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公開番号2024148989
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062604
出願日2023-04-07
発明の名称誘電体ロッドアンテナおよび誘電体ロッド
出願人電気興業株式会社
代理人個人
主分類H01Q 15/08 20060101AFI20241010BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ミリ波帯以上でのアレーアンテナにおける伝送線路損失の相対的な低減と高利得化、ならびに、ビーム走査の対応が可能な、誘電体ロッドアンテナ、および、誘電体ロッドを実現することを目的とする。
【解決手段】誘電体ロッドは、外部のアンテナに装着されるものであって、複数の誘電体素子を備える。誘電体素子は、外部のアンテナの有するそれぞれのアンテナ素子に1以上の誘電体素子が対応するよう配置されている。誘電体素子は、基部、先端部、および、基部と先端部を接続する本体部を有する。基部は格子状に配置される。本体部は、基部から先端部に向かって、略直線状に延びる形状を有する。それぞれの本体部は、基部から先端部に向かって、互いに離間するよう配置されている。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
外部のアンテナに装着される誘電体ロッドであって、
複数の誘電体素子を備え、
前記複数の誘電体素子は、前記外部のアンテナの有するそれぞれのアンテナ素子に1以上の前記誘電体素子が対応するよう配置されており、
前記誘電体素子は、基部、先端部、および、前記基部と前記先端部を接続する本体部を有し、
前記基部は格子状に配置され、
前記本体部は、
前記基部から前記先端部に向かって、略直線状に延びる形状を有し、
それぞれの前記本体部は、前記基部から前記先端部に向かって、互いに離間するよう配置されていることを特徴とする、
誘電体ロッド。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
前記格子が、一列であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッド。
【請求項3】
前記格子が、mおよびnを2以上の自然数として、m行n列であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッド。
【請求項4】
それぞれの前記本体部は全て、少なくとも一方向において、前記基部から前記先端部に向かって、互いに離間するよう配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の誘電体ロッド。
【請求項5】
それぞれの前記本体部は全て、前記基部から前記先端部に向かって、互いに離間するよう配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の誘電体ロッド。
【請求項6】
誘電率が4以下であり、かつ、
前記誘電体素子の長さが15波長以上であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッド。
【請求項7】
透明であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッド。
【請求項8】
前記アンテナとの位置関係を固定する固定部を有することを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッド。
【請求項9】
前記本体部が、前記基部から前記先端部に向かって細くなり、かつ、誘電体素子の長さ方向に対する誘電体素子の径の減少率は基部側ほど大きい形状を有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電体ロッド。
【請求項10】
前記本体部が、滑らかな曲線状であることを特徴とする、請求項7に記載の誘電体ロッド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体ロッドアンテナおよび誘電体ロッドに関するものであり、特に、移動通信システムや基地局アンテナシステムで用いられる誘電体ロッドアンテナおよび誘電体ロッドに関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
5Gミリ波帯では、アレーアンテナによる高利得ビームを走査することによりエリアを確保している。Beyond5G/6Gでは300GHzまでの高周波数の利用が検討されており、高利得ビーム走査の必要性が増す。また、アレーアンテナとは異なる利得増強の技術として、誘電体を軸方向に延伸した、誘電体ロッドアンテナがある。
5Gからミリ波帯(28GHz帯)が割り当てられている。ただしデメリットとして、通信距離による損失が大きい。
アレーアンテナによる高利得ビームを走査して、各端末と基地局間のリンクを実現している。この傾向は、周波数が上がるほど、問題が大きくなる。
アレーアンテナは、8×8、つまり8行8列の64素子以上で構成されることが一般的であり、最大アンテナ利得は22dBi以上であることが多い。
