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公開番号2024146968
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-16
出願番号2023059700
出願日2023-04-03
発明の名称保護継電器
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H02H 3/17 20060101AFI20241008BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ハードウェア構成が簡素で、位相誤差の低減効果が高い保護継電器を提供する。
【解決手段】保護継電器100は、複数の配電線路を有する電力系統1における零相電圧と、各前記配電線路に流れる零相電流とに基づき、前記電力系統1に生じる地絡を検出する制御部50とを備え、前記制御部50は、第1モード時において、前記零相電圧と前記零相電流との第1位相差を調整値として記録し、前記第1モードから切り換えられる第2モード時において、前記零相電圧と前記零相電流との第2位相差を前記調整値により調整して、前記調整後の前記第2位相差に基づいて前記電力系統1の地絡を検出する、ものである。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数の配電線路を有する電力系統における零相電圧と、各前記配電線路に流れる零相電流とに基づき、前記電力系統に生じる地絡を検出する制御部を備えた保護継電器において、
前記制御部は、
第1モード時において、
前記零相電圧と前記零相電流との第1位相差を調整値として記録し、
前記第1モードから切り換えられる第2モード時において、
前記零相電圧と前記零相電流との第2位相差を前記調整値により調整して、前記調整後の前記第2位相差に基づいて前記電力系統の地絡を検出する、
保護継電器。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記制御部は、
前記第1モード時において、
前記配電線路に流れる前記零相電流の大きさを複数段変化させて、該複数段変化された前記零相電流のそれぞれに対して前記調整値を記録し、
前記第2位相差を、該第2位相差を導出した前記零相電流の大きさに対応する大きさを有する前記第1モード時の前記零相電流に対応して記録された前記調整値を用いて調整する、
請求項1に記載の保護継電器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1モード時において前記調整値を前記配電線路毎に求めてそれぞれを記録し、
前記第2モード時において前記配電線路毎に前記第2位相差を導出し、
導出した前記第2位相差を、対応する配電線路の前記調整値により調整する、
請求項1または請求項2に記載の保護継電器。
【請求項4】
前記第1モード時における前記電力系統は、前記配電線路において地絡が生じていない状態が確保されている、
請求項1または請求項2に記載の保護継電器。
【請求項5】
前記第1モードと前記第2モードとの切り換えは、前記電力系統の稼働状態を示す信号に基づき実行される、
請求項1または請求項2に記載の保護継電器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、保護継電器に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電力系統に設けられて系統に生じる地絡等の異常を検知し、異常が生じた系統を正常な系統から切り離す制御を行う保護継電器は、系統の零相電圧と零相電流との位相差、零相電圧および零相電流の大きさ、に基づき、系統の切り離しを行う遮断器を動作させるトリップを行うか、否かを判断する。異常が生じた系統に対する確実なトリップ実行、異常が生じていない系統に対する不要なトリップの実行の防止のためには、保護継電器が正確な零相電圧と零相電流との位相差を導出することが必要不可欠となる。
【0003】
ここで、零相電流を測定するための零相変流器(ZCT:Zero-phase Current Transformer)は、このZCTが複数台並列に接続された際のインピーダンス特性変化、その個体差、保護継電器とのインピーダンス差、等により、その入力電流と出力電流(零相電流)との間の位相誤差が生じやすい。そこで、帯域阻止濾波器、増幅器、および二台のZCTを用いてZCTの磁心インダクタンス変動を抑制し、位相誤差を減らす方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-54815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の位相誤差低減方法では、ZCTを二台使用し、一台目のZCTの出力を二台目のZCTの入力側に貫通させる構成であるため、ハードウェア構成が複雑化するとともに、結合係数の変化、ZCTのバラツキ、ノイズの影響を受けやすいため、検出した零相電流に位相誤差が生じる場合がある。そのため、系統に生じる異常を精度良く検出出来ず、従って正確に系統を保護するための制御を行えない場合が生じるという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、ハードウェア構成を複雑化させることなく、系統に生じる異常を精度良く検出して正確な保護制御を行える保護継電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示される保護継電器は、
複数の配電線路を有する電力系統における零相電圧と、各前記配電線路に流れる零相電流とに基づき、前記電力系統に生じる地絡を検出する制御部を備えた保護継電器において、
前記制御部は、
第1モード時において、
前記零相電圧と前記零相電流との第1位相差を調整値として記録し、
前記第1モードから切り換えられる第2モード時において、
前記零相電圧と前記零相電流との第2位相差を前記調整値により調整して、前記調整後の前記第2位相差に基づいて前記電力系統の地絡を検出する、
ものである。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示される保護継電器によれば、ハードウェア構成が簡素でありつつ、零相電圧と零相電流との位相差を精度良く導出できる保護継電器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施の形態1による保護継電器の概略構成を示すブロック図である。
実施の形態1による保護継電器の制御部のシステム構成を示す図である。
実施の形態1による保護継電器の制御部が行う自動調整制御の流れを示すフロー図である。
実施の形態1による保護継電器の制御部が行う自動調整制御を説明するための、試験通電時における零相電圧と零相電流の波形を示す図である。
実施の形態2による保護継電器の制御部が行う調整値取得モードにおける制御動作の流れを示すフロー図である。
各実施の形態における制御部のハードウェアの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、図面に基づいて実施の形態1について説明する。なお、各図面において、同一符号は、同一あるいは相当部分を示す。
図1は、実施の形態1による保護継電器100の概略構成を示すブロック図である。
保護継電器100は、図示しない配電盤などの受配電設備に設置され、計測要素として主に電力系統1の電圧要素、電流要素を取得して監視し、この監視している電圧要素、電流要素に異常が生じると、正常な系統と異常な系統とを切り離す保護制御を行う。特に保護継電器100の保護要素の一つである地絡保護では、高圧ケーブルの絶縁劣化、断線等に起因する地絡の発生を検出して、保護制御により地絡が生じた系統の切り離しを行う。
【0010】
保護継電器100は、上記電圧要素としての電力系統1の零相電圧、および上記電流要素としての零相電流の取得に加えて、保護制御において地絡が発生していない系統(健全相)であるか、地絡が発生した系統(地絡相)であるか、を判定するため、零相電圧と零相電流との位相差を導出する。地絡相のみを電力系統1から正確に切り離して健全相を保護するためには、この位相差の導出精度が重要となる。
本実施の形態の保護継電器100は、以下に説明するように、零相電流を検出するZCTにおいて生じる入力電流と出力電流(零相電流)との位相誤差の影響が低減された、電力系統1の零相電圧と零相電流との位相差を導出するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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