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公開番号2024143471
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056180
出願日2023-03-30
発明の名称BOG燃焼装置
出願人三浦工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F23G 7/06 20060101AFI20241003BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】液化ガス貯蔵タンクT1内を窒素ガス等の不活性ガスに置換する場合にBOGと不活性ガスとの混合ガスの焼却処理を行うBOG燃焼装置であって、置換作業時に完全に不活性ガスに置換されると、不活性ガスパージの完了を検出し燃焼を停止するBOG燃焼装置を提供する。
【解決手段】BOG燃焼装置1は、制御部71と、排ガスの酸素濃度を検知する酸素濃度検知部81と、を備え、制御部71は、排ガスの酸素濃度が所定値になるように、燃焼装置に供給する燃焼用空気の量を制御する燃焼用空気量制御部711と、不活性ガス混合BOG燃料が不活性ガスに置換されたか否かを判定する不活性ガス混合判定部712と、不活性ガス混合判定部712により不活性ガス混合BOG燃料が不活性ガスに置換されたと判定された場合に、燃焼装置2の燃焼を停止する燃焼停止部713と、を備える。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
燃焼装置と、
液化ガス貯蔵タンクの不活性ガス(窒素)パージ実行時に排出される不活性ガス(窒素)が混合されたBOGを前記燃焼装置に供給するBOG供給ラインと、
前記燃焼装置に前記不活性ガス(窒素)混合BOGの燃焼を支燃する液体燃料を供給する液体燃料供給ラインと、
前記燃焼装置に燃焼用空気を供給する送風機と、
前記送風機と前記燃焼装置とを接続する空気供給ラインとに
前記不活性ガス(窒素)が混合された不活性ガス混合BOGと前記液体燃料の混焼によって生じる排ガスを前記燃焼装置から排出する排ガス排出部と、
前記排ガス排出部に配置され、前記排ガスの酸素濃度を検知する酸素濃度検知部と、
前記燃焼装置に供給する燃焼用空気量を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記酸素濃度検知部により検知された排ガスの酸素濃度が所定値になるように、前記燃焼装置に供給する燃焼用空気量を制御する燃焼用空気量制御部と、
前記不活性ガス混合BOGにおける不活性ガスの混合を判定する不活性ガス混合判定部と、
前記不活性ガス混合判定部により前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定された場合に、前記燃焼装置の燃焼を停止する燃焼停止部と、
を備える、BOG燃焼装置。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記空気供給ラインに配置され、前記燃焼用空気量を調整可能なダンパを備え、
前記燃焼用空気量制御部は、前記燃焼用空気量制御部の制御値である前記ダンパの開度を制御することで前記燃焼用空気量を制御し、
前記不活性ガス混合判定部は、前記ダンパの開度が規定時間以上、一定範囲内で変動する状態が続く条件を満足する場合、前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定する、
請求項1に記載のBOG燃焼装置。
【請求項3】
前記送風機は、ファン及びこのファンを回転させるモータを有する送風機本体と、ファンの回転数を増減させるインバータと、を備え、
前記燃焼用空気量制御部は、前記燃焼用空気量制御部の制御値である前記インバータが出力する周波数を制御することで、前記燃焼用空気量を制御し、
前記不活性ガス混合判定部は、前記インバータが出力する周波数が規定時間以上、一定範囲内で変動する状態が続く条件を満足する場合、前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定する、
請求項1に記載のBOG燃焼装置。
【請求項4】
前記BOG供給ラインに配置され、前記不活性ガス混合BOGの発熱量を検出する熱量計を備え、
前記不活性ガス混合判定部は、前記熱量計により検出される前記不活性ガス混合BOGの発熱量が所定値以下の状態となる条件を満足する場合、前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定する、
請求項1に記載のBOG燃焼装置。
【請求項5】
前記燃焼停止部は、
前記不活性ガス混合判定部により前記不活性ガス混合BOGが気化した液化ガスに置換されたと判定された場合に、前記燃焼装置の燃焼を停止する、
請求項1に記載のBOG燃焼装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液化ガス貯蔵タンクの定期検査時、又はメンテナンス時等において、液化ガス貯蔵タンクに徐々に不活性ガス(例えば窒素)を混入し、不活性ガス含有率を0%から100%になるまで不活性ガスパージ作業を実施する際に排出される不活性ガスが混合されたBOG(以下、「不活性ガス混合BOG」又は単位「混合ガス」ともいう)の焼却処理を行うBOG燃焼装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
液化ガス貯蔵タンク内を窒素ガス等の不活性ガスに置換する際に排出される不活性ガス混合BOGに含まれるBOG(Boil_Off_Gas)の主成分であるメタン(CH4)の地球温暖化係数は二酸化炭素の25倍であり、ガス燃料船に対する国際基準であるIGFコードはBOGの大気放出を禁止されている。このため、液化ガス貯蔵タンクの定期検査時、又はメンテナンス時等において、液化ガス貯蔵タンク内を窒素ガス等の不活性ガスに置換する場合、環境負荷が低い方法で不活性ガス混合BOGを燃焼処理することで、メタンガス大気排出セロ、環境負荷を軽減することがなされており、不活性ガス混合BOGの焼却処理を行うBOG燃焼装置(Gas Combustion Unit)、又はGCUモードを備えたボイラが知られている(例えば、特許文献1参照)。以下、GCUモードを含めてBOG燃焼装置という。
