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公開番号
2024131663
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023042074
出願日
2023-03-16
発明の名称
溶鋼の製造方法およびアーク炉
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C21C
5/52 20060101AFI20240920BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】アーク炉内の溶鉄に対して酸素噴流を噴射するとともに副原料を供給した場合に、目的とする反応を効率的に生じさせることが可能な、溶鋼の製造方法を開示する。
【解決手段】本開示の溶鋼の製造方法は、送酸手段と副原料供給手段とを備えるアーク炉を用いて溶鋼を製造する方法であって、前記送酸手段から前記アーク炉内の溶鉄へと酸素噴流を噴射するとともに、前記副原料供給手段から前記溶鉄の表面の位置Pに向けて副原料を供給すること、を含み、前記位置Pが、前記酸素噴流と前記溶鉄との衝突面の外側の位置であることを特徴とするものである。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
送酸手段と副原料供給手段とを備えるアーク炉を用いて溶鋼を製造する方法であって、
前記送酸手段から前記アーク炉内の溶鉄へと酸素噴流を噴射するとともに、前記副原料供給手段から前記溶鉄の表面の位置Pに向けて副原料を供給すること、を含み、
前記位置Pが、前記酸素噴流と前記溶鉄との衝突面の外側の位置である、
溶鋼の製造方法。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記副原料が炭材である、
請求項1に記載の溶鋼の製造方法。
【請求項3】
以下の関係(1)が満たされる、
請求項1又は2に記載の溶鋼の製造方法。
TIFF
2024131663000008.tif
13
54
ここで、
rは、前記酸素噴流の中心軸と前記溶鉄の表面との交点Oから、前記位置Pまでの距離(m)であり、
W
m
は、前記溶鉄の重量(t)である。
【請求項4】
溶鉄を処理するアーク炉であって、少なくとも1つの送酸手段と、少なくとも1つの副原料供給手段とを備え、
前記送酸手段は、前記アーク炉内の前記溶鉄の表面に向かって酸素噴流を噴射するように構成され、
前記副原料供給手段は、前記アーク炉内の前記溶鉄の表面の位置Pに向けて副原料を供給するように構成され、かつ、前記位置Pが前記酸素噴流と前記溶鉄との衝突面の外側の位置となるように構成される、
アーク炉。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願は、アーク炉を用いて溶鋼を製造する方法およびアーク炉を開示する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アーク炉内の溶鉄に浸漬ランスを浸漬させて、当該浸漬ランスから炭材を吹き込み、かつ、溶鉄の表面に生成するスラグ中に酸素を吹き込む技術が開示されている。特許文献1においては、アーク炉において溶鉄中の炭素濃度が高めたうえで、当該溶鉄をアーク炉から出湯し、その後、転炉で精錬を行うことで、溶鋼を製造している。転炉での精錬においては、例えば、酸素噴流を利用した脱炭反応によってCOガス等を発生させ、当該COガス等によって脱窒を進行させる。
【0003】
一方で、アーク炉において上記の脱窒を行うこともあり得る。例えば、アーク炉内の溶鉄に対して酸素と炭材とを同時に供給することで、上記の脱窒が可能と考えられる。しかしながら、アーク炉内での脱窒については、十分な検討がなされていないのが現状である。尚、アーク炉においては、主にスラグフォーミングの促進等を目的として、酸素と炭材との同時吹込みが実施される場合がある。この場合、酸素噴流に炭材を合流させ、炭素と酸素とを溶鉄の一か所に集中的に供給することにより、スラグ中で確実にCOガスを発生させ、スラグのフォーミング状態を安定化させることが一般的である。
【0004】
また、アーク炉内の溶鉄に対して、酸素と炭材以外の副原料とを同時に供給することもあり得る。炭材以外の副原料としては、Ca含有材(石灰等)、Si含有材(珪砂等)、Al含有材(カルシウムアルミネート等)、Mg含有材(マグネシア等)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-145393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者の知見によると、アーク炉内の溶鉄に対して、酸素噴流と同伴させるように副原料を供給した場合、目的とする反応の効率が低下し易い。例えば、アーク炉内で溶鉄の脱窒を行う際、酸素噴流に炭材を合流させ、炭素と酸素とを溶鉄の一か所に集中的に供給した場合、十分な脱窒効率が得られない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題を解決するための手段の一つとして、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
送酸手段と副原料供給手段とを備えるアーク炉を用いて溶鋼を製造する方法であって、
前記送酸手段から前記アーク炉内の溶鉄へと酸素噴流を噴射するとともに、前記副原料供給手段から前記溶鉄の表面の位置Pに向けて副原料を供給すること、を含み、
前記位置Pが、前記酸素噴流と前記溶鉄との衝突面の外側の位置である、
溶鋼の製造方法。
<態様2>
前記副原料が炭材である、
態様1の溶鋼の製造方法。
<態様3>
以下の関係(1)が満たされる、
態様1又は2の溶鋼の製造方法。
TIFF
2024131663000002.tif
13
54
ここで、
rは、前記酸素噴流の中心軸と前記溶鉄の表面との交点Oから、前記位置Pまでの距離(m)であり、
W
m
は、前記溶鉄の重量(t)である。
<態様4>
溶鉄を処理するアーク炉であって、少なくとも1つの送酸手段と、少なくとも1つの副原料供給手段とを備え、
前記送酸手段は、前記アーク炉内の前記溶鉄の表面に向かって酸素噴流を噴射するように構成され、
前記副原料供給手段は、前記アーク炉内の前記溶鉄の表面の位置Pに向けて副原料を供給するように構成され、かつ、前記位置Pが前記酸素噴流と前記溶鉄との衝突面の外側の位置となるように構成される、
アーク炉。
【発明の効果】
【0008】
本開示の溶鋼の製造方法及びアーク炉によれば、アーク炉内の溶鉄に対して酸素噴流を噴射するとともに副原料を供給した場合に、目的とする反応を効率的に生じさせることができる。例えば、溶鉄に対して酸素噴流を噴射するとともに副原料としての炭材を供給した場合、溶鉄が効率的に脱窒され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
アーク炉を上から見た場合の各部材の位置関係の一例を概略的に示している。
アーク炉を横から見た場合の送酸手段と副原料供給手段との位置関係の一例を概略的に示している。上部電極等は省略して示している。
酸素噴流と副原料供給位置との位置関係の一例を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.溶鋼の製造方法
図面を参照しつつ、本開示の溶鋼の製造方法について説明する。ただし、本開示の溶鋼の製造方法は、図示される形態に限定されるものではない。図1~3に示されるように、一実施形態に係る溶鋼の製造方法は、送酸手段20と副原料供給手段30とを備えるアーク炉100を用いて溶鋼を製造する方法であって、前記送酸手段20から前記アーク炉100内の溶鉄10へと酸素噴流21を噴射するとともに、前記副原料供給手段30から前記溶鉄10の表面の位置Pに向けて副原料31を供給すること、を含む。ここで、前記位置Pは、前記酸素噴流21と前記溶鉄10との衝突面の外側の位置である。
(【0011】以降は省略されています)
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