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公開番号2024135173
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045724
出願日2023-03-22
発明の名称エジェクタ冷却装置
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類F25B 1/00 20060101AFI20240927BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】エジェクタ冷凍サイクルに圧縮機を導入したハイブリッド形式の冷凍サイクルを適用したエジェクタ冷却装置の装置起動時におけるポンプのキャビテーション発生を簡易な構成で回避することができるエジェクタ冷却装置を提供する。
【解決手段】制御部Cは、装置起動時、圧縮機7をオンにするとともにポンプ3をオフにし、開閉弁V2を閉にして切替機構9を介して圧縮機7からの冷媒をエジェクタ1の吐出口1cに流動させる圧縮式モードに切り替え、ポンプ圧力Piをもとに飽和温度を求め、ポンプ温度Tiが飽和温度から所定過冷却度、減算した温度以下である場合にポンプ3を起動して運転モード制御を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷媒を昇圧するポンプと、熱供給源から供給される熱源水により冷媒を加熱しエジェクタ駆動流を発生させる蒸気生成器と、冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁によって減圧された冷媒により被冷却媒体を冷却する蒸発器と、前記蒸気生成器からの冷媒のエジェクタ駆動流によって前記蒸発器により蒸発した冷媒を吸引するエジェクタと、前記エジェクタ内への吸引後に前記エジェクタ駆動流と混合した冷媒を冷却する凝縮器とを有するエジェクタ冷却装置であって、
前記蒸発器と前記エジェクタとの間に配置されて前記蒸発器からの冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機の前記エジェクタの吸引入口への接続と前記圧縮機の前記エジェクタの吐出口への接続とを少なくとも切り替える切替機構と、
前記圧縮機に並列接続される開閉弁と、
前記圧縮機の吸引側の冷媒圧力である圧縮機圧力を検出する圧縮機圧力センサと、
前記エジェクタの吐出側の冷媒圧力である背圧を検出する背圧センサと、
前記ポンプの吸引側の冷媒温度であるポンプ温度を検出するポンプ温度センサと、
前記ポンプの吸引側の冷媒圧力であるポンプ圧力を検出するポンプ圧力センサと、
前記圧縮機圧力に対する背圧の圧力比が第1閾値未満の場合、前記圧縮機をオフにするとともに前記開閉弁を開にして前記切替機構を介して前記蒸発器からの冷媒を前記エジェクタの吸引入口に流動させるエジェクタモードに切り替え、前記圧力比が前記第1閾値以上、かつ、第2閾値未満である場合、前記圧縮機をオンにするとともに前記開閉弁を開にして前記切替機構を介して前記圧縮機からの冷媒を前記エジェクタの吐出口に流動させる並列ハイブリッドモードに切り替え、前記圧力比が前記第2閾値以上の場合、前記圧縮機をオンにするとともに前記開閉弁を閉にして前記切替機構を介して前記圧縮機からの冷媒を前記エジェクタの吸引入口に流動させる直列ハイブリッドモードに切り替える運転モード制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、装置起動時、前記圧縮機をオンにするとともに前記ポンプをオフにし、前記開閉弁を閉にして前記切替機構を介して前記圧縮機からの冷媒を前記エジェクタの吐出口に流動させる圧縮式モードに切り替え、前記ポンプ圧力をもとに飽和温度を求め、前記ポンプ温度が前記飽和温度から所定過冷却度、減算した温度以下である場合に前記ポンプを起動して前記運転モード制御を行うことを特徴とするエジェクタ冷却装置。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記ポンプ温度が前記飽和温度から所定過冷却度、減算した温度以下でない場合、前記圧縮機の回転数を所定値増加させる処理を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ冷却装置。
【請求項3】
前記蒸気生成器に供給される前記熱源水の温度を検出する熱源水温度センサを備え、
前記制御部は、前記熱源水の温度が所定閾値温度未満である場合、前記圧縮式モードに切り替えて前記運転モード制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタ冷却装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エジェクタ冷凍サイクルに圧縮機を導入したハイブリッド形式の冷凍サイクルを適用したエジェクタ冷却装置の装置起動時におけるポンプのキャビテーション発生を簡易な構成で回避することができるエジェクタ冷却装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
エジェクタ冷却装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが既に提供されている。このエジェクタ冷却装置のエジェクタ冷凍サイクルはポンプのみで駆動できるため、圧縮機を用いた圧縮式冷凍サイクルに比較して消費電力を抑えることができる。しかし、凝縮器を流れる冷却水の温度が高いとエジェクタの背圧が上昇し、冷凍能力及び装置効率が大幅に低下してしまうことがある。
