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公開番号2024150037
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2023063260
出願日2023-04-10
発明の名称自熔製錬炉の補助バーナー
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F23C 99/00 20060101AFI20241016BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】分散コーンの耐摩耗性を向上させた補助バーナーを提供する。
【解決手段】自熔製錬炉の精鉱バーナーに設けられる補助バーナー40であって、内部にガスが供給される管本体の下部周面に内部から外部に向かってガスを噴出する複数の噴出孔42が形成された吹込管41と、吹込管の下端部に設けられた略円錐台形状の分散コーン43と、分散コーンを摩耗から保護する硬化保護層45とを備え、かつ、分散コーンの上端部外径が吹込管の下端部外径よりも大きく設定されると共に、上記硬化保護層45は、分散コーンの傾斜面をその上端縁から吹込管の噴出孔より下方側の表面に向けて延長した際に吹込管の表面と分散コーンの傾斜面の延長面部分とが成す仮想の断面略三角形状のリング状空間を埋めるように設けられた第1硬化保護層45aと、第1硬化保護層の表面と面一に連なりかつ分散コーンの傾斜面を覆う第2硬化保護層45bとを有することを特徴とする。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
自熔製錬炉の精鉱バーナーに設けられる補助バーナーであって、
内部にガスが供給される管本体の下部周面に内部から外部に向かって上記ガスを噴出する複数の噴出孔が形成された吹込管と、
該吹込管の下端部に設けられた略円錐台形状の分散コーンと、
該分散コーンを摩耗から保護する硬化保護層と、
を備え、
上記分散コーンの上端部外径が上記吹込管の下端部外径よりも大きく設定され、
上記硬化保護層は、上記分散コーンの上端部と上記吹込管の下端部との段差部分に設けられた第1硬化保護層と、該第1硬化保護層の表面と面一に連なりかつ上記分散コーンの傾斜面を覆う第2硬化保護層とを有することを特徴とする自熔製錬炉の補助バーナー。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
上記分散コーンの傾斜面をその上端縁から吹込管の上記噴出孔より下方側の表面に向けて延長した際に吹込管の表面と分散コーンの傾斜面の延長面部分とが成す仮想の断面略三角形状のリング状空間を埋めるように上記第1硬化保護層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。
【請求項3】
上記硬化保護層の上端部が、上記吹込管の噴出孔の直下位置に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。
【請求項4】
上記第1硬化保護層と第2硬化保護層が、タングステン炭化物を50%以上含む合金で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。
【請求項5】
上記第1硬化保護層と第2硬化保護層が、肉盛溶接による硬化肉盛層で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。
【請求項6】
上記硬化肉盛層の層数が2層以下であることを特徴とする請求項5に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。
【請求項7】
上記分散コーンの上端部外径が、上記吹込管の下端部外径よりも吹込管の肉厚の2倍以上大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。
【請求項8】
上記吹込管の下端部に開先を設け、該開先部分が含まれる上記リング状空間を埋めるように硬化肉盛層で形成された上記第1硬化保護層が設けられることを特徴とする請求項5に記載の自熔製錬炉の補助バーナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自熔製錬炉の補助バーナーに係り、特に、補助バーナーの構成部材である分散コーンの耐摩耗性を向上させた補助バーナーの改良に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
銅硫化物、ニッケル硫化物などの非鉄金属硫化物を原料とする熔融製錬には自熔製錬炉が用いられる。自熔製錬炉には製錬原料と反応用ガスとを炉内に供給する精鉱バーナーが備えられている。
【0003】
自熔製錬炉の操業においては、炉内の熔融製錬反応を制御し、安定した操業を行なうことが求められる。熔融製錬反応は製錬原料に含まれる金属硫化物の酸化反応である。この酸化反応は製錬原料と反応用ガスとの接触によって生じる。そのため、製錬原料と反応用ガスがしっかりと混合しているほど、酸化反応が進行しやすい。このことから、精鉱バーナー内では製錬原料と反応用ガスとを混合しておく予混合が行なわれる。
【0004】
精鉱バーナーの中心には補助バーナーが設けられている。また、補助バーナーの下端には略円錐台形状の分散コーンが設けられ、この分散コーンの上方にはガス(例えば酸素)を噴出する噴出孔が設けられている(特許文献1参照)。そして、分散コーンの傾斜面と噴出孔から噴出したガスの作用により製錬原料が適度に分散し、反応用ガスと混合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-97411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、補助バーナーの分散コーンは製錬原料が直接的に衝突する部材であるため、摩耗の度合いが大きい。特許文献1においては、噴出孔から噴出したガスが分散コーンの傾斜面を覆うため、製錬原料の衝突が緩和されて分散コーンの摩耗を軽減できるとしている(特許文献1の段落0017参照)。しかし、その軽減効果は十分でなく、分散コーンの摩耗は速い速度で進行する。
【0007】
そして、分散コーンの摩耗が進行すると、製錬原料の分散性が悪化することに起因して反応用ガスとの混合が不十分となり、熔融金属(カラミ)中にロスする銅が増加し品位が悪化する。ここで、カラミとは、例えばFeO・SiO
2
等の銅成分を殆ど含まない熔体のことを言い、カラミは系外に払い出される。
【0008】
このように、補助バーナーの構成部材である分散コーンは、高温、高酸化雰囲気という過酷な環境下で製錬原料と接触するため摩耗、損傷しやすい。
【0009】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、分散コーンの耐摩耗性を向上させた補助バーナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
自熔製錬炉の精鉱バーナーに設けられる補助バーナーであって、
内部にガスが供給される管本体の下部周面に内部から外部に向かって上記ガスを噴出する複数の噴出孔が形成された吹込管と、
該吹込管の下端部に設けられた略円錐台形状の分散コーンと、
該分散コーンを摩耗から保護する硬化保護層と、
を備え、
上記分散コーンの上端部外径が上記吹込管の下端部外径よりも大きく設定され、
上記硬化保護層は、上記分散コーンの上端部と上記吹込管の下端部との段差部分に設けられた第1硬化保護層と、該第1硬化保護層の表面と面一に連なりかつ上記分散コーンの傾斜面を覆う第2硬化保護層とを有することを特徴とし、
第2の発明は、
第1の発明に記載の自熔製錬炉の補助バーナーにおいて、
上記分散コーンの傾斜面をその上端縁から吹込管の上記噴出孔より下方側の表面に向けて延長した際に吹込管の表面と分散コーンの傾斜面の延長面部分とが成す仮想の断面略三角形状のリング状空間を埋めるように上記第1硬化保護層が設けられていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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