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公開番号
2024145879
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058430
出願日
2023-03-31
発明の名称
回転子、モータ、およびモータシステム
出願人
TDK株式会社
代理人
前田・鈴木国際特許弁理士法人
主分類
H02K
1/276 20220101AFI20241004BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】モータの高効率な高速回転を可能にする回転子を提供する。
【解決手段】本開示の回転子は、複数の磁石部を有する回転子であって、前記磁石部の少なくとも1つに含まれる可変磁束磁石の着磁率x[%]を-100[%]から+100[%]の範囲で変化する変数として定義し、前記可変磁束磁石の前記着磁率がx[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値をBsmax(x)[T]と定義したとき、前記Bsmax(x)が式(1):0≦Bsmax(x)≦Bsmax(100)×0.02(ただし、Bsmax(100)は、前記可変磁束磁石の着磁率x[%]が100[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値である。)を満たす前記着磁率x[%]の範囲が、-100[%]から+100[%]の範囲内で20[%]以上の長さで連続する。
【選択図】 図1A
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の磁石部を有する回転子であって、
前記磁石部の少なくとも1つに含まれる可変磁束磁石の着磁率x[%]を-100[%]から+100[%]の範囲で変化する変数として定義し、
前記可変磁束磁石の前記着磁率がx[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値をBsmax(x)[T]と定義し、
前記Bsmax(x)が式(1)を満たす前記着磁率x[%]の範囲が、-100[%]から+100[%]の範囲内で20[%]以上の長さで連続することを特徴とする回転子。
0 ≦ Bsmax(x) ≦ Bsmax(100) × 0.02 ・・・(1)
ただし、Bsmax(100)は、前記可変磁束磁石の着磁率x[%]が100[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値である。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
複数の磁石部を有する回転子であって、
前記回転子の回転軸に垂直な断面において、前記磁石部に含まれる磁石の磁化容易軸に垂直な方向の長さの1/2をWmag1と定義し、
前記回転子の回転軸に垂直な断面において、前記回転子の表面を指向する前記磁石の面のうち、コア材に覆われた部分のみの前記磁石の磁化容易軸に垂直な方向の長さの1/2をWmag2と定義し、
前記回転子の回転軸に垂直な断面において、前記磁石部と前記回転子表面との最小距離をWshort_minと定義し、
式(2)および式(3)をともに満たす関係であることを特徴とする回転子。
Wmag2 / Wmag1 ≧ 0.5 ・・・(2)
Wshort_min / Wmag2 ≧ 0.15 ・・・(3)
【請求項3】
前記磁石部の少なくとも1つは、可変磁束磁石を有する請求項2に記載の回転子。
【請求項4】
前記磁石部に含まれる前記可変磁束磁石の着磁率x[%]を-100[%]から+100[%]の範囲で変化する変数として定義し、
前記可変磁束磁石の前記着磁率がx[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値をBsmax(x)[T]と定義し、
前記Bsmax(x)が式(1)を満たす前記着磁率x[%]の範囲が、-100[%]から+100[%]の範囲内で20[%]以上の長さで連続することを特徴とする請求項3に記載の回転子。
0 ≦ Bsmax(x) ≦ Bsmax(100) × 0.02 ・・・(1)
ただし、Bsmax(100)は、前記可変磁束磁石の着磁率x[%]が100[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値である。
【請求項5】
前記磁石部の少なくとも1つは、前記可変磁束磁石と、固定磁束磁石とを有し、
前記可変磁束磁石と前記固定磁束磁石とは、前記回転子の周方向に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1,3~4のいずれかに記載の回転子。
【請求項6】
前記磁石部の少なくとも1つは、前記可変磁束磁石と、固定磁束磁石とを有し、
前記可変磁束磁石と前記固定磁束磁石とは、前記回転子の周方向に垂直な深さ方向に沿って隣接して配置されていることを特徴とする請求項1,3~4のいずれかに記載の回転子。
【請求項7】
前記磁石部の少なくとも1つは、固定磁束磁石を具備せず、前記可変磁束磁石で形成されていることを特徴とする請求項1,3~4のいずれかに記載の回転子。
【請求項8】
前記磁石部は、前記可変磁束磁石と、固定磁束磁石とを有し、
前記可変磁束磁石の最大残留磁束密度Br_vと、前記可変磁束磁石の体積V_vと、前記固定磁束磁石の残留磁束密度Br_fと、前記固定磁束磁石の体積V_fとが、式(4)を満たす関係であることを特徴とする請求項1,3~4のいずれかに記載の回転子。
0 ≦(Br_f×V_f)/(Br_v×V_v) ≦ 3.0 ・・・(4)
【請求項9】
請求項1,3~4のいずれかに記載の回転子と、
前記回転子の外側に所定隙間で配置される固定子と、を有し、
前記固定子は、前記回転子を回転させる回転磁界と、前記可変磁束磁石の着磁率を不可逆的に変化させる着磁/減磁磁界とを生成するコイルを有するモータ。
【請求項10】
請求項9に記載のモータの前記固定子に電流を供給するインバータと、