【0003】
このため、特許文献2では、圧縮機を導入したエジェクタ冷却装置が提案されている。その1つは、圧縮機とエジェクタとを直列に連結し、エジェクタにより圧縮機の吐出圧力を低減することにより、圧縮機の消費電力を低減するようにしている。また、他の1つとして、圧縮機とエジェクタとを並列に配置するものが提案されている。
【0004】
また、特許文献3には、最下部へのポンプ設置、凝縮器や貯留タンク内冷媒の液位ヘッドの確保、貯留タンクへの冷媒回収運転などによるポンプのキャビテーション回避手段をもつエジェクタ冷却装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-190587号公報
特開2011-94814号公報
特開2022-28593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、圧縮機を導入したエジェクタ冷却装置では、装置起動時に電源をオンさせるとポンプと圧縮機とが同時に運転を開始するため、ポンプの吸込み圧力が冷媒の飽和圧力より低くなるキャビテーションが発生する。このキャビテーションの発生は、流量の急減や異常振動等による機器の破損の原因となるため回避する必要がある。なお、装置起動時に凝縮器に十分な液冷媒が無いためにポンプ吸い込み時に気相冷媒が混入し、同様の障害が発生する場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エジェクタ冷凍サイクルに圧縮機を導入したハイブリッド形式の冷凍サイクルを適用したエジェクタ冷却装置の装置起動時におけるポンプのキャビテーション発生を簡易な構成で回避することができるエジェクタ冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、冷媒を昇圧するポンプと、熱供給源から供給される熱源水により冷媒を加熱しエジェクタ駆動流を発生させる蒸気生成器と、冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁によって減圧された冷媒により被冷却媒体を冷却する蒸発器と、前記蒸気生成器からの冷媒のエジェクタ駆動流によって前記蒸発器により蒸発した冷媒を吸引するエジェクタと、前記エジェクタ内への吸引後に前記エジェクタ駆動流と混合した冷媒を冷却する凝縮器とを有するエジェクタ冷却装置であって、前記蒸発器と前記エジェクタとの間に配置されて前記蒸発器からの冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機の前記エジェクタの吸引入口への接続と前記圧縮機の前記エジェクタの吐出口への接続とを少なくとも切り替える切替機構と、前記圧縮機に並列接続される開閉弁と、前記圧縮機の吸引側の冷媒圧力である圧縮機圧力を検出する圧縮機圧力センサと、前記エジェクタの吐出側の冷媒圧力である背圧を検出する背圧センサと、前記ポンプの吸引側の冷媒温度であるポンプ温度を検出するポンプ温度センサと、前記ポンプの吸引側の冷媒圧力であるポンプ圧力を検出するポンプ圧力センサと、前記圧縮機圧力に対する背圧の圧力比が第1閾値未満の場合、前記圧縮機をオフにするとともに前記開閉弁を開にして前記切替機構を介して前記蒸発器からの冷媒を前記エジェクタの吸引入口に流動させるエジェクタモードに切り替え、前記圧力比が前記第1閾値以上、かつ、第2閾値未満である場合、前記圧縮機をオンにするとともに前記開閉弁を開にして前記切替機構を介して前記圧縮機からの冷媒を前記エジェクタの吐出口に流動させる並列ハイブリッドモードに切り替え、前記圧力比が前記第2閾値以上の場合、前記圧縮機をオンにするとともに前記開閉弁を閉にして前記切替機構を介して前記圧縮機からの冷媒を前記エジェクタの吸引入口に流動させる直列ハイブリッドモードに切り替える運転モード制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、装置起動時、前記圧縮機をオンにするとともに前記ポンプをオフにし、前記開閉弁を閉にして前記切替機構を介して前記圧縮機からの冷媒を前記エジェクタの吐出口に流動させる圧縮式モードに切り替え、前記ポンプ圧力をもとに飽和温度を求め、前記ポンプ温度が前記飽和温度から所定過冷却度、減算した温度以下である場合に前記ポンプを起動して前記運転モード制御を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記の発明において、前記制御部は、前記ポンプ温度が前記飽和温度から所定過冷却度、減算した温度以下でない場合、前記圧縮機の回転数を所定値増加させる処理を繰り返すことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記蒸気生成器に供給される前記熱源水の温度を検出する熱源水温度センサを備え、前記制御部は、前記熱源水の温度が所定閾値温度未満である場合、前記圧縮式モードに切り替えて前記運転モード制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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