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公開番号2024145973
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058613
出願日2023-03-31
発明の名称化学蓄熱器およびその製造方法
出願人愛知製鋼株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F28D 20/00 20060101AFI20241004BHJP(熱交換一般)
要約【課題】蓄熱密度が高い化学蓄熱器およびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】化学蓄熱器1は、化学蓄熱材製の蓄熱材粒子を含む蓄熱体2と、蓄熱体2の少なくとも一部が拘束された状態で収容される収容部30を内部に区画する容器3と、を備える。収容部30に充填された蓄熱体2が未だ一度も反応媒体と反応していない状態を初期状態、収容部30における蓄熱体2の蓄熱密度(GJ/m3)をρ、初期状態の蓄熱体2を反応媒体と反応させ膨張させる際の蓄熱体2の膨張圧(MPa)をP1、として、以下の(式1)が成立することを特徴とする。
ρ/P1≧41 ・・・(式1)
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
化学蓄熱材製の蓄熱材粒子を含む蓄熱体と、前記蓄熱体の少なくとも一部が拘束された状態で収容される収容部を内部に区画する容器と、を備え、
前記収容部に充填された前記蓄熱体が未だ一度も反応媒体と反応していない状態を初期状態、
前記収容部における前記蓄熱体の蓄熱密度(GJ/m

)をρ、
前記初期状態の前記蓄熱体を前記反応媒体と反応させ膨張させる際の前記蓄熱体の膨張圧(MPa)をP1、
として、
以下の(式1)が成立する化学蓄熱器。
ρ/P1≧41 ・・・(式1)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記容器の構造が耐えうる下限強度(MPa)をP2として、
以下の(式2)が成立する請求項1に記載の化学蓄熱器。
0.5≦P1/P2≦1 ・・・(式2)
【請求項3】
前記収容部における前記蓄熱体の充填密度(g/cm

)をX1、
前記初期状態の前記収容部における前記蓄熱体の充填高さ(mm)をX2、
複数の前記蓄熱材粒子を含む造粒体を蓄熱材顆粒、
前記初期状態における前記蓄熱材顆粒の平均粒子径(mm)をX3、
として、
前記P1は、以下の(式3)により予測される請求項1または請求項2に記載の化学蓄熱器。
P1=0.85×[(76.8×X3

+29.1×X2+5.3×X2/X3+6.9)×exp(X1)+(-110.3×X3

-57.1×X2-7.2×X2/X3+10.1)×0.00338] ・・・(式3)
【請求項4】
化学蓄熱材製の蓄熱材粒子を含む蓄熱体と、前記蓄熱体の少なくとも一部が拘束された状態で収容される収容部を内部に区画する容器と、を備える化学蓄熱器の製造方法であって、
前記蓄熱材粒子を含む混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を顆粒状に成形する造粒工程と、
顆粒状に成形された前記混合物を焼成し、蓄熱材顆粒を作製する焼成工程と、
前記蓄熱材顆粒を含む前記蓄熱体を前記収容部に充填する充填工程と、
前記収容部において前記蓄熱体を反応媒体と反応させ膨張させることにより、前記蓄熱材粒子を前記収容部の全体に行き渡らせ、前記収容部の形状に倣って前記蓄熱体を成形する蓄熱体成形工程と、
を有し、
前記充填工程後かつ前記蓄熱体成形工程前の状態であって、前記収容部に充填された前記蓄熱体が未だ一度も前記反応媒体と反応していない状態を初期状態、
前記収容部における前記蓄熱体の蓄熱密度(GJ/m

)をρ、
前記蓄熱体成形工程において、前記初期状態の前記蓄熱体を前記反応媒体と反応させ膨張させる際の前記蓄熱体の膨張圧(MPa)をP1、
として、
以下の(式1)が成立することを特徴とする化学蓄熱器の製造方法。
ρ/P1≧41 ・・・(式1)
【請求項5】
前記容器の構造が耐えうる下限強度(MPa)をP2として、
以下の(式2)が成立する請求項4に記載の化学蓄熱器の製造方法。
0.5≦P1/P2≦1 ・・・(式2)
【請求項6】
前記収容部における前記蓄熱体の充填密度(g/cm

)をX1、
前記初期状態の前記収容部における前記蓄熱体の充填高さ(mm)をX2、
前記初期状態における前記蓄熱材顆粒の平均粒子径(mm)をX3、
として、
前記P1は、以下の(式3)により予測される請求項4または請求項5に記載の化学蓄熱器の製造方法。
P1=0.85×[(76.8×X3