背面の伝送線路は、非常に長いため、4dB以上の損失など、大きな損失が発生する。このため、伝送線路損の低減が課題となっている。300GHzまでの利用を想定している6Gにおいては、より伝送線路損失が増大することが懸念される。
特許文献1には、ビームフォーミング装置およびビームフォーミング方法が記載されている。アンプ、移相器が、各素子に配置されており、ビーム走査を実現している。
各素子にミキサを接続し、中間周波数、つまり、実際に無線通信する周波数より低い周波数で、長い伝送線路を設計しているため、損失が低減される。
特許文献2には誘電体ロッドアンテナが記載されている。この誘電体ロッドアンテナでは、電波の飛ぶ方向に誘電体を延伸することで、アンテナ利得が増強されている。
非特許文献1には、個々のアンテナ素子に対して誘電体ロッドを設けた、誘電体ロッドアンテナアレーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-16077号公報
特開2005-347936号公報
Gabriel L. Saffold et.al, ”Dielectric Rod Antenna Array With Planar Folded Slot Antenna Excitation” IEEE Open Journal of Antennas and Propagation, Volume 2, 2021, page 664-673
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の大規模・複数のミキサ回路は、コスト大・配線設計の複雑さをまねく。特許文献2に記載の構造では、伝送線路損失の増大はないものの、ビーム走査は実現できない。非特許文献1に記載の誘電体ロッドアンテナアレーでは、各ロッドが同一方向を向いており,アンテナ利得の増強は実現できるものの、広角にエリアをつくるためのビーム走査には対応できない。また、個別に誘電体を接地し調整する必要があり、製造や組立のコストが増加するだけでなく、運搬時の影響によるずれから現地でアンテナ素子1つ1つに再調整が必要となるなど、実用化が現実的でない。
そこで、本発明は、ミリ波帯以上でのアレーアンテナにおける伝送線路損失の相対的な低減と高利得化、ならびに、ビーム走査の対応が可能であり、低コストな誘電体ロッドアンテナ、および、誘電体ロッドを実現することを目的とする。
本発明のその他の目的は、発明を実施するための形態においても説明される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る誘電体ロッドは、
外部のアンテナに装着される誘電体ロッドであって、
複数の誘電体素子を備え、
前記複数の誘電体素子は、外部のアンテナの有するそれぞれのアンテナ素子に1以上の前記誘電体素子が対応するよう配置されており、
誘電体素子は、基部、先端部、および、基部と先端部を接続する本体部を有し、
基部は格子状に配置され、
本体部は、
基部から先端部に向かって、略直線状に延びる形状を有し、
それぞれの本体部は、基部から先端部に向かって、互いに離間するよう配置されていることを特徴とする、誘電体ロッドである。
本発明の請求項2に係る誘電体ロッドは、格子が一列であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項3に係る誘電体ロッドは、格子が、mおよびnを2以上の自然数として、m行n列であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項4に係る誘電体ロッドは、それぞれの本体部は全て、少なくとも一方向において、基部から先端部に向かって、互いに離間するよう配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項5に係る誘電体ロッドは、それぞれの本体部は全て、基部から先端部に向かって、互いに離間するよう配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項6に係る誘電体ロッドは、誘電率が4以下であり、かつ、誘電体素子の長さが15波長以上であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項7に係る誘電体ロッドは、透明であることを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項8に係る誘電体ロッドは、アンテナとの位置関係を固定する固定部を有することを特徴とする、請求項1に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項9に係る誘電体ロッドは、本体部が、基部から先端部に向かって細くなり、かつ、誘電体素子の長さ方向に対する誘電体素子の径の減少率は基部側ほど大きい形状を有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項10に係る誘電体ロッドは、本体部が、滑らかな曲線状であることを特徴とする、請求項7に記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項11に係る誘電体ロッドは、本体部の太さが、段階的に変化し、かつ、段階ごとに先端ほど長くなる形状であることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電体ロッドである。
