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公開番号
2024134631
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023044918
出願日
2023-03-22
発明の名称
タイヤキャップトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
出願人
横浜ゴム株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
9/06 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】競技用タイヤに求められる性能は多岐にわたり、特にウェットグリップ性能、初期グリップ性能および耐摩耗性に優れることが求められる。
【解決手段】スチレン量が30質量%以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N
2
SA)が200m
2
/g未満のシリカを120~200質量部、軟化点が60℃以上のテルペン樹脂を15~80質量部、およびエステル系可塑剤を5~50質量部配合したタイヤキャップトレッド用ゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
スチレン量が30質量%以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N
2
SA)が200m
2
/g未満のシリカを120~200質量部、
軟化点が60℃以上のテルペン樹脂を15~80質量部、および
エステル系可塑剤を5~50質量部配合したことを特徴とするタイヤキャップトレッド用ゴム組成物。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
前記エステル系可塑剤:前記テルペン樹脂の質量比率が、1:0.5~3であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物。
【請求項3】
前記エステル系可塑剤が、グリセリン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする請求項1に記載のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物。
【請求項4】
前記グリセンリン脂肪酸エステルが、グリセリン脂肪酸モノエステルであることを特徴とする請求項3に記載のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物。
【請求項5】
前記スチレン-ブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、さらに、酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5~50質量部配合したことを特徴とする請求項1に記載のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物。
【請求項6】
前記スチレン量が30質量%以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、さらに、水酸化アルミニウムを5~50質量部配合したことを特徴とする請求項1に記載のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物。
【請求項7】
請求項1に記載のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物をキャップトレッドに使用したタイヤ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤキャップトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものであり、詳しくは、ウェットグリップ性能、初期グリップ性能および耐摩耗性を同時に向上させ得るゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤに関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に、競技用の空気入りタイヤでは、ドライ路面走行用タイヤとウェット路面走行用タイヤとが用意され、走行時の天候および路面の状態に応じそれぞれ最適のタイヤを選択するようにしている。ここでウェット路面走行用の競技用タイヤとしては、ウェットグリップ性能を高めるために、高比表面積のフィラー、高軟化点樹脂または液体可塑剤等の多量配合等の手段が取られている。しかし、前記高比表面積のフィラーおよび高軟化点樹脂の多量配合では、低温硬度上昇により、例えば低温時の作動性(初期グリップ性能)が低下するという課題がある。また、液体可塑剤を多量配合すると、破断強度が低下し耐摩耗性が悪化するという問題点がある。
【0003】
下記特許文献1には、スチレンブタジエンゴムの含有量が40~80質量%、ブタジエンゴムの含有量が10~35質量%であるゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対する含有量が80質量部以上のシリカと、前記ゴム成分100質量部に対する含有量が10~60質量部のテルペン系樹脂とを含有し、下記式(A)を満たすタイヤ用ゴム組成物が開示されている。
(A) α/β≦3
α:スチレンブタジエンゴムのスチレン量[質量%]
β:ゴム成分100質量部に対するテルペン系樹脂の含有量[質量部]
しかし、上記のような従来技術では、ウェットグリップ性能、初期グリップ性能および耐摩耗性を同時に向上させることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-183010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ウェットグリップ性能、初期グリップ性能および耐摩耗性を同時に向上させ得るタイヤキャップトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定のスチレン-ブタジエン共重合体ゴムに、特定の特性を有するシリカおよびテルペン樹脂並びにエステル系可塑剤を特定量でもって配合したゴム組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
【0007】
すなわち本発明は、スチレン量が30質量%以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N
2
SA)が200m
2
/g未満のシリカを120~200質量部、軟化点が60℃以上のテルペン樹脂を15~80質量部、およびエステル系可塑剤を5~50質量部配合したことを特徴とするタイヤキャップトレッド用ゴム組成物を提供するものである。
また本発明は、前記タイヤキャップトレッド用ゴム組成物をキャップトレッドに使用したタイヤを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物は、スチレン量が30質量%以上のスチレン-ブタジエン共重合体ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N
2
SA)が200m
2
/g未満のシリカを120~200質量部、軟化点が60℃以上のテルペン樹脂を15~80質量部、およびエステル系可塑剤を5~50質量部配合したことを特徴としているので、ウェットグリップ性能、初期グリップ性能および耐摩耗性を同時に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(ゴム成分)
本発明のタイヤキャップトレッド用ゴム組成物(以下、単にゴム組成物と言うことがある)で使用されるゴム成分は、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)である。本発明において、ゴム成分全体のすべてがSBRであることが好ましいが、必要に応じて通常のゴム組成物に配合できる任意のジエン系ゴム、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等を併用することもできる。
本発明で使用されるSBRは、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
また、本発明で使用されるSBRは、スチレン量が30質量%以上であるものが好ましい。このようなスチレン量を満たすことにより、タイヤのウェットグリップ性能、操縦安定性、耐摩耗性を高めることができる。さらに好ましい該スチレン量は、33~50質量%である。
(【0011】以降は省略されています)
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