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公開番号2024148933
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062527
出願日2023-04-07
発明の名称水素炎イオン化検出器及びガスクロマトグラフ
出願人株式会社島津製作所
代理人個人
主分類G01N 27/626 20210101AFI20241010BHJP(測定;試験)
要約【課題】FID内部のノズルの内径が水素炎の影響によって変化することを抑制することが可能な水素炎イオン化検出器を提供する。
【解決手段】上端が開口し、下方からサンプルガスが導入される孔14を有するベース2と、孔の内周面24との間に隙間をもって孔内に収容されている管状の管部4a、及び管部の上端に設けられガスを上方へ向けて噴出するための噴出口18を先端に有する噴出部4bを有し、孔の上端部において噴出部の外周面がベースと直接的に面接触しているノズル4と、噴出部の上方に設けられ、噴出口の上方に形成された水素炎で生成されたイオンを捕集するためのコレクタ8と、を備え、前記隙間に助燃ガスが導入されるように構成され、噴出部とベースとの面接触によって、隙間のガスが噴出部の外側を通って上方へ漏れることを防止するシール部を形成するとともに、ベースがノズルの熱を吸収するヒートシンクとして機能するように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上端が開口し、下方からサンプルガスが導入される孔を有するベースと、
前記ベースの前記孔の内周面との間に隙間をもって前記ベースの前記孔内に収容されている管状の管部、及び前記管部の上端に設けられガスを上方へ向けて噴出するための噴出口を先端に有する噴出部を有し、前記孔の上端部において前記噴出部の外周面が前記ベースと直接的に面接触しているノズルと、
前記ノズルの前記噴出部の上方に設けられ、前記ノズルの前記噴出口の上方に形成された水素炎で生成されたイオンを捕集するためのコレクタと、を備え、
前記ベースの前記孔の前記内周面と前記ノズルの前記管部の前記外周面との間の前記隙間に助燃ガスが導入されるように構成され、
前記ノズルの前記噴出部と前記ベースとの前記面接触によって、前記ノズルの前記管部の前記外周面と前記ベースの前記孔の前記内周面との間の前記隙間のガスが前記噴出部の外側を通って上方へ漏れることを防止するシール部を形成するとともに、前記ベースが前記ノズルの熱を吸収するヒートシンクとして機能するように構成されている、水素炎イオン化検出器。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記ノズルの前記噴出部の外周面の一部はテーパ形状を有するテーパ状部分となっており、前記ベースの前記孔の内周面の一部は前記噴出部の前記テーパ状部分と同じテーパ角をもって前記噴出部の前記テーパ状部分と対向するテーパ状部分となっており、前記噴出部と前記ベースの互いの前記テーパ状部分が互いに面接触している、請求項1に記載の水素炎イオン化検出器。
【請求項3】
前記ノズルの外周面にネジが設けられ、前記孔の前記内周面に前記ノズルの前記外周面に設けられている前記ネジと螺合するネジが設けられ、前記ノズルの前記外周面のネジと前記孔の前記内周面の前記ネジとを互いに螺合させて前記ノズルを締め込むことにより前記ノズルの前記テーパ状部分と前記ベースの前記テーパ状部分とが互いに押し付けられるように構成されている、請求項2に記載の水素炎イオン化検出器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素炎イオン化検出器(以下、FID(Flame Ionization Detector)ともいう)及びガスクロマトグラフに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフの検出器としてFIDがよく使用される。FIDは、分離カラムの出口に配置されたノズルの先端で水素炎を形成し、水素炎によって生成されたサンプル成分由来のイオンをコレクタで捕集することによってサンプル中の各成分の濃度を定量する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000-206091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検出器としてFIDを用いて高濃度のサンプルの分析を行なうと、分析結果の再現性が悪化する場合がある。本発明者は、このような問題の原因が、FID内部のノズルの内径が水素炎の温度の上昇の影響で大きくなり、ノズルの先端から噴出されるガスの流量が変動することが一因であるという知見を得た。ノズルの先端から噴出されるガスの流量が変動すると、試料中の成分濃度によって検出感度が変動してしまい、分析の再現性を低下させる。
