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公開番号
2025086749
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2023201004
出願日
2023-11-28
発明の名称
モダクリル繊維の製造方法、及びモダクリル繊維
出願人
株式会社カネカ
代理人
個人
,
個人
主分類
D01F
6/40 20060101AFI20250602BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】溶融紡糸の際に糸切れの発生が抑制されるとともに、高い強度の繊維が得られるモダクリル繊維の製造方法、及び当該方法により得られる高い強度を有するモダクリル繊維を提供する。
【解決手段】糸条を紡出する口金と、糸条を加熱する加熱空間を有する加熱部と、を備える溶融紡糸装置を用いる、モダクリル繊維の製造方法であって、モダクリル樹脂、及び可塑剤を含む樹脂組成物の溶融混練物を前記口金から紡出して、糸条を紡出する工程と、紡出された前記糸条を、前記加熱部の前記加熱空間に通過させる工程と、を含み、前記加熱部の設定温度が125℃以上210℃以下である、製造方法を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
糸条を紡出する口金と、
糸条を加熱する加熱空間を有する加熱部と、を備える溶融紡糸装置を用いる、モダクリル繊維の製造方法であって、
モダクリル樹脂、及び可塑剤を含む樹脂組成物の溶融混練物を前記口金から紡出して、糸条を紡出する工程と、
紡出された前記糸条を、前記加熱部の前記加熱空間に通過させる工程と、を含み、
前記加熱部の設定温度が125℃以上210℃以下である、モダクリル繊維の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記モダクリル樹脂が、
アクリロニトリルに由来する構成単位を35~84.5質量%含み、
塩化ビニル及び塩化ビニリデンからなる群から選ばれる1以上のハロゲン含有単量体に由来する構成単位を15~64.5質量%含み、
主鎖としてエチレン性不飽和モノマーに由来する構成単位を含み、片末端に二重結合性官能基を有するマクロモノマーに由来する構成単位を0.5~40質量%含む、請求項1に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項3】
前記二重結合性官能基が、下記一般式(1)で表される、請求項2に記載のモダクリル繊維の製造方法。
CH
2
=C(R)-C(O)O- (1)
(一般式(1)中、Rは水素、又は、炭素数1~20の有機基を表す。)
【請求項4】
前記エチレン性不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、ニトリル基含有ビニルモノマー、アミド基含有ビニル系モノマー、フッ素含有ビニルモノマー、ケイ素含有ビニルモノマー、マレイミド系モノマー、ビニルエステル類、マレイン酸類、アルケン類、及び共役ジエン類よりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを含む、請求項2又は3に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項5】
前記可塑剤の含有量が、前記モダクリル樹脂100質量部に対して2.0~12.0質量部である、請求項1又は2に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項6】
前記加熱部と前記口金の距離が15mm以上である、請求項1又は2に記載のモダクリル繊維の製造方法。
【請求項7】
モダクリル樹脂、及び前記モダクリル樹脂100質量部に対して2.0~12.0質量部の可塑剤を含む樹脂組成物の溶融混練物を紡糸してなるモダクリル繊維の未延伸糸であって、
最大延伸倍率が360%以上である、モダクリル繊維の未延伸糸。
【請求項8】
前記モダクリル樹脂が、
アクリロニトリルに由来する構成単位を35~84.5質量%含み、
塩化ビニル及び塩化ビニリデンからなる群から選ばれる1以上のハロゲン含有単量体に由来する構成単位を15~64.5質量%含み、
主鎖としてエチレン性不飽和モノマーに由来する構成単位を含み、片末端に二重結合性官能基を有するマクロモノマーに由来する構成単位を0.5~40質量%含む、請求項7に記載のモダクリル繊維の未延伸糸。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のモダクリル繊維の未延伸糸を延伸してなるモダクリル繊維の
延伸糸であって、
強度が1.0cN/dtex以上である、モダクリル繊維の延伸糸。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダクリル繊維の製造方法、及びモダクリル繊維に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
アクリロニトリルとハロゲン化ビニル等とを共重合したモダクリル樹脂で構成されるモダクリル繊維は、人工毛髪、難燃性素材、及びパイル布帛等のさまざまな製品に用いられてきた。従来から、モダクリル樹脂は、軟化温度よりも分解開始温度が低く、溶融加工すると分解してしまうため、湿式紡糸法で繊維化されてきた。しかし、湿式紡糸法の場合、排水負荷が高く、溶剤の回収コストが高い。
