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公開番号2024145616
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058052
出願日2023-03-31
発明の名称エレクトレットフィルム捲回体及びその製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 30/857 20230101AFI20241004BHJP()
要約【課題】連続的に製造しても、表面電位の過上昇を抑えることができるエレクトレットフィルム捲回体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るエレクトレットフィルム捲回体は、エレクトレットフィルムと、該エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体とを備えた積層体がコアに捲回されてなる。また、本発明の一態様に係るエレクトレットフィルム捲回体の製造方法は、フィルムを帯電処理してエレクトレットフィルムを得る、帯電処理工程(A)と、前記エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体を積層し、積層体を得る、導体積層工程(B)と、前記積層体をコアに巻き取る、巻き取り工程(C)と、を少なくとも有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エレクトレットフィルムと、該エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体とを備えた積層体がコアに捲回されてなる、エレクトレットフィルム捲回体。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記エレクトレットフィルムが多孔質フィルムである、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項3】
前記エレクトレットフィルムの空孔率が0%超50%以下である、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項4】
前記エレクトレットフィルムがポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項5】
前記ポリオレフィン系樹脂が、80%以上のβ晶生成能を有するポリプロピレン系樹脂である、請求項4に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項6】
前記導体が金属箔である、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項7】
前記エレクトレットフィルム捲回体の表面電位の絶対値が15kV以下である、請求項1に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
【請求項8】
フィルムを帯電処理してエレクトレットフィルムを得る、帯電処理工程(A)と、
前記エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体を積層し、積層体を得る、導体積層工程(B)と、
前記積層体をコアに巻き取り、捲回体を得る、巻き取り工程(C)と、
を少なくとも有する、エレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
【請求項9】
前記巻き取り工程(C)により得られる、エレクトレットフィルムの長さが5m以上である、請求項8に記載のエレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
【請求項10】
前記帯電処理工程(A)における印加電圧の絶対値が6kV以上20kV以下である、請求項8に記載のエレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトレットフィルム捲回体及びその製造方法に関し、特にアクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサー等に好適に用いることができるエレクトレットフィルム捲回体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
エレクトレットとは、電気を通しにくい高分子材料や無機質材料等を熱的又は電気的に処理することで、その材料の一部を半永久的に分極させたものである。
例えば、多孔性樹脂フィルムを用いた多孔エレクトレットは、優れた圧電効果を示すことが知られており、アクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサー等に広く用いられている。優れた圧電性を有するエレクトレットとするためには、電荷注入の際により高い電圧でフィルムを分極処理し、より多くの電荷を注入することが必要になる。
多孔エレクトレットの一例として、特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂のβ晶を利用した微多孔膜を用いた圧縮性ポリオレフィンフィルムが提案されている。
【0003】
樹脂フィルムをエレクトレット化するためには、樹脂フィルムに高電圧を印加する必要があるため、従来はバッチ式による帯電処理(ポーリング処理)が主流であった。
しかし、エレクトレットフィルムを量産化するためには、大面積かつ連続的にエレクトレットフィルムを製造することが求められる。例えば、特許文献2では、帯電処理工程と、除電処理工程と、巻き取り工程とを経て、連続的にエレクトレットフィルムを製造する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-055114号公報
特開2022-133991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エレクトレットフィルムを連続的に製造することで得られる捲回体は、巻き長さが長くなるほど表面電位が高くなる傾向にあり、エレクトレットフィルム捲回体から人体や製造設備への放電(スパーク)が生じる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、連続的に製造しても、表面電位の過上昇を抑えることができるエレクトレットフィルム捲回体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、かかる課題を解決することに着目し本発明を完成するに至った。本発明は、その一態様において以下の[1]~[12]を要旨とする。
【0008】
[1]エレクトレットフィルムと、該エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体とを備えた積層体がコアに捲回されてなる、エレクトレットフィルム捲回体。
[2]前記エレクトレットフィルムが多孔質フィルムである、上記[1]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[3]前記エレクトレットフィルムの空孔率が0%超50%以下である、上記[1]又は[2]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[4]前記エレクトレットフィルムがポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[5]前記ポリオレフィン系樹脂が、80%以上のβ晶生成能を有するポリプロピレン系樹脂である、上記[4]に記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[6]前記導体が金属箔である、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[7]前記エレクトレットフィルム捲回体の表面電位の絶対値が15kV以下である、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体。
[8]フィルムを帯電処理してエレクトレットフィルムを得る、帯電処理工程(A)と、
前記エレクトレットフィルムの少なくとも片面に導体を積層し、積層体を得る、導体積層工程(B)と、
前記積層体をコアに巻き取り、捲回体を得る、巻き取り工程(C)と、
を少なくとも有する、エレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
[9]前記巻き取り工程(C)により得られる、ロール状に巻き取られたフィルムの長さが5m以上である、上記[8]に記載のエレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
[10]前記帯電処理工程(A)における印加電圧の絶対値が6kV以上20kV以下である、上記[8]又は[9]に記載のエレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
[11]前記フィルムを搬送しながら、帯電処理工程(A)、導体積層工程(B)及び巻き取り工程(C)を行う、上記[8]~[10]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
[12]フィルムの搬送速度が1m/分以上10m/分以下である、上記[8]~[11]のいずれか1つに記載のエレクトレットフィルム捲回体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エレクトレットフィルム捲回体を連続的に製造しても、表面電位の過上昇を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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