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公開番号2024141084
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052539
出願日2023-03-29
発明の名称架橋反応シミュレーション装置
出願人住友理工株式会社
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類B29C 35/02 20060101AFI20241003BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】架橋反応時におけるポリマーの温度履歴を精度よく推定可能な架橋反応シミュレーション装置を提供する。
【解決手段】記憶部2と、伝熱解析を行う伝熱解析部3と、を備える架橋反応シミュレーション装置1であって、記憶部2は、成形型モデルMMと、対象ワークモデルWMと、原料ポリマーに対するカーボンブラックの質量比とポリマー部12の熱拡散率との関係を表す熱拡散率特性TSと、を記憶し、伝熱解析部3は、対象ワークモデルWMにおける原料ポリマーに対するカーボンブラックの質量比、および、成形型モデルMMの温度条件を入力する条件入力部30と、カーボンブラックの質量比と熱拡散率特性TSとに基づいて、ポリマー熱拡散率を決定するポリマー熱拡散率決定部31と、成形型モデルMMに対象ワークモデルWMを配置した状態で、ポリマー熱拡散率および温度条件TCを用いて、伝熱解析を行う解析部32と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シミュレーションに用いるデータを記憶する記憶部と、
対象ワークモデルのポリマー部の架橋反応時における伝熱解析を行う伝熱解析部と、
を備える架橋反応シミュレーション装置であって、
前記記憶部は、
成形型モデルと、
原料ポリマーおよびカーボンブラックを含んで構成される前記ポリマー部、を有する対象ワークモデルと、
前記原料ポリマーに対する前記カーボンブラックの質量比と前記ポリマー部の熱拡散率との関係を表す熱拡散率特性と、を記憶し、
前記伝熱解析部は、
前記対象ワークモデルにおける前記原料ポリマーに対する前記カーボンブラックの質量比、および、前記成形型モデルの温度条件を入力する条件入力部と、
前記条件入力部により入力された前記質量比と前記記憶部に記憶された前記熱拡散率特性とに基づいて、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の熱拡散率であるポリマー熱拡散率を決定するポリマー熱拡散率決定部と、
前記成形型モデルに前記対象ワークモデルを配置した状態で、前記ポリマー熱拡散率決定部により決定された前記ポリマー熱拡散率および前記記憶部に記憶された前記温度条件を用いて、伝熱解析を行う解析部と、を備える、架橋反応シミュレーション装置。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
前記熱拡散率特性は、前記原料ポリマーの種類に依存しない関係である、請求項1に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項3】
前記熱拡散率特性は、複数種の原料ポリマーで、異なるカーボンブラックの質量比で実験した場合の実測値より設定された関係である、請求項1に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項4】
前記熱拡散率特性は、前記カーボンブラックの質量比に対して線形の関係を有する、請求項1に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項5】
前記対象ワークモデルは、
前記ポリマー部と、
前記ポリマー部に接合された接合部材と、を備え、
前記記憶部は、さらに、
前記成形型モデルに前記対象ワークモデルを配置した状態で、前記成形型モデルと前記接合部材との間の熱伝達率である接触熱伝達率を記憶し、
前記解析部は、前記成形型モデルに前記対象ワークモデルを配置した状態で、前記ポリマー熱拡散率決定部により決定された前記ポリマー熱拡散率、前記記憶部に記憶された前記温度条件および前記接触熱伝達率を用いて、前記伝熱解析を行う、請求項1に記載の架橋反応シミュレーション装置。
【請求項6】
前記条件入力部は、
前記成形型モデルから脱型された前記対象ワークモデルの周囲の気温を含む外気条件が入力されるようになっており、
前記記憶部は、さらに
空気の熱伝達係数である空気熱伝達係数を記憶し、
前記解析部は、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部を前記成形型モデル内にて架橋反応させた後に前記成形型モデルから前記対象ワークモデルを脱型した状態で、前記ポリマー熱拡散率決定部により決定された前記ポリマー熱拡散率、前記記憶部に記憶された前記空気熱伝達係数および前記外気条件を用いて、前記伝熱解析を行う、請求項1に記載の架橋反応シミュレーション装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋反応シミュレーション装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、ポリマーを架橋反応させることにより化学物質の物性を向上させることが行われている。このようなポリマーとしてゴムが例示される。ゴムは、原料ゴムに硫黄やその他の架橋剤,加硫促進剤等を加え、加熱を行なうことによって、ゴム分子鎖間あるいはその分子鎖の中に三次元網目状の架橋構造が形成されている。
【0003】
ゴムの加硫度、すなわち、ゴムの架橋反応の反応率を推定する技術として、非特許文献1に記載のものがある。上記の技術は、アレニウスの式に基づいて、ゴムの温度履歴から加硫度を推定し、適切な加硫条件(金型温度、加硫時間)を推定する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
