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公開番号2024146339
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059178
出願日2023-03-31
発明の名称収納部材用熱膨張性断熱シート
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09K 21/06 20060101AFI20241004BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】低温から高温までの広い温度範囲で断熱性能を発揮できる収納部材用熱膨張性断熱シートを提供する。
【解決手段】本発明は、ゴム成分及び樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のマトリックス成分、熱膨張性黒鉛、及び前記熱膨張性黒鉛以外の低温発泡物質を含有する、収納部材用熱膨張性断熱シートである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ゴム成分及び樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のマトリックス成分、熱膨張性黒鉛、及び前記熱膨張性黒鉛以外の低温発泡物質を含有する、収納部材用熱膨張性断熱シート。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
150℃で膨張させたときの膨張倍率が5~80倍である、請求項1に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
【請求項3】
400℃で膨張させたときの膨張倍率が30~80倍である、請求項1又は2に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
【請求項4】
前記低温発泡物質として熱膨張性マイクロカプセルを含む、請求項1又は2に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
【請求項5】
前記低温発泡物質の発泡開始温度が100~140℃である、請求項1又は2に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
【請求項6】
前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が160~260℃である、請求項1又は2に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、収納部材用熱膨張性断熱シートに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
熱膨張性黒鉛は、火災などで火に晒された場合に、熱膨張性黒鉛自身が加熱されることで膨張して大容量の空隙を有する断熱層を形成し、耐火性を有効に発揮できることが知られている。そのため、高温に晒された際に、発火したり、爆発の危険性のある内容物を収容した収容部材などに対して、熱膨張性黒鉛を含むシートを貼り付けて、発火等を抑制することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、小型電子機器、自動車などに使用されるバッテリーに、熱膨張性黒鉛を含む耐火材を使用することが記載されている。バッテリーは電解液などの内容物を含み、温度上昇等に伴う熱暴走により発火する危険性があるが、熱膨張性黒鉛を含む耐火材をバッテリーに貼り付けることで、火災の際などの高温時に膨張して断熱膨張層を形成し、これにより、収容部材の内容物に起因する発火や爆発を抑制しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-075472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱膨張性黒鉛を含む従来の耐火材は、200℃以上の高温になったときに大きく膨張し、断熱性能を発揮することが可能であるが、200℃未満の低温では、膨張しないか、あるいは膨張が少ないため、温度の低い火災初期などにおいて、十分な断熱性を発揮できない。そのため、危険物などを収容した収納部材の初期の温度上昇を抑制できないという課題がある。火災初期の温度上昇が抑制できないと、最終到達温度が高くなるため、内容物によっては発火や爆発の危険性が高くなる。
そこで、本発明は、低温から高温までの広い温度範囲で断熱性能を発揮できる収納部材用熱膨張性断熱シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、ゴム成分及び樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のマトリックス成分、熱膨張性黒鉛、及び前記熱膨張性黒鉛以外の低温発泡物質を含有する収納部材用熱膨張性断熱シートにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]~[6]に関する。
[1]ゴム成分及び樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のマトリックス成分、熱膨張性黒鉛、及び前記熱膨張性黒鉛以外の低温発泡物質を含有する、収納部材用熱膨張性断熱シート。
[2]150℃で膨張させたときの膨張倍率が5~80倍である、上記[1]に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
[3]400℃で膨張させたときの膨張倍率が30~80倍である、上記[1]又は[2]に記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
[4]前記低温発泡物質として熱膨張性マイクロカプセルを含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
[5]前記低温発泡物質の発泡開始温度が100~140℃である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
[6]前記熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が160~260℃である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の収納部材用熱膨張性断熱シート。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温から高温までの広い温度範囲で断熱性能を発揮できる収納部材用熱膨張性断熱シートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[収納部材用熱膨張性断熱シート]
本発明の収納部材用熱膨張性断熱シートは、ゴム成分及び樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のマトリックス成分、熱膨張性黒鉛、及び前記熱膨張性黒鉛以外の低温発泡物質を含有する。
本発明の収納部材用熱膨張性断熱シートは、各種収納部材に対して使用するための熱膨張性断熱シートであり、熱により膨張して断熱層が形成され、該断熱層により各種収納部材の火災時などにおける温度上昇が抑制され、収納部材の収容物(内容物)に起因する発火や爆発を防止することができる。
以下、本発明の収納部材用熱膨張性断熱シートのことを、単に断熱シートという場合もある。
【0009】
<低温発泡物質>
本発明の断熱シートは、熱膨張性黒鉛以外の低温発泡物質を含有する。低温発泡物質は、例えば、発泡開始温度が100~150℃の範囲にある物質を意味する。断熱シートが低温発泡物質を含むことにより、火災初期などの低温時において、断熱シートが膨張し易くなり、早期に断熱性を発揮することができる。そのため、収納部材の温度上昇を抑制でき、発火や爆発の危険性を低減することができる。
【0010】
低温発泡物質の発泡開始温度は、特に限定されないが、100~150℃であることが好ましく、100~140℃であることがより好ましく、110~140℃であることがさらに好ましい。低温発泡物質の発泡開始温度がこれら下限値以上であると、断熱シートを製造する際の発泡を抑制することができる。低温発泡物質の発泡開始温度がこれら上限値以下であると、熱膨張性黒鉛のみでは膨張倍率を高めにくい低温領域の膨張倍率を高めることができる。
低温から高温までの広い範囲で良好な断熱性を発揮させる観点から、後述する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度と、低温発泡物質の発泡開始温度の差(膨張開始温度-発泡開始温度)は、好ましくは10~70℃であり、より好ましくは20~60℃である。熱膨張性黒鉛の膨張開始温度と、低温発泡物質の発泡開始温度の差がこれら下限値以上であると、互いに膨張を阻害し難くなり、その結果膨張倍率を高められる。熱膨張性黒鉛の膨張開始温度と、低温発泡物質の発泡開始温度の差がこれら上限値以下であると、低温発泡物質の膨張残渣による熱膨張性黒鉛の膨張阻害が生じ難くなり、その結果膨張倍率を高めることができる。
低温発泡物質の発泡開始温度は、実施例に記載の方法で測定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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