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公開番号2024150293
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2023063640
出願日2023-04-10
発明の名称アルミニウム部材、アルミニウム樹脂複合体およびアルミニウム樹脂複合体の製造方法
出願人プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社,トヨタ自動車株式会社,プライムアースEVエナジー株式会社
代理人弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
主分類C23C 26/00 20060101AFI20241016BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】接合強度に優れたアルミニウム部材、アルミニウム樹脂複合体およびアルミニウム樹脂複合体の製造方法を実現すること。
【解決手段】金属アルミニウムからなる部材本体(蓋部材30、正極端子部材50)の部材表面上に、径および高さがそれぞれ1μm未満のナノオーダーの突起部(蓋上面突起部層F11、蓋下面突起部層F21、端子側面突起部層F31、端子下面突起部層F41)が密に並んでおり、突起部のうち、部材表面に繋がる基端部に、非晶質アルミナおよびα-アルミナを含有する。
【選択図】 図14
特許請求の範囲【請求項1】
金属アルミニウムからなる部材本体の部材表面上に、径および高さがそれぞれ1μm未満のナノオーダーの突起部が密に並んでおり、
前記突起部のうち、前記部材表面に繋がる基端部に、非晶質アルミナおよびα-アルミナを含有するアルミニウム部材。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
請求項1に記載のアルミニウム部材であって、
前記突起部の前記基端部は、非晶質アルミナよりもα-アルミナを多く含有するアルミニウム部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアルミニウム部材に、樹脂部材が接合したアルミニウム樹脂複合体。
【請求項4】
請求項3に記載のアルミニウム樹脂複合体の製造方法であって、
前記突起部が形成される前の前記部材表面にレーザ照射して、前記部材表面上に前記突起部を形成する突起部形成工程と、
前記突起部形成工程の後、インサート成形により、前記部材表面上に前記樹脂部材を形成するインサート成形工程と、を備えるアルミニウム樹脂複合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術分野は、アルミニウム部材、アルミニウム樹脂複合体およびアルミニウム樹脂複合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウム部材と樹脂部材とが接合したアルミニウム樹脂複合体が知られている。アルミニウム部材と樹脂部材との接合強度を高めるために、予めアルミニウム部材の表面を、粗化処理することが行われている。これに関連する従来技術として、例えば特許文献1が挙げられる。
【0003】
特許文献1では、アルミニウム樹脂複合体を得るために、最初に、アルミニウム部材をエッチング剤に浸潰することによって、アルミニウム部材の表面を粗化処理している。粗化処理の結果、アルミニウム部材の表面には、微細凹凸形状が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-164989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のアルミニウム樹脂複合体を、六フッ化リン酸リチウムを含む非水電解液に水を添加した液中に浸潰すると、樹脂部材がアルミニウム部材から分離することがあった。その理由を以下に説明する。一般的に、アルミニウム部材の表面には、非常に薄い酸化膜が形成されている。したがって、アルミニウム樹脂複合体においては、樹脂部材は、この酸化膜を介してアルミニウム部材に接合していることになる。そして、上記液中には、フッ化水素が発生している。そのため、アルミニウム樹脂複合体を、上記液中に浸潰すると、酸化膜が液中のフッ化水素により分解される。その結果、アルミニウム部材から樹脂部材が分離する。また、アルミニウム樹脂複合体を塩酸に浸潰した場合も同様に、酸化膜が液中の塩化水素により分解され、樹脂部材がアルミニウム部材から分離する。
【0006】
このように、従来のアルミニウム樹脂複合体は、耐酸性や耐フッ酸性が高くないとも考えられる。言い換えると、アルミニウム部材が樹脂部材と接合したときの当該接合部分に係る接合強度が十分ではない。したがって、当該接合部分に係る接合強度を更に高めることが望まれていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、樹脂部材と接合したときの当該接合部分に係る接合強度に優れたアルミニウム部材、アルミニウム樹脂複合体およびアルミニウム樹脂複合体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題の解決を目的としてなされた金属部材は、
金属アルミニウムからなる部材本体の部材表面上に、径および高さがそれぞれ1μm未満のナノオーダーの突起部が密に並んでおり、
前記突起部のうち、前記部材表面に繋がる基端部に、非晶質アルミナおよびα-アルミナを含有する。
【0009】
本発明のアルミニウム部材によれば、部材表面上に、径および高さがそれぞれ1μm未満のナノオーダーの突起部が密に並んでいるので、アンカー効果により、アルミニウム部材に樹脂部材が接合した場合の当該接合部分に係る接合強度が向上する。さらに、突起部のうち、部材表面に繋がる基端部に、非晶質アルミナだけでなく、化学的な安定性に優れるα-アルミナも含有するので、当該接合部分に係る耐酸性や耐フッ酸性、ひいては塩酸や六フッ化リン酸リチウムを含む非水電解液に水を添加した液中に浸潰したときの樹脂部材の分離のし難さが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態に係る電池の斜視図である。
図1のA-A断面図である。
正極端子部材の斜視図である。
図1の電池から抽出されたユニット部材の斜視図である。
(A)は図4のB-B断面図であり、(B)は図4のC-C断面図である。
(A)は蓋部材の上面と正極用樹脂部材との接合領域、および、蓋部材の上面において粗化処理が施されている領域を説明する説明図であり、(B)は蓋部材の下面と正極用樹脂部材との接合領域、および、蓋部材の下面において粗化処理が施されている領域を説明する説明図である。
(A)は正極端子部材の一部の側面と正極用樹脂部材との接合領域、および、正極端子部材の一部の側面において粗化処理が施されている領域を説明する説明図であり、(B)は正極端子部材の長直線部分の下面と正極用樹脂部材との接合領域、および、正極端子部材の長直線部分の下面において粗化処理が施されている領域を説明する説明図である。
実際に、アルミニウム部材の表面に、粗化領域に係るパルスレーザ照射と同一条件でパルスレーザを照射して、部材表面にナノオーダーレベルの多数の突起部が形成されて網の目状に密な状態で並んでいる様子を表す画像である。
(A)はTEM-EELSによって得られた断面試料の拡大投影像であり、(B-1)は化学状態Aを示すマッピング像(化学状態分析結果)であり、(B-2)は化学状態Bを示すマッピング像(化学状態分析結果)であり、(B-3)は化学状態Cを示すマッピング像(化学状態分析結果)である。
分析会社から取得したAl関連化合物のEELSスペクトルと、今回の断面試料から取得したEELSスペクトルとを表すグラフである。
実施形態に係る電池の製造方法のフローチャートである。
(A)は蓋下面粗化領域に対する粗化処理を模式的に表した図であり、(B)は端子側面粗化領域に対する粗化処理を模式的に表した図である。
インサート成形処理を模式的に表した図である。
(A)は耐酸性試験の結果を表す表であり、(B)は耐フッ酸性試験の結果を表す表である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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