呼ばれ、神経発達症群に分類されるひとつの診断名である。ASDでは、患者にコミュニケーションや言語に関する症状が認められ、ASDは常同行動を示すといった様々な状態を連続体(スペクトラム)として包含する診断名である。ASDの判断基準として、米国精神医学会が作成した精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:DSM)や、世界保健機関(WHO)が作成した疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:ICD)などが存在する。
【0004】
実臨床における神経発達症群のより正確な診断のために、神経発達症群の病態の解明が求められており、例えば、神経発達症群モデル動物を使用して神経発達症群の原因遺伝子の候補の検討がなされている。かかる神経発達症群モデル動物として、ヒストンデアセチレース阻害剤であるバルプロ酸を妊娠マウスに投与する方法や2本鎖RNA、リポ多糖又は白血病阻止因子(LIF)の投与により妊娠マウスの免疫を不活化する方法(特許文献1)、動物の胎児の神経発生期に、GABAA受容体の亢進薬又は阻害薬を該動物に投与する方法(特許文献2)などの薬剤投与により作製されたASDモデルマウスなどが知られている。しかしながら、これら薬剤投与によるモデルマウスの作製方法では、自閉症様の行動を示す仔マウスが安定的に得られないことや、投与した薬剤により動物に生じる障害が非特異的であり、目的とする疾患に特異的な障害を有するモデル動物を作製することは困難であるとの問題があった。
【0005】
また、本発明者は以前、ASDモデル動物の開発を進め、ヒトASDの原因の1つであるヒト染色体15q11-13領域の重複に着目した。そして、ヒト染色体15q11-13領域に対するシンテニー領域(即ち、マウス染色体7c領域)が重複する(即ち、7番染色体中に3つのシンテニー領域を有する)ASDモデルマウス(以下、「染色体重複ASDモデルマウス」とも称する。)の作製に成功した(非特許文献1、特許文献3)。染色体重複ASDモデルマウスは、ヒト自閉スペクトラム症と同様(ASD様)の症状が認められるため、ASDの病態の解明やASDの改善薬のスクリーニング等に有用である。しかしながら、染色体重複ASDモデルマウスは、ASD様の症状が緩徐であることから、ASD様の症状がさらに重篤なモデル動物、あるいはASDの他の症状を示すモデル動物が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-180655号
特開2016-027792号
特開2007-166966号
【非特許文献】
【0007】
Nakatani J. et al., Cell. 137(7):1235-1246 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、ASD様の症状が染色体重複ASDモデルマウスよりも重篤なモデル動物、あるいはASD様の他の症状を示す神経発達症群モデル動物を提供し、該モデル動物を用いることで、神経発達症群の病態の解明や、新規な神経発達症群の改善薬の探索などに資することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、ヒト染色体15q11-13領域に対するシンテニー領域を3つ有する従来の染色体重複ASDモデルマウスにおいて、さらに該シンテニー領域を1つ増やすことで、より重篤な症状を有するASDモデルマウスを作製できるのではないかとの着想を得た。しかしながら、マウス染色体中の上記シンテニー領域(即ち、7c領域)は全長約6.3Mbpであり、複数の遺伝子を含む非常に長い領域である(ヒト染色体15q11-13領域とマウス染色体7c領域の比較図を図1として示す)。そのため、従来の染色体重複ASDモデルマウスの染色体にさらに1つシンテニー領域を付加させると、マウスは胎生致死となると推測された。さらに、ヒト染色体15q11-13領域に対するシンテニー領域が3つであるか4つであるかをジェノタイピングできる方法は知られていない。このような事情があるため、ヒト染色体15q11-13領域に対するシンテニー領域を4つ有する哺乳動物についての報告はなされていない。
【0010】
本発明者は、ヒト染色体15q11-13領域に対するシンテニー領域を4つ有するマウス胎仔の中には、偶然にも胎生致死を免れるものも生じるのではないかとの着想を得た。そこで、本発明者は、シンテニー領域が3つであるか4つであるかをジェノタイピングできる方法を探索し、かかる方法を開発することに成功した。そして、本発明者は、さらに研究を重ねた結果、実際にヒト染色体15q11-13領域に対するシンテニー領域を4つ有するマウス(以下、7c領域4コピーマウス)(染色体の概要図を図2として示す)を作製することに成功した。7c領域4コピーマウスは、メンデルの法則よりも得られる個数が非常に少ないことを見出したが、これにより染色体7c領域を4コピー有する仔マウスの多くは胎生致死であることが強く示唆された。得られる仔の遺伝子型のパターンを図3に示す。さらには、かかるマウスでは、従来の染色体重複ASDモデルマウスと異なり、意外にも、注意欠如多動症(ADHD)と同様の症状も示すことを見出した。本発明者は、これらの知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)
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