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公開番号2024148573
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061806
出願日2023-04-06
発明の名称シール部材およびその製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類C09K 3/10 20060101AFI20241010BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】シール部材の間隙に重合性化合物が浸み込んでも長期に渡り花咲き現象を防止し、配管や装置内の重合性単量体の重合反応を阻害しないシール部材を提供することにある。
【解決手段】樹脂および重合禁止剤を含有する樹脂部を有するシール部材であって、
該樹脂のSP値[(J/cm3)0.5]をSPb、該重合禁止剤のSP値[(J/cm3)0.5]をSPpとしたとき、下記式(1)の関係を満たし、
SPp-SPb≦16.37 ・・・式(1)
該シール部材の該樹脂部の断面観察において、該断面における該重合禁止剤が占める面積を100面積%としたときに、該重合禁止剤のドメインのうち短径が5μm以上のドメインが占める面積が25面積%以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂および重合禁止剤を含有する樹脂部を有するシール部材であって、
該樹脂のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSPb、該重合禁止剤のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSPpとしたとき、下記式(1)の関係を満たし、
SPp-SPb≦16.37 ・・・式(1) 該シール部材の該樹脂部の断面観察において、該断面における該重合禁止剤が占める面積を100面積%としたときに、該重合禁止剤のドメインのうち短径が5μm以上のドメインが占める面積が、25面積%以下であることを特徴とするシール部材。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記シール部材中の前記重合禁止剤の含有量が、0.1質量%以上10.0質量%以下である請求項1に記載のシール部材。
【請求項3】
前記シール部材の前記樹脂部の断面観察において、前記断面における前記重合禁止剤が占める面積を100面積%としたときに、前記重合禁止剤のドメインのうち短径が5μm以上のドメインが占める面積が、15面積%以下である請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項4】
前記樹脂部のヤング率が、0.1GPa以上30.0GPa以下である請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項5】
前記樹脂が、ポリテトラフルオロエチレンである請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項6】
前記重合禁止剤が、フェノール性水酸基を2つ有する構造である請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項7】
前記重合禁止剤の融点が、120℃以上である請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項8】
前記シール部材が、ガスケットである請求項1または2に記載のシール部材。
【請求項9】
請求項1または2に記載のシール部材の製造方法であって、
前記樹脂を成形し、中間成形体を得た後に、前記重合禁止剤を有機溶剤に溶解させたものを該中間成形体に含浸させることで該シール部材を得ることを特徴とするシール部材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シール部材およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
化学工場などで使用される配管等の継ぎ目には、必ずシール部材としてガスケット(もしくはパッキン)が使用されている。重合性モノマーを配管に通液させると樹脂ガスケットにモノマーが染み込み、ガスケット内部で重合し、成長することで配管を閉塞させる、「花咲き現象」という課題がある。
従来、花咲き現象の対策として、より浸透を起こし難い耐溶剤性の高いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を基材とするガスケットや、重合を抑制する禁止剤を含有するガスケットなどが提案されている(特許文献1および特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-196779号公報
WO2015/151515公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、耐溶剤性の高いPTFEを基材とするガスケットであっても、間隙が存在するためモノマーが含浸し、花咲き現象が発生する。
一方、上記特許文献2は、花咲き現象抑制効果を最大化させるために耐溶剤性の高いPTFEを基材に重合禁止剤を含有させる場合、重合禁止効果の高い重合禁止剤を用いてもガスケット中の重合禁止剤のドメインがダマになって存在し易いため、花咲き現象抑制効果が不十分である。更にその重合禁止剤の脱離・溶出といった課題も発生し易いため、配管や装置内の重合性単量体の重合反応を阻害する恐れもある。
本発明の目的は、ガスケット等のシール部材の間隙に重合性化合物が浸み込んでも長期に渡り花咲き現象を防止し、配管や装置内の重合性単量体の重合反応を阻害しないシール部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、以下の方法を見出した。
すなわち、本発明は、樹脂および重合禁止剤を含有する樹脂部を有するシール部材であって、
該樹脂のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSPb、該重合禁止剤のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSPpとしたとき、下記式(1)の関係を満たし、
SPp-SPb≦16.37 ・・・式(1)
該シール部材の該樹脂部の断面観察において、該断面における該重合禁止剤が占める面積を100面積%としたときに、該重合禁止剤のドメインのうち短径が5μm以上のドメインが占める面積が25面積%以下であることを特徴とするシール部材に関する。
また、本発明は、上記構成のシール部材の製造方法であって、
前記樹脂を成形し、中間成形体を得た後に、前記重合禁止剤を有機溶剤に溶解させたものを該中間成形体に含浸させることで該シール部材を得ることを特徴とするシール部材の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、基材のSP値と重合禁止剤のSP値の差が適正範囲になる禁止剤を含浸させ、禁止剤の分散状態をダマが少ない状態に制御することで、禁止剤がガスケット内の間隙に満遍なく分散し、かつ基材とある程度親和性があることで、禁止剤の脱離や溶出が発生しにくい。そのため、ガスケットの間隙に重合性化合物が浸み込んでも長期に渡り花咲き現象を防止し、配管や装置内の重合性単量体の重合反応を阻害しないシール部材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
〔本発明の特徴〕
樹脂および重合禁止剤を含有する樹脂部を有するシール部材であって、該樹脂のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSPb、該重合禁止剤のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSPpとしたとき、下記式(1)の関係を満たし、
SPp-SPb≦16.37 ・・・式(1)
該シール部材の該樹脂部の断面観察において、該断面における該重合禁止剤が占める面積を100面積%としたときに、該重合禁止剤のドメインのうち短径が5μm以上のドメインが占める面積が、25面積%以下であることを特徴とするシール部材を用いることで本発明の効果が得られる。
【0009】
本発明の効果が発現する理由は必ずしも明確にはなっていないが、本発明者らは次のように考えている。
【0010】
配管等のつなぎ目にはガスケットなどのシール部材が使用される。通常の流体では課題を生じないが、樹脂部を有するシール部材で、流体が重合性モノマーの場合には重合性モノマーがシール部材の樹脂部の微小な間隙に含侵し、該樹脂部の内部で重合し、最終的には配管等を閉塞させる『花咲き現象』を生じる。そこで、シール部材の樹脂部の微小な間隙に重合禁止剤を充填することで、重合性モノマーがシール部材の微小な間隙に含侵しても、そこでの重合反応を抑制することができる。その際、
(i)重合禁止剤のSP値(SPp)とシール部材の樹脂部のSP値(SPb)の差(SPp-SPb)を16.37以下にすること、
(ii)該シール部材の該樹脂部の断面観察において、該断面における該重合禁止剤が占める面積を100面積%としたときに、該重合禁止剤のドメインのうち短径が5μm以上のドメインが占める面積が25面積%以下とすること
で、該重合禁止剤が該樹脂中にダマが少ない状態で微分散し、効率よく重合反応を抑制でき、かつ該樹脂部と該重合禁止剤の親和性がある程度以上高いため、該重合禁止剤が該樹脂部から脱離せず、長期間保持される為、長期使用においても花咲き現象を抑制できる。また、重合禁止剤の溶出を抑制できるため装置内の重合反応を阻害しない。
(【0011】以降は省略されています)

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