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公開番号2024142708
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054977
出願日2023-03-30
発明の名称脂質膜透過性ペプチドの探索方法
出願人株式会社カネカ,兵庫県公立大学法人
代理人個人,個人,個人
主分類G16B 5/00 20190101AFI20241003BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】コンピュータを用いた分子シミュレーションにより、脂質膜に対する透過性を有するペプチドを探索可能な脂質膜透過性ペプチドの探索方法の提供。
【解決手段】脂質膜に対する透過性を有するペプチドを探索する方法であって、前記ペプチドと前記脂質膜との結合自由エネルギー(ΔG)を分子動力学計算により算出する結合自由エネルギー算出工程と、結合自由エネルギー(ΔG)に基づいて、前記ペプチドの前記脂質膜に対する透過性を予測する予測工程と、を含む方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
脂質膜に対する透過性を有するペプチドを探索する方法であって、
前記ペプチドと前記脂質膜との結合自由エネルギーΔGを分子動力学計算により算出する結合自由エネルギー算出工程と、
前記結合自由エネルギーに基づいて、前記ペプチドの前記脂質膜に対する透過性を予測する予測工程と、を含むことを特徴とする方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記予測工程が、前記結合自由エネルギーが-6[kcal/mol]以下である場合に、前記ペプチドの前記脂質膜に対する透過性が高いと予測する工程である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合自由エネルギーΔG、及び下記式(1)に基づき前記ペプチドの頻度H_calを算出する頻度算出工程を更に含み、
前記予測工程が、前記ペプチドの頻度に基づいて、前記ペプチドの前記脂質膜に対する透過性を予測する工程である請求項1に記載の方法。
式(1)
ペプチドの頻度(計算値)H_cal=exp(-ΔG/RT)
【請求項4】
前記予測工程が、前記ペプチドの頻度が1.00.E+04以上である場合に、前記ペプチドの前記脂質膜に対する透過性が高いと予測する工程である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記脂質膜が、リン脂質、及びコレステロールを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
探索対象としての前記ペプチドが、αヘリックス構造を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
探索対象としての前記ペプチドが、塩基性残基を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
探索対象としての前記ペプチドが、5以上50以下のアミノ酸残基を有する請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脂質膜透過性ペプチドの探索方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、医薬品の開発において、様々なアミノ酸配列のペプチド(ポリペプチド)のライブラリの中から、特定の疾患に対する治療薬や、標的分子に親和性の高い分子などを選択(探索)することが行われるようになっている。
【0003】
さらには、抗体などのポリペプチドを機能性分子で化学的に修飾してその機能を拡張した医薬品の開発にも注目が集まっている。例えば、ペプチドは、環状化することで生体内での構造の安定性が向上したり、環状化により構造が安定化することで、標的化合物への親和性や選択性が向上したり、分解酵素に対する耐性や細胞膜透過性が発現したりすることもあることが知られている。
【0004】
また、医薬品の開発においては、ペプチド、タンパク質、核酸などの様々な有効成分を細胞内に効率良く取り込めるようにする技術も重要である。
有効成分を細胞内に取り込む技術としては、例えば、塩基性アミノ酸を多く含む細胞膜透過性ペプチドのアミノ酸配列を融合する方法や、中心から規則的に分枝した構造を有する樹状高分子であるデンドリマーを用いる方法などが知られている。
【0005】
細胞膜透過性ペプチドとしては、αヘリックス構造を取り得るペプチドなどが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、ペプチドの細胞膜透過性を予測するためには、ペプチドの熱運動(熱ゆらぎ)などを含めた動的な構造変化を考慮する必要があることなどから、従来の技術においては、実際に天然ペプチドを用意して、その天然ペプチドの細胞膜透過性を測定している。このため、従来の技術においては、細胞膜透過性を有する天然ペプチドの探索には、一つ一つのペプチドについて(ウエットな)実験を行う必要があり、天然ペプチドの準備などに伴って、多大な費用(コスト)及び時間が必要となるという問題があった。
【0006】
また、ウエットな実験を行うことなくペプチドやタンパク質の動的な構造を予測・解析できる方法としては、例えば、対象とする分子における個々の原子の運動を、コンピュータを用いて計算する方法が知られている。このようなコンピュータを用いた分子シミュレーションを行うことにより、短時間で効率的にペプチドやタンパク質などの分子の動的な構造を評価することができる場合がある。
【0007】
分子シミュレーションの手法としては、例えば、個々の原子の運動を、ニュートンの運動方程式に基づいて算出する分子動力学法などが知られている。
しかしながら、分子動力学法などの分子シミュレーションを用いて、ペプチドの細胞膜透過性を十分な精度で予測(評価)できる技術は確立されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
Marta Pazo et al.,Chem.Commun.,2018,54,6919-6922
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、コンピュータを用いた分子シミュレーションにより、脂質膜に対する透過性を有するペプチドを探索可能な膜透過性ペプチドの探索方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するための手段としての本発明の方法は、脂質膜に対する透過性を有するペプチドを探索する方法であって、前記ペプチドと前記脂質膜との結合自由エネルギー(ΔG)を分子動力学計算により算出する算出工程と、結合自由エネルギー(ΔG)に基づいて、前記ペプチドの前記脂質膜に対する透過性を予測する予測工程と、を含む。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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