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公開番号
2024131857
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023042337
出願日
2023-03-16
発明の名称
水素燃焼炉、及び水素燃焼炉の運転方法
出願人
大陽日酸株式会社
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
F23N
1/02 20060101AFI20240920BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約
【課題】NOx排出量の低減が可能な水素燃焼炉を提供する。
【解決手段】バーナ3を有する燃焼炉本体2と、バーナ3に水素を供給する第1経路L1と、バーナ3に酸素を含む支燃性ガスを供給する第2経路L2と、燃焼炉本体2から排ガスを導出する第3経路L3と、水素の供給量を調整する第1制御装置7と、支燃性ガスの供給量を調整する第2制御装置8と、排ガス中の成分を分析するガス分析装置5と、制御装置6とを備え、制御装置6が、ガス分析装置5から得られる分析値から、燃焼炉本体2において水素が不完全燃焼するように、第1制御装置7と第2制御装置8とを制御する、水素燃焼炉1を選択する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
バーナを有する燃焼炉本体と、
前記バーナに水素を供給する第1経路と、
前記バーナに酸素を含む支燃性ガスを供給する第2経路と、
前記燃焼炉本体から排ガスを導出する第3経路と、
前記第1経路に位置し、前記水素の供給量を調整する第1制御装置と、
前記第2経路に位置し、前記支燃性ガスの供給量を調整する第2制御装置と、
前記第3経路に位置し、前記排ガス中の成分を分析するガス分析装置と、
前記第1制御装置、前記第2制御装置、及び前記ガス分析装置との間で電気信号を送受信する制御装置と、を備え、
前記制御装置が、前記ガス分析装置から得られる分析値から、前記燃焼炉本体において前記水素が不完全燃焼するように、前記第1制御装置と前記第2制御装置とを制御する、水素燃焼炉。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記第3経路に位置し、前記排ガスから水分を除去する水分除去装置をさらに備える、請求項1に記載の水素燃焼炉。
【請求項3】
前記水分除去装置が、前記ガス分析装置の一次側に位置する、請求項2に記載の水素燃焼炉。
【請求項4】
前記第3経路と接続され、燃料の少なくとも一部として前記排ガスを用いる燃焼装置をさらに備える、請求項1に記載の水素燃焼炉。
【請求項5】
前記燃焼装置が、前記第1経路及び前記第2経路の少なくとも一方又は両方に亘って設けられる熱交換器である、請求項4に記載の水素燃焼炉。
【請求項6】
前記燃焼炉本体が、内側の空間に収容した被加熱物を加熱する加熱炉である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水素燃焼炉。
【請求項7】
水素と酸素を含む支燃性ガスとを燃焼させるバーナを有する燃焼炉本体を備える水素燃焼炉の運転方法であって、
前記燃焼炉本体において、前記水素を不完全燃焼させる、水素燃焼炉の運転方法。
【請求項8】
前記燃焼炉本体において、酸素比が0.98以下で不完全燃焼させる、請求項7に記載の水素燃焼炉の運転方法。
【請求項9】
酸素濃度が90体積%以上の前記支燃性ガスを用いる、請求項7又は8に記載の水素燃焼炉の運転方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素燃焼炉、及び水素燃焼炉の運転方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラルの要請の実現に向けて、CO
2
ガス排出量の削減のための技術開発に関心が高まっている。金属やガラスなどの製造過程で用いられる、所謂工業炉では、大量のCO
2
ガスを排出しており、その削減は重要な課題と認識されている。
【0003】
従来から、CO
2
ガス削減技術や省エネ技術の有効な手段として、酸素燃焼が知られている。酸素燃焼とは、酸化剤として酸素または空気に酸素を富化した酸素富化空気を用いる燃焼方法であり、工業炉において広く用いられている。酸素燃焼では、燃焼に寄与しない酸化剤中の窒素量が減るため、火炎温度の上昇や排ガス熱損の削減といったメリットが得られ、結果として熱効率の向上による燃料使用量の削減が可能となる。すなわち、炭化水素燃料の使用量を削減できるため、CO
