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公開番号
2024140805
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052145
出願日
2023-03-28
発明の名称
自己免疫性脳弓下器官疾患を判定するための方法
出願人
国立大学法人広島大学
,
プロテオブリッジ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
33/53 20060101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本開示の目的の1つは、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するための方法を提供することである。
【解決手段】対象から採取された試料における抗ZSCAN1抗体のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するための方法が提供される。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
対象から採取された試料における抗ZSCAN1抗体のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するための方法。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
自己免疫性脳弓下器官疾患が本態性高ナトリウム血症またはROHHAD症候群である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
対象の血中ナトリウム濃度が標準値と比較して高い、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
対象が神経芽腫群腫瘍に罹患していない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
対象から採取された試料における抗ZSCAN1抗体のレベルを測定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
抗ZSCAN1抗体のレベルがカットオフ値と比較して高い場合に対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患していると判定される、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
対象から採取された試料における抗Na
x
抗体のレベルをカットオフ値と比較することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
対象から採取された試料における抗Na
x
抗体のレベルを測定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
抗Na
x
抗体のレベルがカットオフ値と比較して高い場合に、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患していると判定される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
対象から採取された試料が、血液試料である、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するための方法およびキットに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
本態性高ナトリウム血症は、口渇中枢障害を伴う高ナトリウム血症とも呼ばれる。本症は不均一な臨床像を示すが、その特徴的な症状は、高ナトリウム血症、抗利尿ホルモンの低下を伴う低張尿および口渇感欠如である。一部の症例では、生来の構造的な病変(中隔視神経形成異常症など)、視床下部-下垂体領域の腫瘍、炎症(例えば、CMV、HHV6、COVID-19による脳炎)などにより、視床下部や下垂体に損傷がある。視床下部や下垂体に構造的な病変を持たない本態性高ナトリウム血症患者において、脳弓下器官に対する特異的な抗体応答が報告されている(非特許文献1)。脳弓下器官に対する自己抗体として抗Na
x
抗体が報告されているが、その他に標的となる抗原分子は同定されていない(非特許文献2、3)。
【0003】
ROHHAD(低換気、視床下部機能不全および自律神経調節不全を伴う急速発症肥満)症候群は、2007年に提唱された比較的新しい疾患概念であり、非常に稀な小児科疾患である。神経内分泌腫瘍(NET)を伴う場合、ROHHAD-NET症候群とも呼ばれる(非特許文献4)。典型的には平均で3歳頃から発症する急激な肥満と中枢性低換気を特徴とし、成長ホルモン欠乏とナトリウムレベル異常を高頻度で合併する。より頻度の低い合併症として、高プロラクチン血症、中枢性甲状腺機能低下症、心呼吸停止が挙げられる。病因としては、遺伝やエピゲノムに加え、自己免疫が推測されており、脳弓下器官および視床下部に対する抗体が検出されている(非特許文献5)。最近、神経芽腫群腫瘍を伴うROHHAD患者の主に脳脊髄液にZSCAN1に対する自己抗体が検出され、腫瘍組織にZSCAN1の発現が見られたことから、ROHHADが傍腫瘍性神経症候群である可能性が示唆された(非特許文献6)。ZSCAN1は卵巣癌の予後予測マーカーとして知られている(非特許文献7)。
【0004】
本態性高ナトリウム血症とROHHAD症候群の臨床的特徴を比較すると、ナトリウムレベルの異常に加えて、類似の視床下部-下垂体機能障害があり、一部の症例では脳弓下器官に対する自己抗体の関与が推測される(非特許文献8)。脳弓下器官は、口渇および塩欲求制御の中枢であり、血中ナトリウムセンサーとして主要な役割を担い、抗利尿ホルモン分泌にも関与する。脳血管関門を免れている血管豊富な部位であり、脳脊髄液に直接接触し、抗体が侵入することも知られている。しかしながら、本態性高ナトリウム血症とROHHAD症候群に共通する抗原は同定されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Hiyama T.Y., et al. Adipsic hypernatremia without hypothalamic lesions accompanied by autoantibodies to subfornical organ. Brain Pathol. 2017;27:323-331. doi: 10.1111/bpa.12409.
Hiyama T.Y., et al., Autoimmunity to the sodium-level sensor in the brain causes essential hypernatremia. Neuron. 2010;27:508-522. doi: 10.1016/j.neuron.2010.04.017.
宇都宮朱里, 小児内科, vol. 53, 増刊号2021, 362-365
Lee J.M., et al. Rapid-Onset Obesity with Hypoventilation, Hypothalamic, Autonomic Dysregulation, and Neuroendocrine Tumors (ROHHADNET) Syndrome: A Systematic Review. Biomed. Res. Int. 2018;21:1250721. doi: 10.1155/2018/1250721.
Nakamura-Utsunomiya A., et al. Identification of clinical factors related to antibody-mediated immune response to the subfornical organ. Clin. Endocrinol. 2022;97:72-80. doi: 10.1111/cen.14737.
Mandel-Brehm C., et al. ZSCAN1 Autoantibodies Are Associated with Pediatric Paraneoplastic ROHHAD. Ann. Neurol. 2022 doi: 10.1002/ana.26380
Li N, et al. DNA methylation markers as triage test for the early identification of cervical lesions in a Chinese population. Int. J. Cancer. 2021; 148:1768-1777. https://doi.org/10.1002/ijc.33430
Nakamura-Utsunomiya, A. Autoimmunity Related to Adipsic Hypernatremia and ROHHAD Syndrome. Int. J. Mol. Sci. 2022, 23, 6899. https://doi.org/10.3390/ijms23136899
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的の1つは、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、自己免疫性脳弓下器官疾患の患者の血中では、抗ZSCAN1抗体のレベルが高いことを見出した。従って、抗ZSCAN1抗体を自己免疫性脳弓下器官疾患のマーカーとして使用し得る。
【0008】
ある態様では、本開示は、対象から採取された試料における抗ZSCAN1抗体のレベルをカットオフ値と比較することを含む、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するための方法を提供する。
【0009】
ある態様では、本開示は、ZSCAN1またはその断片を含む、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているか否かを判定するためのキットを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、対象が自己免疫性脳弓下器官疾患に罹患しているかを判定するための方法およびキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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