不活性ガス混合BOGを燃焼するBOG燃焼装置は、油燃焼の支燃により不活性ガス割合が高い混合ガスを例えば不活性ガスが100%になるまで燃焼可能となっている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
不活性ガスパージ作業中に発生するメタン等の天然ガス成分と不活性ガスの混合ガス(不活性ガス混合BOG)を燃焼するBOG燃焼装置は、油燃焼の支燃により不活性ガス割合が高い混合ガスを燃焼可能となっている。この混合ガスは作業開始時には天然ガス成分の割合が高いが、不活性ガスを徐々に混合させることで不活性ガスの割合が徐々に高くなり、完全に不活性ガスに置換されることで不活性ガスパージ作業完了となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-65883号公報
【非特許文献】
【0005】
LNG燃料船用ガス油同時混焼バーナおよびガス燃焼ユニットの開,日本マリンエンジニアリング学会誌第56巻第2号(2021),石本久志、佐藤賢治,安本雅之,安田裕文,[online],[令和5年2月9日検索],インターネット<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime/56/2/56_180/_article/-char/ja/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不活性ガス混合BOGは作業開始時には天然ガス成分の割合が高いが、徐々に不活性ガスの割合が高くなり、完全に不活性ガスに置換されると、不活性ガスパージ作業は完了となる。他方、不活性ガス混合BOGを燃焼する装置は、油燃焼の支燃により不活性ガス割合が高い混合ガスを燃焼可能となっており、完全に不活性ガスに置換された後でも燃焼を継続することができる。例えば、GCUモードでは混合ガス焼却目的のために余剰蒸気を常に排出しており、従来のように蒸気圧力で自動停止しないため、不活性ガスパージが完了した後も無駄に油を消費して燃焼し続けてしまう。
この点、火炎を例えば船員が目視確認することで、不活性ガスパージ完了を検出するという方法が一例としてあげられる。しかしながら、ガス燃料割合の低い領域では輝炎となり、どの程度、不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたか、置換の程度を判断することは困難であった。
このため、不活性ガスパージ完了を検出し、速やかに燃焼を停止するBOG燃焼装置が望まれている。
【0007】
本発明は、例えば液化ガス貯蔵タンクの定期検査時又はメンテナンス時等において、液化ガス貯蔵タンク内に窒素ガス等の不活性ガスを徐々に混入して100%不活性ガスに置換する不活性ガスパージ作業中に排出される不活性ガス(窒素)の混合したBOGを大気に放出しないように、前記混合ガスを油燃焼の支燃により焼却処理するとともに、完全に不活性ガスに置換されると、不活性ガスパージの完了を検出し、燃焼を停止することで、不活性ガスパージが完了した後も無駄に油を消費して燃焼し続けないようにするBOG燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、燃焼装置と、液化ガス貯蔵タンクの不活性ガス(窒素)パージ実行時に排出される不活性ガス(窒素)が混合されたBOGを前記燃焼装置に供給するBOG供給ラインと、前記燃焼装置に前記不活性ガス(窒素)混合BOGの燃焼を支燃する液体燃料を供給する液体燃料供給ラインと、前記燃焼装置に燃焼用空気を供給する送風機と、前記送風機と前記燃焼装置とを接続する空気供給ラインとに前記不活性ガス(窒素)が混合された不活性ガス混合BOGと前記液体燃料の混焼によって生じる排ガスを前記燃焼装置から排出する排ガス排出部と、前記排ガス排出部に配置され、前記排ガスの酸素濃度を検知する酸素濃度検知部と、前記燃焼装置に供給する燃焼用空気量を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記酸素濃度検知部により検知された排ガスの酸素濃度が所定値になるように、前記燃焼装置に供給する燃焼用空気量を制御する燃焼用空気量制御部と、前記不活性ガス混合BOGにおける不活性ガスの混合を判定する不活性ガス混合判定部と、前記不活性ガス混合判定部により前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定された場合に、前記燃焼装置の燃焼を停止する燃焼停止部と、を備える、BOG燃焼装置に関する。
【0009】
前記BOG燃焼装置において、前記空気供給ラインに配置され、前記燃焼用空気量を調整可能なダンパを備え、前記燃焼用空気量制御部は、前記燃焼用空気量制御部の制御値である前記ダンパの開度を制御することで前記燃焼用空気量を制御し、前記不活性ガス混合判定部は、前記ダンパの開度が規定時間以上、一定範囲内で変動する状態が続く条件を満足する場合、前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定するようにしてもよい。
【0010】
前記BOG燃焼装置において、前記送風機は、ファン及びこのファンを回転させるモータを有する送風機本体と、ファンの回転数を増減させるインバータと、を備え、前記燃焼用空気量制御部は、前記燃焼用空気量制御部の制御値である前記インバータが出力する周波数を制御することで、前記燃焼用空気量を制御し、前記不活性ガス混合判定部は、前記インバータが出力する周波数が規定時間以上、一定範囲内で変動する状態が続く条件を満足する場合、前記不活性ガス混合BOGが不活性ガスに置換されたと判定するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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