2
ガス排出量の削減に大きく寄与する。
【0004】
従来の省エネ技術に加えて、炭化水素燃料の水素エネルギへの転換が期待されている。特許文献1には、工業的な燃焼炉において、燃料として水素ガスを使用する燃焼バーナ(水素バーナ)を用いた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-094740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、燃焼バーナと燃焼炉とを用いる炉内燃焼では、投入したエネルギが、炉内で有効に利用される熱量と、排ガスとして系外へ排出されて損失となる熱量とに分類される。例えば、酸素比1.05、排ガス温度1300℃とした場合、燃料として炭化水素燃料(例えば、メタン)を用いた場合、及び水素を用いた場合のいずれも、酸化剤中の酸素濃度が高いほど排ガス熱損失の割合が小さい(すなわち、炉内で有効に利用される熱量の割合が高く、加熱効率が高いことを意味する)ことが知られている。加熱効率が高いほど、炉を所定温度まで昇温、及び維持するために必要な量が少なくてすむため、燃料として水素を用いる水素バーナの仕様に際して、酸素燃焼を適用することで、燃料コストの削減が期待できる。
【0007】
しかしながら、水素燃焼では、炭化水素燃料に比較して火炎温度が高いため、サーマルNOxを主とするNOx排出量が増加すると一般的に言われている。酸素燃焼でも同様に、火炎温度が高温となることから、特に酸素富化の状態では、NOx排出量が増加することが知られている。したがって、水素燃焼と酸素燃焼とを組合せることで、NOx排出量が更に増加することが懸念される。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、NOx排出量の低減が可能な水素燃焼炉、及び水素燃焼炉の運転方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] バーナを有する燃焼炉本体と、
前記バーナに水素を供給する第1経路と、
前記バーナに酸素を含む支燃性ガスを供給する第2経路と、
前記燃焼炉本体から排ガスを導出する第3経路と、
前記第1経路に位置し、前記水素の供給量を調整する第1制御装置と、
前記第2経路に位置し、前記支燃性ガスの供給量を調整する第2制御装置と、
前記第3経路に位置し、前記排ガス中の成分を分析するガス分析装置と、
前記第1制御装置、前記第2制御装置、及び前記ガス分析装置との間で電気信号を送受信する制御装置と、を備え、
前記制御装置が、前記ガス分析装置から得られる分析値から、前記燃焼炉本体において前記水素が不完全燃焼するように、前記第1制御装置と前記第2制御装置とを制御する、水素燃焼炉。
[2] 前記第3経路に位置し、前記排ガスから水分を除去する水分除去装置をさらに備える、[1]に記載の水素燃焼炉。
[3] 前記水分除去装置が、前記ガス分析装置の一次側に位置する、[1]又は[2]に記載の水素燃焼炉。
[4] 前記第3経路と接続され、燃料の少なくとも一部として前記排ガスを用いる燃焼装置をさらに備える、[1]乃至[3]のいずれかに記載の水素燃焼炉。
[5] 前記燃焼装置が、前記第1経路及び前記第2経路の少なくとも一方又は両方に亘って設けられる熱交換器である、[1]乃至[4]のいずれかに記載の水素燃焼炉。
[6] 前記燃焼炉本体が、内側の空間に収容した被加熱物を加熱する加熱炉である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の水素燃焼炉。
[7] 水素と酸素を含む支燃性ガスとを燃焼させるバーナを有する燃焼炉本体を備える水素燃焼炉の運転方法であって、
前記燃焼炉本体において、前記水素を不完全燃焼させる、水素燃焼炉の運転方法。
[8] 前記燃焼炉本体において、酸素比が0.98以下で不完全燃焼させる、[7]に記載の水素燃焼炉の運転方法。
[9] 酸素濃度が90体積%以上の前記支燃性ガスを用いる、[7]又は[8]に記載の水素燃焼炉の運転方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水素燃焼炉、及び水素燃焼炉の運転方法によれば、NOx排出量の低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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