発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 本発明は、ケミカルルーピング燃焼システムに関する。 続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】 【0002】 二酸化炭素を本質的に分離可能なケミカルルーピング燃焼システムが知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。特許文献1に記載されたシステムでは、固体酸素キャリアとしての金属が空気反応器で空気中の酸素と反応して酸化され、酸化された金属が燃料反応器で燃料により還元された後、再び空気反応器で酸化される。燃料反応器の下流側に設置された酸化触媒は、燃料反応器から排出される未燃の一酸化炭素を燃焼して、二酸化炭素へと変化させている。 【0003】 非特許文献1に記載された技術では、燃料塔で発生する金属の還元反応が吸熱反応であり、吸熱反応によって失われる熱量を燃料塔の外部ヒータで補っている。また、金属を酸化させる酸化塔から燃料塔までの間と、燃料塔から酸化塔までの間とに、ループシールが配置されている。ループシール内には、金属粒子の流動化のために水蒸気が供給されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 特表2013-522149号公報 【非特許文献】 【0005】 Carl Linderholm, et al. "160h of chemical-looping combustion in a 10kW reactor system with a NiO-based oxygen carrier." International Journal of Greenhouse Gas Control Volume 2, issue 4, October 2008, Pages 520-530 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 非特許文献1に記載された技術では、燃料塔内の吸熱反応で失われる熱量を外部ヒータの加熱で補っているため、放熱損失が大きい。また、ループシール内に供給する水蒸気の生成にエネルギを要する。そのため、ケミカルルーピング燃焼システムの全体のエネルギ効率をさらに向上させたいという要望があった。なお、特許文献1には、燃料反応器内で失われる熱量の補填やループシールについて言及されていない。 【0007】 本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ケミカルルーピング燃焼システム全体のエネルギ効率を向上させることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。 【0009】 (1)本発明の一形態によれば、ケミカルルーピング燃焼システムが提供される。このケミカルルーピング燃焼システムは、金属粒子を酸化させる酸化塔と、水素と、炭素を含む化合物とが燃料として供給されると共に、前記酸化塔から酸化された金属粒子が供給され、前記燃料を用いて金属粒子を還元する燃料塔と、を備える。 【0010】 この構成によれば、燃料塔内では、酸化した金属粒子を、燃料としての炭素を含む化合物が還元することにより吸熱反応が発生する。一方で、炭素を含む化合物に加えて燃料塔に供給される水素が、酸化した金属粒子を還元することにより弱発熱反応が発生する。そのため、炭素を含む化合物が金属粒子を還元することによる吸熱反応により失う熱量の全てまたは一部を、水素が金属粒子を還元することによる弱発熱反応の熱量で補うことができる。本構成では、燃料塔内を弱発熱反応により直接加熱するため、例えば、外部からヒータなどで燃料塔内を加熱する場合と比較して放熱損失が少ない。この結果、燃料として炭素を含む化合物のみが燃料塔に供給された場合よりも、システム全体のエネルギ効率が向上する。 (【0011】以降は省略されています)
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