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公開番号2024140789
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052123
出願日2023-03-28
発明の名称位置決め装置
出願人東レエンジニアリング株式会社
代理人個人,個人
主分類G05D 3/00 20060101AFI20241003BHJP(制御;調整)
要約【課題】位置決め精度に対する校正の誤差の影響を抑制することができる位置決め装置を提供する。
【解決手段】位置決め装置はX軸移動装置及びY軸移動装置と、移動位置を計測する撮像装置と、各移動装置に対して位置制御信号Sを出力し、対象物の計測位置Pmを取得する制御装置と、を有する。制御装置は、目標位置Ptと計測位置Pmとに基づいて位置制御信号Sの基準校正値Cを算出する第1校正制御S1と、基準校正値Cに所定値を加減した仮校正値によって校正された校正位置制御信号Scに基づいて移動された加算側校正計測位置Pmaと減算側校正計測位置Pmsとのうち目標位置Ptとの差が小さい校正計測位置を選択し、前記選択した校正計測位置に前記対象物を移動させた校正位置制御信号Scの算出に用いた仮校正値を新たな基準校正値Cに設定する第2校正制御S2と、を行う。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一つの電動アクチュエータを有し、前記電動アクチュエータによって対象物を移動させる対象物移動部と、
前記対象物の移動位置を計測する対象物位置計測部と、
前記対象物移動部に対して、前記対象物を目標位置に向けて移動させる位置制御信号を出力し、前記対象物位置計測部が計測した前記対象物の計測位置を取得する制御部と、を有する位置決め装置であって、
前記制御部は、
前記目標位置と前記計測位置とに基づいて前記位置制御信号の基準校正値を算出する第1校正制御と、
前記対象物移動部に対して、前記基準校正値よりも所定値分増加させた加算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって移動された前記対象物の移動位置を計測した加算側校正計測位置を前記対象物位置計測部から取得し、
前記対象物移動部に対して、前記基準校正値よりも所定値分減少させた減算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって移動された前記対象物の移動位置を計測した減算側校正計測位置を前記対象物位置計測部から取得し、
前記加算側校正計測位置と前記減算側校正計測位置とのうち前記目標位置との差が小さい校正計測位置を選択し、前記選択した校正計測位置に前記対象物を移動させた校正位置制御信号の算出に用いた仮校正値を新たな基準校正値に設定する第2校正制御と、を行う、
位置決め装置。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の位置決め装置において、
前記制御部は、
前記第2校正制御において、前記加算側校正計測位置と前記目標位置との差または前記減算側校正計測位置と前記目標位置との差が所定範囲に含まれていない場合、前記第2校正制御において設定された前記新たな基準校正値に基づいて、前記第2校正制御を行う、
位置決め装置。
【請求項3】
請求項1また2に記載の位置決め装置において、
前記制御部は、
前記対象物移動部に対して、異なる値の複数の加算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した複数の校正位置制御信号をそれぞれ出力し、前記対象物移動部によって移動された前記対象物のそれぞれの移動位置を計測した複数の加算側校正計測位置を前記対象物位置計測部から取得し、
前記対象物移動部に対して、異なる値の複数の減算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号をそれぞれ出力し、前記対象物移動部によって移動された前記対象物のそれぞれの移動位置を計測した複数の減算側校正計測位置を前記対象物位置計測部から取得し、
前記複数の加算側校正計測位置と前記複数の減算側校正計測位置とのうち前記目標位置との差が最も小さい校正計測位置に前記対象物を移動させた校正位置制御信号の算出に用いた仮校正値を新たな基準校正値に設定する第2校正制御と、を行う、
位置決め装置。
【請求項4】
請求項2に記載の位置決め装置において、
前記制御部は、
第2校正制御において、前記新たな基準校正値が設定された場合、前記対象物移動部に対して、前記新たな基準校正値に設定された加算側仮校正値または減算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって前記対象物を目標位置に向けて移動させた際の加算側校正計測位置または減算側校正計測位置と前記目標位置との差に基づいて新たな加算側仮校正値及び減算側仮校正値を算出する、
位置決め装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の位置決め装置において、
前記対象物移動部は、
前記対象物をX軸方向に移動させるX軸電動アクチュエータと、前記対象物を前記X軸方向に垂直なY軸方向に移動させるY軸電動アクチュエータと、前記対象物を前記X軸方向及び前記Y軸方向に垂直なZ軸方向に移動させるZ軸電動アクチュエータと、前記対象物を前記X軸方向、前記Y軸方向及び前記Z軸方向のいずれか一つの軸回りに回転させる電動アクチュエータとのうち少なくとも一つを有する、
位置決め装置。
【請求項6】
少なくとも一つの電動アクチュエータを有し、前記電動アクチュエータによって対象物を移動可能な対象物移動部の校正方法であって、
目標位置と計測位置とに基づいて位置制御信号の基準校正値を算出する第1校正工程と、
前記対象物移動部に対して、前記基準校正値よりも所定値分増加させた加算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって移動された前記対象物の加算側校正計測位置を計測する加算側校正計測工程と、