前記回転子を所望の状態で回転させるための前記回転磁界を前記固定子の前記コイルに生成させるとともに、前記可変磁束磁石の着磁率を所望の状態に変化させるための前記着磁/減磁磁界を前記固定子の前記コイルに生成させるように、前記インバータを制御する制御部と、
を有することを特徴とするモータシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータに用いられる回転子、モータ、およびモータを制御するモータシステムに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
永久磁石同期モータは、インバータ制御による省エネルギー化が可能で高効率なモータとして、たとえば民生機器、産業機器および輸送機器の動力装置として用いられている。永久磁石同期モータに対しては、中・高速回転域で回転速度に比例して生じる誘起電圧が、所定電圧以上とならないよう、電機子電流により生じる減磁界で相殺して、鎖交磁束を減少させる制御方法(弱め界磁制御)が用いられる場合がある。しかし、この制御方法は、減磁界を印加し続けるために、モータ出力に寄与しない電機子電流を流し続ける必要があり、モータの効率を低下させる。
【0003】
特許文献1には、弱め界磁制御のようにd軸電流の常時通電をしなくても誘起電圧を下げることができるように、回転子に含まれる複数の磁石を、それぞれ低保磁力の可変磁束磁石(単に可変磁石と言う場合もある)と高保磁力の固定磁束磁石で構成する永久磁石モータが記載されている。このモータでは、中・高速回転域で可変磁束磁石を固定磁束磁石と逆方向に着磁することで、固定磁束磁石の磁束量と可変磁束磁石の磁束量とを相殺させ、全鎖交磁束量を下げ、誘起電圧を下げ、高効率な高速回転が可能とされている。
【0004】
しかしながら、固定磁束磁石と可変磁束磁石の最大残留磁束密度および保磁力は、温度によって変化する。モータ動作中は固定磁束磁石と可変磁束磁石の温度が一定でないため、固定磁束磁石と可変磁束磁石の最大残留磁束密度や、可変磁束磁石の着磁率に不可避的に誤差が生じる。さらに、各磁石の寸法や磁気特性のばらつきもある。そのため、固定磁束磁石と可変磁束磁石のそれぞれで生じる磁束が逆方向で磁束量が一致する状態を実現することは現実的に困難であり、固定子のコイルに誘起電圧が生じることを有効に防止することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-245368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、固定子のコイルに誘起電圧が生じることを有効に防止し、モータの高効率な高速回転を可能にするモータ用の回転子、モータ、およびモータを制御するモータシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る回転子は、
複数の磁石部を有する回転子であって、
前記磁石部の少なくとも1つに含まれる可変磁束磁石の着磁率x[%]を-100[%]から+100[%]の範囲で変化する変数として定義し、
前記可変磁束磁石の前記着磁率がx[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値をBsmax(x)[T]と定義し、
前記Bsmax(x)が式(1)を満たす前記着磁率x[%]の範囲が、-100[%]から+100[%]の範囲内で20[%]以上の長さで連続することを特徴とする。
0 ≦ Bsmax(x) ≦ Bsmax(100) × 0.02 ・・・(1)
ただし、Bsmax(100)は、前記可変磁束磁石の着磁率x[%]が100[%]のときの前記回転子の周方向の表面磁束密度分布の最大値である。
【0008】
このように、本開示に係る回転子の磁石部は、回転子の表面磁束量が実質的に0に近い状態(式(1)の状態)が、可変磁束磁石の着磁率x[%]において20[%]以上の長さで連続する範囲で可能な構成となっている。したがって、モータ動作中の温度変化やd軸電流のブレ、可変磁束磁石の特性のばらつき等が原因で可変磁束磁石の着磁率に変動(ばらつき)が生じた場合でも、モータの回転中の表面磁束密度を実質的に0に近い状態に保つことができる。換言すれば、単に理論上ではなく、種々の変動要素や環境的要素を含む実機の稼働現場において、現実に、モータの回転中の表面磁束密度を実質的に0に近い状態に保つことができる。その結果、本開示によれば、固定子のコイルに誘起電圧が生じることを有効に防止し、高効率な高速回転を可能にするモータを実現できる。
【0009】
また、本開示に係る他の回転子は、
複数の磁石部を有する回転子であって、
前記回転子の回転軸に垂直な断面において、前記磁石部に含まれる磁石の磁化容易軸に垂直な方向の長さの1/2をWmag1と定義し、
前記回転子の回転軸に垂直な断面において、前記回転子の表面を指向する前記磁石の面のうち、コア材に覆われた部分のみの前記磁石の磁化容易軸に垂直な方向の長さの1/2をWmag2と定義し、
前記回転子の回転軸に垂直な断面において、前記磁石部と前記回転子表面との最小距離をWshort_minと定義し、
式(2)および式(3)をともに満たす関係であることを特徴とする。
Wmag2 / Wmag1 ≧ 0.5 ・・・(2)
Wshort_min / Wmag2 ≧ 0.15 ・・・(3)
【0010】
このような構成の回転子は、式(2)を満たしているので、磁石部の外側表面がコア材に十分覆われており、また、式(3)を満たしているので、隣接する磁石部の間に磁束短絡が形成されるような短絡経路(磁路)が確保できているため、回転子の表面に磁束が漏れ出し難い構造となっている。そして、式(2)および式(3)の両方満たすことにより、モータ動作中の温度変化やd軸電流のブレ、磁石部の磁化特性のばらつき等が原因で磁化状態にばらつきが生じた場合でも、モータの回転中の表面磁束密度を実質的に0に近い状態に保つことができ、高効率な高速回転を可能にするモータを実現できる。
(【0011】以降は省略されています)
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