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公開番号
2025041076
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-26
出願番号
2023148145
出願日
2023-09-13
発明の名称
天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法及び天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体
出願人
地方独立行政法人鳥取県産業技術センター
代理人
個人
主分類
C08J
3/20 20060101AFI20250318BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】 キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー、セルロースナノファイバー等の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法、及び、この製造方法により製造された天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体を提供する。
【解決手段】本発明の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法は、天然由来の微細材料の分散水溶液11と、界面活性剤12とを混合し、前記天然由来の微細材料と前記界面活性剤との混合溶液13を調製する工程10と、前記合成樹脂製の繊維体15に前記天然由来の微細材料と前記界面活性剤との混合溶液13を含浸又は塗布14した後に乾燥し、前記合成樹脂の繊維体に前記天然由来の微細材料が付着した複合繊維体17を形成する工程と、前記複合繊維体17を粉砕した後に、射出成形して天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体を形成する工程22と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法であって、
前記天然由来の微細材料の分散水溶液と、界面活性剤とを混合し、前記天然由来の微細材料と界面活性剤との混合溶液を調製する工程と、
合成樹脂製の繊維体に前記天然由来の微細材料と界面活性剤との混合溶液を含浸又は塗布した後に乾燥し、前記合成樹脂の繊維体に前記天然由来の微細材料が付着した複合繊維体を形成する工程と、
前記複合繊維体を粉砕した後に、押出成形して天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体を形成する工程と、
を備えることを特徴とする、天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法。
続きを表示(約 670 文字)
【請求項2】
前記天然由来の微細材料は、キチンナノファイバー、セルロースナノファイバー又はキトサンナノファイバーであることを特徴とする、請求項1に記載の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法。
【請求項3】
前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤であることを特徴とする、請求項1に記載の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法。
【請求項4】
前記合成樹脂製の繊維体は、熱可塑性樹脂製のものであることを特徴とする、請求項1に記載の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法。
【請求項5】
前記合成樹脂製の繊維体に前記天然由来の微細材料と界面活性剤との混合溶液を含浸又は塗布した後に乾燥する工程を複数回繰り返すことを特徴とする、請求項1に記載の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法。
【請求項6】
前記合成樹脂の繊維体に前記天然由来の微細材料が付着した複合繊維体を粉砕した後に、ペレット化し、その後に射出成形して天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体を形成する工程を有することを特徴とする、請求項1に記載の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法によって製造された合成樹脂と天然由来の微細材料との複合体であって、前記天然由来の微細材料が偏平状繊維体として存在していることを特徴とする、合成樹脂と天然由来の微細材料との複合体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバー、セルロースナノファイバー等の天然由来の微細材料と合成樹脂との複合体の製造方法、及び、この製造方法により製造された天然由来の微細材料が偏平状繊維体となって含まれている合成樹脂との複合体に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、カーボンニュートラルの実現に向け種々の技術が開発されており、再生可能なバイオマスプラスチックや天然資源の利用による石油由来プラスチックの削減も推進されている。その取組の一つとして、甲殻類由来のキチンナノファイバー(以下「キチンNF」ということがある。)や植物由来のセルロースナノファイバー(以下「CNF」ということがある。)などの天然由来の微細材料を樹脂に添加し、石油由来材料の削減、熱による樹脂の寸法変化抑制や強度向上などが行われている。また、天然由来の微細材料として、キチンNFを脱アセチル化することで得られるキトサンナノファイバー(以下「キトサンNF」ということがある。)も知られており、キチンNFやキトサンNFは高い生体適合性を備えているため、医療・医薬業界では多大な期待がかけられている。