有松利雄、“加硫工程設計の実際”、日本ゴム協会誌、第59巻,第3号,(1986)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術を用いる場合、架橋反応時におけるポリマーの温度履歴をできるだけ正確に推定することが好ましい。しかしながら、架橋反応時におけるポリマーの温度履歴を推定することは困難であった。以下に説明する。
【0006】
例えば、金型内にポリマーを配置した状態で架橋反応させる場合、金型の局所的な温度は管理および測定が可能である。しかし、金型からポリマーへの熱伝導、さらには、ポリマーの内部における熱伝導は、ポリマーの形状や、ポリマーに含まれるフィラーの組成などに影響を受ける。このため、ゴムの温度履歴は、製品の形状が異なる場合には製品ごとに異なる。さらに、同じ形状の製品であってもフィラーの組成が異なる場合には、組成の異なる製品ごとに異なる。特に、ポリマーの熱拡散率と、フィラーの熱拡散率とが異なっている場合には、ポリマーの温度履歴を推定することは非常に困難である。
【0007】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、架橋反応時におけるポリマーの温度履歴を精度よく推定可能な架橋反応シミュレーション装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、
シミュレーションに用いるデータを記憶する記憶部と、
対象ワークモデルのポリマー部の架橋反応時における伝熱解析を行う伝熱解析部と、
を備える架橋反応シミュレーション装置であって、
前記記憶部は、
成形型モデルと、
原料ポリマーおよびカーボンブラックを含んで構成される前記ポリマー部、を有する対象ワークモデルと、
前記原料ポリマーに対する前記カーボンブラックの質量比と前記ポリマー部の熱拡散率との関係を表す熱拡散率特性と、を記憶し、
前記伝熱解析部は、
前記対象ワークモデルにおける前記原料ポリマーに対する前記カーボンブラックの質量比、および、前記成形型モデルの温度条件を入力する条件入力部と、
前記条件入力部により入力された前記質量比と前記記憶部に記憶された前記熱拡散率特性とに基づいて、前記対象ワークモデルの前記ポリマー部の熱拡散率であるポリマー熱拡散率を決定するポリマー熱拡散率決定部と、
前記成形型モデルに前記対象ワークモデルを配置した状態で、前記ポリマー熱拡散率決定部により決定された前記ポリマー熱拡散率および前記記憶部に記憶された前記温度条件を用いて、伝熱解析を行う解析部と、を備える、架橋反応シミュレーション装置にある。
【発明の効果】
【0009】
カーボンブラックは、ポリマー部に比べて熱を伝えやすいので、カーボンブラックの質量比は、ポリマー部の熱拡散率に大きな影響を及ぼす。本発明の一態様によれば、原料ポリマーに対するカーボンブラックの質量比に基づいて、対象ワークモデルのポリマー部の熱拡散率であるポリマー熱拡散率を決定することができる。この結果、架橋反応時におけるポリマーの温度履歴を精度よく推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態1の架橋反応シミュレーション装置を示すブロック図。
実施形態1において、成形型モデルに対象ワークモデルを配置した状態を示す図。
実施形態1の対象ワークモデルを示す図。
実施形態1の架橋反応シミュレーション装置の動作を示すフローチャート。
実施形態1において、成形型モデルに対象ワークモデルを配置した状態の各部の温度の経時変化を示す図。
従来技術において、ポリマー部の温度の実測値と予測値とを示すグラフ。
実施形態1において、ポリマー部の温度の実測値と予測値とを示すグラフ。
実施形態1において、カーボンブラックの含有量に対する熱伝導率の変化量を示すグラフ。
実施形態1において、成形型モデルに対象ワークモデルが配置された状態の解析メッシュの様子を説明するための図。
実施形態1の加硫試験機の構造を示す模式図。
実施形態1の加硫試験機によって測定されたトルクの、反応率への変換方法を説明するための図であって、(a)は、トルクの、反応時間に対する変化を示すグラフであり、(b)は、反応率の、反応時間に対する変化を示すグラフである。
実施形態1の架橋反応解析処理における、傾き係数の算出方法を説明するための図。
実施形態1の架橋反応解析処理における、等価反応量の算出方法を説明するための図。
実施形態1の架橋反応解析処理における、等価反応量増加量から等価反応量を算出する方法を説明するための図。
実施形態1の架橋反応解析処理における、等価反応量から反応率への変換方法を説明するための図。
従来技術において、ポリマー部の反応率の、実測値と予測値とを示す図。
実施形態1において、架橋反応の反応進行度に応じて区分し、活性化エネルギーを、各区分ごとに算出する方法を説明するための図
実施形態1において、ポリマー部の反応率の、実測値と予測値とを示す図。
実施形態1において、反応率の、反応時間に対する変化量の表現方法を説明するための図。
実施形態1において、反応率の、反応時間に対する変化量を示す図。
実施形態1の第二関数を示す図。
実施形態1における、対象ワークモデルの解析メッシュの様子を説明するための図。
ポリマー部に内部気泡が発生した状態を示す図。
架橋反応における、ブローポイントにおける反応率、脱型時における反応率および最終反応率を示す図。
(a)複数のサンプルのブローポイントにおける反応率を示すグラフ。(b)複数のサンプルのブローポイントにおける、加硫試験機によって測定されたトルクを示すグラフ。
内部気泡を抑制するメカニズムを説明するための図。
実施形態1において、ポリマー部の反応率分布を示すヒートマップ図。
実施形態1において、金型温度が低温の場合の、反応時間に対する、対象ワークモデルの軸直角方向の弾性率の変化量を示す図。
実施形態1において、金型温度が中温の場合の、反応時間に対する、対象ワークモデルの軸直角方向の弾性率の変化量を示す図。
実施形態1において、金型温度が高温の場合の、反応時間に対する、対象ワークモデルの軸直角方向の弾性率の変化量を示す図。
実施形態1において、ポリマー部の弾性率と、内部気泡の発生状況の、反応時間に対する変化を示す図。
実施形態1において、内部気泡の発生予想結果を視覚的に表示する図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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