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公開番号
2024129646
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-27
出願番号
2023038979
出願日
2023-03-13
発明の名称
粉末成形装置および粉末成形体の製造方法
出願人
小林工業株式会社
代理人
デロイトトーマツ弁理士法人
主分類
B30B
11/02 20060101AFI20240919BHJP(プレス)
要約
【課題】球状成形体(または赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体)に付随する環状成形体の除去工程に要するコストの低減を図りうる粉末成形体の製造方法等を提供する。
【解決手段】上パンチ10および下パンチ20のそれぞれの加圧面が、半球面、または赤道からθ
11
、θ
21
=0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面により構成されている第1加圧面S
11
、S
21
と、第1加圧面S
11
、S
21
の外周縁部に連続する環状の第2加圧面S
12
、S
22
と、により構成されている。上パンチ10および下パンチ20のうち少なくとも一方のパンチの第2加圧面S
12
、S
22
が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで当該半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
上パンチと、下パンチと、前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれが上下のそれぞれから挿入される貫通孔を有する成形ダイと、を備えている粉末成形装置であって、
前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれの加圧面が、
半球面もしくは球帯、または、赤道から0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面もしくは球帯により構成されている第1加圧面と、
前記第1加圧面の外周縁部に連続する環状の第2加圧面と、を有し、
前記上パンチおよび前記下パンチのうち少なくとも一方のパンチの前記第2加圧面が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで前記半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている
粉末成形装置。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の粉末成形装置において、
前記第2加圧面の内周縁部が、前記半球面の赤道を含む平面に対してなす角度が、20°~85°の角度範囲に含まれている
粉末成形装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の粉末成形装置において、
前記下パンチが、前記第1加圧面の内側部分を加圧面の少なくとも一部とする内側下パンチと、前記第1加圧面の外側部分および前記第2加圧面を加圧面とする前記内側下パンチを取り囲む外側下パンチと、により構成されている。
粉末成形装置。
【請求項4】
請求項3に記載の粉末成形装置において、
前記上パンチが、前記第1加圧面の内側部分を加圧面の少なくとも一部とする内側上パンチと、前記第1加圧面の外側部分および前記第2加圧面を加圧面とする前記内側上パンチを取り囲む外側上パンチと、により構成されている粉末成形装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記成形ダイおよび前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記下パンチにより画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記下パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記下パンチを前記成形ダイに対して上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に下方に位置させ、前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記外側下パンチの内側面および前記内側下パンチの加圧面により画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させ、かつ、前記下パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面に相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記内側下パンチおよび前記外側下パンチを相対的に変位させることにより、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に下方に位置させ、前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記外側下パンチの内側面および前記内側下パンチの加圧面により画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させ、前記下パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面に相対的に接近させ、かつ、前記上パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側上パンチの加圧面を前記外側上パンチの加圧面に相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記内側下パンチおよび前記外側下パンチを相対的に変位させることにより、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を用いて粉末成形体を作製する技術に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ボールベアリング用のボールなどとして用いられる球状の焼結体を得るため、下パンチおよび成形ダイによって形成された空間に原料粉末を充填し、当該空間に充填された原料粉末を上パンチおよび下パンチによって加圧して、略球状の粉末成形体を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。球状の粉末成形体の中央部および外周部の密度差を低減するため、下パンチ(および上パンチ)を構成する内側パンチおよびこれを取り囲む外側パンチのそれぞれの加圧面の位置を原料粉末充填時にずらしておき、粉末加圧時に揃える方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6100556号公報
特開2021-154674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、粉末成形体は、上パンチおよび下パンチのそれぞれの略半球面状の加圧面に由来する球状成形体と、上パンチおよび下パンチのそれぞれの加圧面の外周縁部の間隙に由来する、当該球状成形体と一体となってその赤道付近に沿って環状に延在する環状成形体と、により構成されている。このため、球状の焼結体を得るためには、球状成形体から環状成形体を除去するための工程が必要になり、その工程に要するコストがかさむ可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、球状成形体(または赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体)に付随する環状成形体の除去工程に要するコストの低減を図りうる粉末成形体の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粉末成形装置は、
上パンチと、下パンチと、前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれが上下のそれぞれから挿入される貫通孔を有する成形ダイと、を備えている粉末成形装置であって、
前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれの加圧面が、
半球面もしくは球帯、または、赤道から0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面もしくは球帯により構成されている第1加圧面と、
前記第1加圧面の外周縁部に連続する環状の第2加圧面と、を有し、
前記上パンチおよび前記下パンチのうち少なくとも一方のパンチの前記第2加圧面が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで前記半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている。
【0007】
本発明の粉末成形体の製造方法は、前記構成の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記成形ダイおよび前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記下パンチにより画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記下パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記下パンチを前記成形ダイに対して上昇させる成形体取り出し工程と、を含む。
【0008】
当該構成の粉末成形装置およびこれを用いた粉末成形体の製造方法によれば、成形ダイの貫通孔に上下から挿入された上パンチおよび下パンチにより粉末が加圧される。これにより、上パンチの加圧面、下パンチの加圧面および成形ダイの貫通孔の側面により画定される空間に、球状成形体(または赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体)および環状成形体により一体的に構成されている粉末成形体が存在している状態が実現される。
【0009】
少なくとも一方のパンチの第2加圧面が径方向外側にいくにつれて、第1加圧面に相当する半球面の赤道から遠ざかるように構成されている。このため、当該一体的な成形体において、第1加圧面および第2加圧面の環状の連続部分に相当する箇所、すなわち、球状成形および環状成形体の環状の連続部分に比較的大きな応力が残留している状態になる。
【0010】
成形体取り出し工程において、環状成形体を成形ダイの貫通孔の側面との圧接状態から少なくとも部分的に拘束したままにすることにより、成形ダイが環状成形体を拘束するような力が作用する。その結果、環状成形体が上パンチにより持ち上げられることなく、球状成形体を成形ダイから抜き出すとほぼ同時に環状成形体を球状成形体から離間させることができる。よって、環状成形体を球状成形体から除去する工程に要するコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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