【0003】
一般的に、樹脂と添加剤を複合化する際は溶融混練が行われており、この溶融混練は、工程数が少なく、連続処理が可能であるという利点を有している。しかし、水を含んでいる天然由来の微細材料をそのまま使用すると、混練時に凝集体が生じるため、分散性に課題が生じる。各種天然由来の微細材料は水に分散した状態で販売されているため、溶融混練前に乾燥が必要となるが、この乾燥時にも微細材料が凝集してしまう。
【0004】
このような各種天然由来の微細材料の樹脂成分中への分散性を改善するために、種々の技術の開発がなされている。たとえば、CNFは表面に水酸基が多数存在する極めて吸水性の高い素材であるため、非特許文献1に開示されている京都プロセスでは、CNFをアセチル化することにより疎水化変性し、この疎水化変性CNFを二軸押出機によって熱溶融した樹脂中で混練する方法が開示されている。この京都プロセスによれば、疎水化変性CNFが樹脂との溶融混練中に解繊されるため、樹脂中に均一に分散した複合材料が得られるようになる。また、非特許文献2には、水分を含む微細材料の乾燥時の凝集を防ぐために、微細材料が分散した水溶液にt-ブタノールを加えて混合後、遠心分離機に供し、沈殿物を回収するという工程を10回程度繰り返し行い、さらに、凍結乾燥を行うことにより、微細材料の乾燥粉末を得る方法が開示されている。この方法では、充分な乾燥には1週間以上の減圧が好ましいとされ、1回の処理に長時間を要するという課題がある。
【0005】
また、非特許文献3には、キトサンNFのアミノ基を利用し、キトサンNFの水溶液にエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDG)を添加して回転ディスクミル処理して解繊し、凍結乾燥後に硬化剤のトリエチレンテトラミンを加えて加熱することにより、キトサンNF-エポキシ樹脂複合材料を製造した例が示されている。さらに、非特許文献4には、CNFの水分散液中にポリグリセリン脂肪酸エステルを界面活性剤として添加してCNFの表面を部分的に疎水性化した後、ポリプロピレン(以下、「PP」ということがある。)とともに溶融混練し、さらに射出成形することによりPP/CNF複合樹脂からなる試験片を製造した例が示されている。また、非特許文献5には、CNF水分散液をスプレードライヤーにより噴霧乾燥し、ポリ乳酸(以下、「PLA」と言うことがある。)とともにラボトラストミル及び二軸押出混練機を用いて混練し、PLA中にCNFが分散した複合材料を製造した例が示されている。
【0006】
さらに、特許文献1には、微細セルロース(CNF)の水分散体を有機溶媒中で解繊処理を行ってCNFの有機溶媒分散体を得た後、このCNF有機溶媒分散体中の有機溶媒を水に置換することによりCNFの水分散体を得、さらに、CNFの水分散体と熱可塑性樹脂の粒子とを混合し、次いで乾燥させて微粉末化された複合粒子を回収する方法が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、(A)セルロースナノファイバー(CNF)から調整されたCNF乾燥体と、(B)酸変性ポリプロピレンと、(C)ポリオレフィン系樹脂とを有する樹脂組成物において、前記CNF乾燥体は、木材パルプ、コットン、リンター、麻、バクテリアセルロース、柔細胞繊維のいずれかひとつを原料とする、結晶形がI型のセルロースであること、有機成分として、水、エタノールまたは、メタノールの水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤、またはこれらの混合物を、前記CNF乾燥体の乾燥重量の0.05~30質量%含有されること、重合度(銅エチレンジアミン溶液を用いた粘度法による)が100以上1,500以下であること、を満たすCNF乾燥体であり、前記CNF乾燥体の充填量が樹脂組成物全体の5質量%以下の配合で、引張破断伸びが600%以上であり、破断時の引張強度が30MPa以上であることを特徴とする樹脂組成物の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-155750号公報
特許第6889358号公報
特許第4370416号公報
【非特許文献】
【0009】
京都プロセスの紹介[令和5年8月12日検索]、〈http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/labm/wp-content/uploads/2012/07/cf1b30a5725ce3fd0d110d3376a0d314.pdf〉
セルロース材料グループ アルコール置換によるナノセルローススラリーの凍結乾燥方法[令和5年8月12日検索]、〈https://unit.aist.go.jp/ischem/ischem-clm/technical_point/technical_point3.html〉
「プラスチック成形加工学会第32回年次大会」予稿集C-212
「プラスチック成形工学会第32回年次大会」予稿集F-205
「マテリアルライフ学会誌」Vol.28, No.1, p.12-21
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらの非特許文献1~5、特許文献1及び2に開示されている各種微細材料と樹脂との複合化方法によれば、各種微細材料が樹脂中に良好に分散した微細材料複合樹脂が得られるが、それぞれ各種微細材料の化学修飾処理ないし分離乾燥処理が必要であり、製造工程が煩雑となる。なお、上記非特許文献1には、CNFの水性懸濁液から直接CNFのシートを作製し、このCNFのシートに樹脂を含浸して圧縮成形してCNF-樹脂複合材料を作製する方法も開示されており、これによれば熱硬化性樹脂も使用できること、透明フィルム化も可能であるという利点を有するが、液状樹脂に限定されること及び連続成形が困難であるという課題が存在している。
(【0011】以降は省略されています)
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