前記基準校正値よりも所定値分減少させた減算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を前記対象物移動部に対して出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって移動された前記対象物の減算側校正計測位置を計測する減算側校正計測工程と、
前記加算側校正計測位置と前記減算側校正計測位置とのうち前記目標位置との差が小さい校正計測位置に前記対象物を移動させた前記校正位置制御信号の算出に用いた仮校正値を新たな基準校正値とする第2校正工程と、を有する、
校正方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は対象物を位置決めする位置決め装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
半導体製造装置、インクジェット塗布装置等の製造装置は、基板等を載置するステージと、前記基板等にICチップを接続するボンダ装置、インク等を塗布する塗布装置等の加工装置とを有している。前記製造装置は、ステージ上の基板等に対する加工装置の位置を相対的に位置決めする位置決め装置によってステージまたは加工装置を任意の位置に移動可能に構成されている。前記位置決め装置は、前記ステージまたは前記加工装置をそれぞれ移動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置とを有する。また、前記アクチュエータは、前記ステージまたは前記加工装置の位置を計測する計測装置を有している。前記位置決め装置は、前記計測装置からの計測信号に基づいて前記ステージまたは前記加工装置を目標位置に移動させる。
【0003】
このような位置決め装置は、数μm以下の高い位置決め精度が求められる。一方、位置決め装置は、アクチュエータの精度のばらつき、機構部分の摩耗等による経年変化、環境温度による構成部材の熱膨張または熱収縮等により指令値に対する位置決め位置にずれが生じる。よって、前記製造装置は、前記計測装置の計測値に基づいて前記ステージまたは前記加工装置を目標位置に移動させても所定の精度で位置決めできない可能性がある。そこで、アクチュエータの精度のばらつき、機構部分の摩耗等による経年変化、環境温度による構成部材の熱膨張または熱収縮等によって生じる位置決めのずれを抑制するための校正方法が知られている。
【0004】
特許文献1に記載の部品実装装置は、所定位置に位置決めした基板に搭載ヘッドによってピックアップした部品を搭載する。前記部品実装装置は、校正用基板所定位置に位置決めする位置決め手段と、前記搭載ヘッドによりピックアップした校正用部品を制御データに基づいて前記校正用基板上の目標搭載位置に搭載する校正用部品搭載手段と、前記校正用基板上に搭載された前記校正用部品の実際の搭載位置と前記目標搭載位置とのずれを検出して制御データの校正を行う校正手段とを有する。前記部品実装装置は、前記校正用基板と前記校正用部品とを用いて前記校正用基板に対する前記校正用部品の目標搭載位置と搭載位置とのずれに基づいて前記制御データを校正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008-227047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の部品実装装置の位置決め精度は、前記校正用基板及び前記校正用部品を用いた校正精度に影響される。よって、前記部品実装装置の校正は、部品を基板に実装する際に必要とする位置決め精度よりも高い校正精度が求められる。一方、前記部品実装装置は、微細化された前記部品を前記基板上の目標位置に搭載するために前記基板に対する前記部品の位置決め精度を高めなければならない。よって、前記部品実装装置は、必要な位置決め精度が高くなるにつれて前記校正における誤差の影響によって必要な位置決め精度が得られない場合があった。
【0007】
本発明の目的は、位置決め精度に対する校正の誤差の影響を抑制することができる位置決め装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、校正の誤差を抑制して、位置決め精度を高めることができる位置決め装置の構成について検討した。鋭意検討の結果、本発明者は、以下のような構成に想到した。
【0009】
本発明の実施形態に係る位置決め装置は、少なくとも一つの電動アクチュエータを有し、前記電動アクチュエータによって対象物を移動可能な対象物移動部と、前記対象物の移動位置を計測する対象物位置計測部と、前記対象物移動部に対して前記対象物を目標位置に移動させる位置制御信号を出力し、前記対象物位置計測部が計測した前記対象物の計測位置を取得する制御部と、を有する位置決め装置である。
【0010】
前記制御部は、前記目標位置と前記計測位置とに基づいて前記位置制御信号の基準校正値を算出する第1校正制御を行う。更に、前記制御部は、前記対象物移動部に対して、前記基準校正値よりも所定値分増加させた加算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって移動された前記対象物の移動位置を計測した加算側校正計測位置を前記対象物位置計測部から取得する。前記制御部は、前記対象物移動部に対して、前記基準校正値よりも所定値分減少させた減算側仮校正値によって前記位置制御信号を校正した校正位置制御信号を出力し、前記校正位置制御信号に基づいて、前記対象物移動部によって移動された前記対象物の移動位置を計測した減算側校正計測位置を前記対象物位置計測部から取得する。更に、前記制御部は、前記加算側校正計測位置と前記減算側校正計測位置とのうち前記目標位置との差が小さい校正計測位置を選択し、前記選択した校正計測位置に前記対象物を移動させた校正位置制御信号の算出に用いた仮校正値を新たな基準校正値に設定する。
(【0011】以降は省略されています)

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