【0003】
そこで、特許文献1では、アクリロニトリルと、ハロゲン化ビニル等とを共重合したモダクリル樹脂と、可塑剤を含む熱可塑性モダクリル樹脂組成物を用いることにより、溶融紡糸法によりモダクリル繊維を作製できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/158774号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、口金から吐出したモダクリル繊維を加熱する加熱筒を設置して、モダクリル繊維を溶融紡糸する方法が開示されている。しかし、特許文献1に記載された方法では、糸切れが発生して生産性が下がる場合があった。また、延伸して得られる繊維の強度にも改善が求められている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、溶融紡糸の際に糸切れの発生が抑制されるとともに、高い強度の繊維が得られるモダクリル繊維の製造方法、及び当該方法により得られる高い強度を有するモダクリル繊維を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、糸条を紡出する口金と、糸条を加熱する加熱空間を有する加熱部と、を備える溶融紡糸装置を用いるモダクリル繊維の製造方法において、上記加熱部の設定温度を大きく低下させることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明の態様は、以下のモダクリル繊維の製造方法、及びモダクリル繊維に関する。
【0009】
[1] 糸条を紡出する口金と、
糸条を加熱する加熱空間を有する加熱部と、を備える溶融紡糸装置を用いる、モダクリル繊維の製造方法であって、
モダクリル樹脂、及び可塑剤を含む樹脂組成物の溶融混練物を前記口金から紡出して、糸条を紡出する工程と、
紡出された前記糸条を、前記加熱部の前記加熱空間に通過させる工程と、を含み、
前記加熱部の設定温度が125℃以上210℃以下である、モダクリル繊維の製造方法。
[2] 前記モダクリル樹脂が、
アクリロニトリルに由来する構成単位を35~84.5質量%含み、
塩化ビニル及び塩化ビニリデンからなる群から選ばれる1以上のハロゲン含有単量体に由来する構成単位を15~64.5質量%含み、
主鎖としてエチレン性不飽和モノマーに由来する構成単位を含み、片末端に二重結合性官能基を有するマクロモノマーに由来する構成単位を0.5~40質量%含む、[1]に記載のモダクリル繊維の製造方法。
[3] 前記二重結合性官能基が、下記一般式(1)で表される、[2]に記載のモダクリル繊維の製造方法。
CH
2
=C(R)-C(O)O- (1)
(一般式(1)中、Rは水素、又は、炭素数1~20の有機基を表す。)
[4] 前記エチレン性不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー、ニトリル基含有ビニルモノマー、アミド基含有ビニル系モノマー、フッ素含有ビニルモノマー、ケイ素含有ビニルモノマー、マレイミド系モノマー、ビニルエステル類、マレイン酸類、アルケン類、及び共役ジエン類よりなる群から選ばれる1種以上のモノマーを含む、[2]又は[3]に記載のモダクリル繊維の製造方法。
[5] 前記可塑剤の含有量が、前記熱可塑性モダクリル樹脂100質量部に対して2.0~12.0質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載のモダクリル繊維の製造方法。
[6] 前記加熱部と前記口金の距離が15mm以上である、[1]~[5]のいずれかに記載のモダクリル繊維の製造方法。
[7] モダクリル樹脂、及び前記モダクリル樹脂100質量部に対して2.0~12.0質量部の可塑剤を含む樹脂組成物の溶融混練物を紡糸してなるモダクリル繊維の未延伸糸であって、
最大延伸倍率が360%以上である、モダクリル繊維の未延伸糸。
[8] 前記モダクリル樹脂が、
アクリロニトリルに由来する構成単位を35~84.5質量%含み、
塩化ビニル及び塩化ビニリデンからなる群から選ばれる1以上のハロゲン含有単量体に由来する構成単位を15~64.5質量%含み、
主鎖としてエチレン性不飽和モノマーに由来する構成単位を含み、片末端に二重結合性官能基を有するマクロモノマーに由来する構成単位を0.5~40質量%含む、[7]に記載のモダクリル繊維の未延伸糸。
[9] [7]又は[8]に記載のモダクリル繊維の未延伸糸を延伸してなるモダクリル繊維の延伸糸であって、
強度が1.0cN/dtex以上である、モダクリル繊維の延伸糸。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、溶融紡糸の際に糸切れの発生が抑制されるとともに、高い強度の繊維が得られるモダクリル繊維の製造方法、及び当該方法により得られる高い強度を有するモダクリル繊維を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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