+29.1×X2+5.3×X2/X3+6.9)×exp(X1)+(-110.3×X3

-57.1×X2-7.2×X2/X3+10.1)×0.00338] ・・・(式3)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、化学反応熱を利用して可逆的に蓄熱、放熱を行うことができる化学蓄熱器およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
化学蓄熱器は、容器と蓄熱体とを備えている。蓄熱体は、容器の内部に充填されている。蓄熱体は、反応媒体との反応により膨張する。このため、容器には、蓄熱体から膨張圧が作用する。特許文献1の化学蓄熱反応器は、蓄熱体からの膨張圧に耐えるための、耐圧構造を備えている。具体的には、同文献の化学蓄熱反応器の容器は、側壁と天板と底板とを備えている。容器の内部には、連結部材が配置されている。膨張圧に耐えるために、側壁の板厚は厚く設定されている。容器の内部において、連結部材は天板と底板とを連結している。膨張圧は、容器を膨張させる方向、つまり天板と底板とを離間させる方向に作用する。この際、連結部材には、膨張圧に起因する張力が作用する。連結部材が張力を負担することにより、容器の膨張を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-100661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同文献の化学蓄熱反応器は、板厚の厚い側壁を備えている。また、容器の内部に連結部材を備えている。すなわち、同文献の化学蓄熱反応器は、蓄熱体の膨張圧に対抗するための、耐圧構造を有している。このため、側壁の板厚が薄い場合や、容器の内部に連結部材が収容されていない場合と比較して、蓄熱体の充填量が少なくなってしまう。つまり、蓄熱密度が小さくなってしまう。そこで、本開示は、蓄熱密度が高い化学蓄熱器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)上記課題を解決するため、本開示の化学蓄熱器は、化学蓄熱材製の蓄熱材粒子を含む蓄熱体と、前記蓄熱体の少なくとも一部が拘束された状態で収容される収容部を内部に区画する容器と、を備え、前記収容部に充填された前記蓄熱体が未だ一度も反応媒体と反応していない状態を初期状態、前記収容部における前記蓄熱体の蓄熱密度(GJ/m

)をρ、前記初期状態の前記蓄熱体を前記反応媒体と反応させ膨張させる際の前記蓄熱体の膨張圧(MPa)をP1、として、以下の(式1)が成立することを特徴とする。
ρ/P1≧41 ・・・(式1)
ここで、「拘束」とは、蓄熱、放熱時の化学反応に伴う蓄熱体の過度の体積変化を、抑制することをいう。例えば、収容部を区画する容器の内面を蓄熱体の外面の少なくとも一部に当接させることにより、蓄熱体を拘束し、蓄熱体の過度の膨張、収縮を抑制することをいう。
【0006】
本構成によると、(式1)が成立している。このため、ρ/P1が41未満の場合と比較して、単位膨張圧P1あたりの蓄熱密度ρが大きい。したがって、蓄熱体の膨張圧を小さくしつつ、蓄熱密度を高くすることができる。よって、例えば、従来と同等の膨張圧を確保しつつ、蓄熱密度を高くすることができる。言い換えると、従来と同等の蓄熱密度を確保しつつ、膨張圧を小さくすることができる。なお、(式1)において、ρ/P1≧41としたのは、ρ/P1が41未満の場合、単位膨張圧P1あたりの蓄熱密度ρが小さくなるからである。
【0007】
(2)上記(1)の構成において、前記容器の構造が耐えうる下限強度(MPa)をP2として、以下の(式2)が成立する構成とする方がよい。
0.5≦P1/P2≦1 ・・・(式2)
ここで、下限強度P2とは、容器構造体が受け止められる応力で、容器に用いられる構造体の材料の引張許容応力と容器構造から算出される値のことをいう。これを超えた場合には収容部が塑性変形して蓄熱体の体積変化を拘束できなくなる。
【0008】
P1/P2を、以下、「容器強度係数」と称する。容器強度係数を0.5以上としたのは、0.5未満の場合、膨張圧が下限強度を過剰に下回り、言い換えると下限強度が膨張圧を過剰に上回り、容器の耐圧構造が過剰になってしまうからである。容器強度係数を1以下としたのは、1超過の場合、膨張圧が下限強度を上回り、容器に不具合が生じる可能性があるからである。
【0009】
(3)上記いずれかの構成において、前記収容部における前記蓄熱体の充填密度(g/cm

)をX1、前記初期状態の前記収容部における前記蓄熱体の充填高さ(mm)をX2、複数の前記蓄熱材粒子を含む造粒体を蓄熱材顆粒、前記初期状態における前記蓄熱材顆粒の平均粒子径(mm)をX3、として、前記P1は、以下の(式3)により予測される構成とする方がよい。
P1=0.85×[(76.8×X3

+29.1×X2+5.3×X2/X3+6.9)×exp(X1)+(-110.3×X3

-57.1×X2-7.2×X2/X3+10.1)×0.00338] ・・・(式3)
ここで、充填密度とは、かさ密度をいう。収容部を区画する容器の壁部、収容部に収容される部材(熱媒体が流動する伝熱部材、反応媒体が流動する流路部材など)を、収容部構成部材と称す。充填高さX2とは、複数の収容部構成部材のうち、互いに対向する任意の二つの収容部構成部材間の距離のうち、最短距離をいう。充填高さX2とは、例えば、収容部の形状(空間形状)が直方体状を呈しており、当該収容部に部材(伝熱部材、流路部材など)が収容されていない場合は、直方体の三辺のうち、最も短い辺の長さをいう(後述の図4、図8を参照)。また、充填高さX2とは、例えば、収容部に複数の管状の伝熱部材が互いに平行に収容されている場合は、互いに対向する任意の二つの伝熱部材間の距離のうち、最短距離をいう場合がある。また、平均粒子径X3とは、レーザ回折法により求められる蓄熱材顆粒の粒度分布(粒径分布)のメディアン径をいう。
【0010】
本構成によると、蓄熱体の充填密度X1、蓄熱体の充填高さX2、蓄熱材顆粒の平均粒子径X3から、蓄熱体の膨張圧を予測することができる。このため、容器の耐圧構造が過剰になるのを抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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