本発明の請求項12に係る誘電体ロッドアンテナは、請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電体ロッド、および、複数のアンテナ素子を有するアンテナ部、を備えることを特徴とする、誘電体ロッドアンテナである。
本発明の請求項13に係る誘電体ロッドアンテナは、ミリ波以上の電波を送信する送信部、または、ミリ波以上の電波を受信する受信部を備えることを特徴とする、請求項12に記載の誘電体ロッドアンテナである。
本発明は、以上の構成により、従来と比較して、第一に、損失を低減しつつ、第二に、少なくとも同等のアンテナ利得、つまり、典型的には最大22dBi以上であり、第三に、少なくとも同等のアンテナと同様のビーム走査を達成できる、新規な誘電体ロッドアンテナ、および、誘電体ロッドを実現する。
本発明のその他の効果は、発明を実施するための形態においても説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの結果を示す。
比較例における結果を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
本発明の一実施例における誘電体ロッドアンテナの構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施例における誘電体ロッド100の一例を示す。
誘電体ロッド100は図2に示されるような外部のアンテナ400に装着されるものである。
励振源をアレーアンテナとし、ビームフォーミングやマルチビーム回路で実現する複数のビーム方向に対して高利得化するよう設計された誘電体を設ける。
励振源の素子数と利用ビームの数(ロッドの延伸方向数)を合わせると、各ビームが分離できるように設計できる。励振源のビーム形成法は、アナログ/デジタルビームフォーミング、バトラーマトリクスなどを用いたマルチビームのいずれでも対応可能となる。
【0008】
本実施例における誘電体ロッド100は、複数の誘電体素子110を備える。誘電体素子110は、外部のアンテナ400の有するそれぞれのアンテナ素子410に1以上の誘電体素子110が対応するよう配置されている。本実施例では、それぞれのアンテナ素子410に1以上の誘電体素子110が対向するよう配置されている。
誘電体素子110は、基部111、先端部112、および、基部111と先端部112を接続する本体部113を有する。
基部111は格子状に配置されている。「格子状に配置」とは、互いの位置関係が固定され基部が隙間なく配置された構造であることを意味する。格子は縦横2次元状でも、あるいは、横一列でも良い。もちろん、アンテナの設置形態に合わせて、斜めや垂直など、様々な方向に配置することができる。なお、本説明では、誘電体ロッドアンテナを単にアンテナと呼ぶことがある。
【0009】
本体部113は、基部111から先端部112に向かって、略直線状に延びる形状を有する。
それぞれの本体部113は、基部111から先端部112に向かって、互いに離間するよう配置されている。ここで、「それぞれの本体部113は、基部111から先端部112に向かって、互いに離間するよう配置されている」とは、互いの距離が同じ場合も含まれる。つまり本体部113の距離は、同じであるか離れるように構成されている。ただし、全ての距離が同じである場合は含まない。つまり、少なくとも一部の本体部同士は、その距離が離間することにより、全体としては、基部111から先端部112に向かって、互いに離間するよう配置されている。本構成により、広範囲において効率の良い通信が実現できる。
一実施例において、図1に示されるように、水平方向や垂直方向など、少なくとも一方向において、それぞれの本体部113は全て、基部111から先端部112に向かって、互いに離間するよう配置されている構成とすることもできる。本構成によれば、送受信の対象範囲が広がる方向に合わせて、より広範囲に効率の良い通信が実現できる。
図1に示されるように、使用するビーム方向に誘電体を延伸することができる。このため、高利得化が可能となると同時に、誘電体ロッド100を低損失な素材で作成することで、伝送線路損を極めて小さくできる。
【0010】
図2の外部のアンテナ400に代えて、図6に示されるように、励振源は、水平・垂直方向にビーム走査が可能なアレーアンテナ300とすることができる。
図1に示されるように、アンテナ素子数と使用するビーム数は同じである。本実施例では、4ビームに絞り込まれている。特に、次のようなビーム走査の実現に寄与できる。つまり、第一に、各ビームの最大方向を分離できる。そして、第二に適切なレベルで、各ビームのオーバーラップを設計可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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