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公開番号
2024142525
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023054683
出願日
2023-03-30
発明の名称
絶縁電線
出願人
株式会社オートネットワーク技術研究所
,
住友電装株式会社
,
住友電気工業株式会社
代理人
弁理士法人上野特許事務所
主分類
H01B
7/04 20060101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】表面の平滑性の低い絶縁被覆を有しながら、他部材との接触箇所等、表面の平滑性が低いことが好ましくない領域において、表面の平滑性の低さによって生じる影響を抑制することができる絶縁電線を提供する。
【解決手段】導体11と、前記導体11の外周を被覆する絶縁被覆13と、を有し、前記絶縁被覆13は、軸線方向に沿って、粗面域2と、平滑域3と、を備え、前記絶縁被覆13の表面の平滑性が、前記平滑域3において、前記粗面域2よりも高くなっている、絶縁電線1とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有し、
前記絶縁被覆は、軸線方向に沿って、粗面域と、平滑域と、を備え、
前記絶縁被覆の表面の平滑性が、前記平滑域において、前記粗面域よりも高くなっている、絶縁電線。
続きを表示(約 150 文字)
【請求項2】
前記絶縁被覆の表面粗さRaが、前記平滑域において、前記粗面域よりも50%以上小さくなっている、請求項1に記載の絶縁電線。
【請求項3】
前記絶縁被覆の柔軟性が、前記粗面域において、前記平滑域よりも高くなっている、請求項1または請求項2に記載の絶縁電線。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁電線に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
絶縁電線において重要な特性の1つとして、柔軟性が挙げられる。例えば、自動車の分野において、電動車の普及などに伴って、大電流を流す必要性から、絶縁電線の導体断面積が大きくなっているが、その場合に、十分な配策性を保つために、絶縁電線が高い柔軟性を有していることが重要となる。絶縁電線において、柔軟性を高める手段の1つに、導体の外周を被覆する絶縁被覆の構成材料として、非晶性の有機ポリマーや非晶成分の多い有機ポリマー材料など、高い柔軟性を有する材料を用いることが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-234404号公報
特開2022-072651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶縁電線において、絶縁被覆を構成する有機ポリマー材料として、非晶性のものや非晶成分の多いものを用いると、上記のように、絶縁電線の柔軟性を向上させることができる。一方で、絶縁被覆の表面の平滑性が低くなる傾向がある。被覆材料の押出成形によって絶縁被覆を形成する際に、被覆材料とダイスの表面との間の滑り性が低くなることで、摩擦によってメルトフラクチャが発生しやすいからである。絶縁被覆において、非晶成分の含有量を多くした場合に、柔軟性が向上する一方で表面の平滑性が低下する傾向は、例えば特許文献1にも挙げられている。このように非晶成分を多く含む被覆材料を用いる場合のほか、押出成形の速度を速くして絶縁被覆を形成する場合などにも、表面の平滑性の低い絶縁被覆が形成されうる。
【0005】
このように、非晶成分を多く含む材料を用いて絶縁被覆の柔軟性を向上させることや、絶縁被覆の押出成形の速度を高めて生産性を向上させることなど、あえて絶縁被覆の表面の平滑性の低い絶縁電線を採用することが有利となる状況が存在する。一方で、絶縁電線を他部材と接触させて用いる際などには、表面の平滑性の低さに起因して、問題が生じる場合がある。絶縁被覆の表面の平滑性が低くなっていると、表面に微細な凹凸が存在することにより、絶縁電線が他の部材に接触した接触界面において、微視的な接触箇所が、凹凸の凸部に集中的に形成されることになる。すると、例えば、絶縁電線の外周に、防水栓等の部材を取り付ける際に、その部材との密着性が低くなる可能性がある。防水栓との密着性の低さは、防水性の低下につながりうる。また、絶縁被覆が外部の部材との間に摩擦を起こす場合に、摩擦による負荷が、微視的な接触箇所に集中的に印加されることになるため、絶縁被覆の耐摩耗性が低くなる可能性や、外部の部材の損傷を引き起こす可能性がある。
【0006】
以上に鑑み、表面の平滑性の低い絶縁被覆を有しながら、他部材との接触箇所等、表面の平滑性が低いことが好ましくない領域において、表面の平滑性の低さによって生じる影響を抑制することができる絶縁電線を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の絶縁電線は、導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁被覆と、を有し、前記絶縁被覆は、軸線方向に沿って、粗面域と、平滑域と、を備え、前記絶縁被覆の表面の平滑性が、前記平滑域において、前記粗面域よりも高くなっている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の絶縁電線は、表面の平滑性の低い絶縁被覆を有しながら、他部材との接触箇所等、表面の平滑性が低いことが好ましくない領域において、表面の平滑性の低さによって生じる影響を抑制することができる絶縁電線となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本開示の一実施形態にかかる絶縁電線を模式的に示す斜視図である。
図2Aおよび図2Bはそれぞれ、平滑化前の原料絶縁電線、および端部を含む領域に平滑域を形成した絶縁電線を撮影した写真である。
図3Aおよび図3Bは、平滑域を形成した絶縁電線について、それぞれ粗面域および平滑域の表面を光学顕微鏡にて観察した観察像である。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。本開示の絶縁電線は、以下の構成を有している。
(【0011】以降は省略されています)
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