【0005】
そこで、本発明は、FID内部のノズルの内径が水素炎の影響によって変化することを抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る水素炎イオン化検出器(FID)は、上端が開口し、下方からサンプルガスが導入される孔を有するベースと、前記ベースの前記孔の内周面との間に隙間をもって前記ベースの前記孔内に収容されている管状の管部、及び前記管部の上端に設けられガスを上方へ向けて噴出するための噴出口を先端に有する噴出部を有し、前記孔の上端部において前記噴出部の外周面が前記ベースと直接的に面接触しているノズルと、前記ノズルの前記噴出部の上方に設けられ、前記ノズルの前記噴出口の上方に形成された水素炎で生成されたイオンを捕集するためのコレクタと、を備え、前記ベースの前記孔の前記内周面と前記ノズルの前記管部の前記外周面との間の前記隙間に助燃ガスが導入されるように構成され、前記ノズルの前記噴出部と前記ベースとの前記面接触によって、前記ノズルの前記管部の前記外周面と前記ベースの前記孔の前記内周面との間の前記隙間のガスが前記噴出部の外側を通って上方へ漏れることを防止するシール部を形成するとともに、前記ベースが前記ノズルの熱を吸収するヒートシンクとして機能するように構成されている。
【0007】
本発明が対象とするFIDは、管状の管部及び管部の上端に設けられた噴出部を有するノズルがベースの孔の上端部に取り付けられ、ベースの孔の内周面とノズルの管部の外周面との間の隙間に助燃ガス(水素ガス)及びメークアップガスが導入されるようになっている。サンプルガスはノズルの管部の下方から導入される。助燃ガス及びメークアップガスは、ベースの孔の内周面とノズルの管部の外周面との間の隙間を通って管部の下端に達し、ノズル内でサンプルガスと混合されて噴出部の先端の噴出口から上方へ噴出され、水素炎を形成する。このような構造のFIDでは、助燃ガス及びメークアップガスの一部がサンプルガスと混合されずにベースの孔の内周面とノズルとの間の隙間を上昇して上方へ漏れ出すことを防止する必要がある。助燃ガス及びメークアップガスの一部がサンプルガスと混合されずに上方へ漏れ出すと、ノズルの噴出口から噴出されるガス量が変化してFIDの感度が変化する。そのため、ノズルの噴出部とベースの孔の縁とを線接触させて互いに強く押し付けることで、ベースの孔の内周面とノズルの外周面との間のガスが上方へ漏れることを確実に防止する高いシール性を確保するという対応が一般に採られていた。
【0008】
一方で、ベースとノズルを線接触させる構造では、ノズルの熱がベースには伝達されにくく、ノズルが水素炎からの熱によって高温になりやすい。そこで、本発明では、ベースとノズルとを互いに面接触させて接触面積を大きくすることで、ベースがノズルの熱を吸収するヒートシンクとして機能させるようにした。ベースとノズルとを面接触させると、ベースとノズルとを線接触させる場合に比べてシール性が低下する可能性がある。しかし、本発明者は、ベースの孔の内周面とノズルの外周面との間の圧力が一般的に10kPa以下であり、ベースとノズルとを面接触させてもベースの孔の内周面とノズルの外周面との間の隙間のガスが上方へ漏れ出ることを防止するのに十分なシール性を確保できることを実験により確認した。すなわち、本発明は、ベースの孔の内周面とノズルの外周面との間の隙間のガスが上方へ漏れ出ることを防止するためのシール部において、ベースとノズルとを面接触させてもシール部としての機能が果たされるような十分なシール性を確保できると同時に、ノズルからベースへの熱伝達効率が向上し、ベースをノズルのヒートシンクとして機能させることができるという知見に基づいている。
【0009】
なお、従来技術として開示している文献(特開2000-206091号公報)に開示されている構造では、ベースの孔の内周面とノズルの管部の外周面との間に助燃ガス及びメークアップガスが導入されるようになっていない。さらに、この文献の図2において、ノズルの下端の外周面がベースに対して面接触しているように描かれているが、実際には、ノズルの下端がベースの孔に挿入されているだけであり、この部分でノズルとベースとが熱的に密着しているわけではない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るFIDでは、ノズルの噴出部とベースとの面接触によって、前記ノズルの管部の外周面と前記ベースの孔の内周面との間の隙間のガスが前記噴出部の外側を通って上方へ漏れることを防止するシール部を形成しながら、前記ベースが前記ノズルの熱を吸収するヒートシンクとして機能するように構成されているので、水素炎の熱の影響によるノズルの内径の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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