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公開番号
2024143431
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023056105
出願日
2023-03-30
発明の名称
ペルチェ冷却熱電変換モジュール
出願人
リンテック株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
H10N
10/17 20230101AFI20241003BHJP()
要約
【課題】熱電変換材料のチップの電気抵抗値が抑制された、優れた冷却性能を有するペルチェ冷却熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】熱電変換材料のチップの膜厚が200μm未満である、ペルチェ冷却熱電変換モジュール。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
熱電変換材料のチップの膜厚が200μm未満である、ペルチェ冷却熱電変換モジュール。
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
前記熱電変換材料のチップがP型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップを含む、請求項1に記載のペルチェ冷却熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記P型熱電変換材料のチップの1つ当たりの電気抵抗値が30(mΩ)以下であり、前記N型熱電変換材料のチップの1つ当たりの電気抵抗値が20(mΩ)以下である、請求項2に記載のペルチェ冷却熱電変換モジュール。
【請求項4】
前記ペルチェ冷却熱電変換モジュールの総厚が300~1000μmである、請求項1に記載のペルチェ冷却熱電変換モジュール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルチェ冷却熱電変換モジュールに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、エネルギーの有効利用手段の一つとして、ゼーベック効果やペルチェ効果などの熱電効果を有する熱電変換モジュールにより、熱エネルギーと電気エネルギーとを直接相互変換するようにした装置がある。
熱電変換モジュールとして、いわゆるπ型の熱電変換素子の構成が知られている。π型の熱電変換素子は、互いに離間する一対の電極を基板上に設け、例えば、―方の電極の上にP型熱電素子を、他方の電極の上にN型熱電素子を、同じく互いに離間して設け、両方の熱電素子の上面を対向する基板の共通電極に接続することで構成されている。また、いわゆるIP(インプレーン)型の熱電変換素子の構成が知られている。IP型熱電変換素子は、熱電性能の観点から、通常、P型熱電素子とN型熱電素子とが基板の面内方向に交互に設けられ、例えば、隣接するP型熱電素子とN型熱電素子間の接合部の下部を、電極を介し直列に接続することで構成されている。
このような中、熱電変換モジュールの熱電性能の向上、薄型化、高集積化及び量産性の向上等の様々な要求が依然としてある。特に、π型熱電変換モジュールにおいて、薄型化の観点から、冷却性能のさらなる向上にかかる要求がある。
特許文献1では、熱電性能を向上させたπ型熱電変換モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-150403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、曲面形状を含む熱源面への追従性を高める観点から、熱電性能を向上させているものの、π型熱電変換モジュール本体でのさらなる冷却性能の向上については記載や示唆がない。
【0005】
本発明は、上記を鑑み、熱電変換材料のチップの電気抵抗値が抑制された、優れた冷却性能を有するペルチェ冷却熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱電変換材料のチップの膜厚を特定の範囲とし電気抵抗値を低く抑制し、熱電変換材料のチップを流れる電流値を増加させることにより、ペルチェ冷却熱電変換モジュールのトータルの吸熱量が増大することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[4]を提供するものである。
[1]熱電変換材料のチップの膜厚が200μm未満である、ペルチェ冷却熱電変換モジュール。
[2]前記熱電変換材料のチップがP型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップを含む、上記[1]に記載のペルチェ冷却熱電変換モジュール。
[3]前記P型熱電変換材料のチップの1つ当たりの電気抵抗値が30(mΩ)以下であり、前記N型熱電変換材料のチップの1つ当たりの電気抵抗値が20(mΩ)以下である、上記[2]に記載のペルチェ冷却熱電変換モジュール。
[4]前記ペルチェ冷却熱電変換モジュールの総厚が300~1000μmである、上記[1]に記載のペルチェ冷却熱電変換モジュール。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱電変換材料のチップの電気抵抗値が抑制された、優れた冷却性能を有するペルチェ冷却熱電変換モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のペルチェ冷却熱電変換モジュールの構成の一例を示す断面構成図である。
本発明のペルチェ冷却熱電変換モジュールの冷却特性を評価するためのユニットの一例を示す断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔ペルチェ冷却熱電変換モジュール〕
本発明のペルチェ冷却熱電変換モジュールは、熱電変換材料のチップの膜厚が200μm未満である、ことを特徴としている。
本発明に用いる熱電変換材料のチップの膜厚を200μm未満とし電気抵抗値を低く抑制し、熱電変換材料のチップを流れる電流値を増加させることにより、熱電変換モジュールを構成する電極、ハンダ材料層等での発熱量は増加するものの、熱電変換モジュールの熱電変換材料のチップによる吸熱量の増加が顕著になり、結果として、熱電変換モジュールのトータルの吸熱量が増加する。
【0010】
本明細書において、熱電半導体組成物からなる乾燥後の膜を、単に「塗布膜」ということがある。また、塗布膜を加熱プレス(加熱加圧)処理により得られた膜を、「熱電変換材料層前駆体」ということがある。さらに、熱電変換材料層前駆体を加熱処理(後述する「焼成(アニール)処理」)により得られた膜を、単に「熱電変換材料層」ということがある。さらにまた、熱電変換材料層を個片化し得られたチップを、「熱電変換材料のチップ」又は「チップ]ということがある。
加えて、「P型熱電変換材料のチップ及びN型熱電変換材料のチップ」を、単に「熱電変換材料のチップ」又は「チップ]ということもある。
(【0011】以降は省略されています)
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