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公開番号2025090607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2025025143,2021555181
出願日2025-02-19,2020-03-27
発明の名称グルコース感受性インスリン誘導体
出願人ノヴォ ノルディスク アー/エス
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 14/62 20060101AFI20250610BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明が解決しようとする課題は、生理学的血糖値内でグルコース感受性が高められたインスリン誘導体を提供することである。
【解決手段】本発明は、新規のインスリン誘導体、および糖尿病に関連する医学的状態の治療または予防におけるそれらの使用に関する。インスリン誘導体は、グルコース感受性であり、グルコース感受性アルブミン結合を示す。本発明はまた、新規の中間体に関する。最後に、本発明は、本発明のインスリン誘導体を含む医薬組成物、および糖尿病に関連する医学的状態の治療または予防におけるかかる組成物の使用を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
化合物であって、
i)ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体と、
ii)2つ以上の修飾基Mであって、前記修飾基Mの各々が、2つのアリール部分を含み、ホウ素原子が、前記2つのアリール部分の各々に付着しており、
前記2つ以上の修飾基Mの各々が、任意選択でスペーサーを介して、前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体のA鎖もしくはB鎖のN末端アミノ酸残基のアミノ基、または前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体中のリジンのイプシロンアミノ基に付着しており、
前記修飾基Mの各々が独立して、
JPEG
2025090607000419.jpg
33
170
であって、
D-またはL-アミノ酸形態を表し、
式中、nが、1~4の範囲の整数を表し、
W1が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への付着点*を表すか、あるいはW1が、
NH-CH

-C(=O)-*、
NH-CH

CH

-C(=O)-*、
NH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態、
NH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-NH-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態、または
NH-CH

CH

-C(=O)-NH-(CH



-O-(CH



-O-CH

-CO-*を表し、
式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、
R1が、
JPEG
2025090607000420.jpg
76
170
から選択され、
式中、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、およびY6が独立して、H、F、Cl、CHF

、およびCF

から選択される、式M1、
JPEG
2025090607000421.jpg
32
170
であって、
式中、W2が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への付着点*を表すか、あるいはW2が、NH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態、またはNH-CH

CH

CH

-C(=O)-*を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、
R2が、
JPEG
2025090607000422.jpg
76
170
から選択され、
式中、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、およびY12が独立して、H、F、Cl、CHF

、およびCF

から選択される、式M2、
続きを表示(約 7,000 文字)【請求項2】
前記修飾基Mの各々が独立して、
JPEG
2025090607000432.jpg
33
170
であって、
D-またはL-アミノ酸形態を表し、式中、nが、1であり、
W1が、NH-CH

CH

-C(=O)-*、またはNH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、
R1が、
JPEG
2025090607000433.jpg
42
170
であり、
式中、Y1およびY2が、Hであり、Y3が、FまたはCF

である、式M1、
JPEG
2025090607000434.jpg
32
170
であって、
式中、W2が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点*を表すか、またはW2が、NH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、
式中、R2が、
JPEG
2025090607000435.jpg
42
170
であり、
式中、Y7およびY8が、Hであり、Y9が、Cl、CHF

、またはCF3である、式M2、
JPEG
2025090607000436.jpg
76
170
であって、
式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、Y15が、Hであり、Y16が、Fである、式M4、
JPEG
2025090607000437.jpg
58
170
であって、
式中、W3が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点*を表すか、またはW3が、NH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点を表す、式M7、
JPEG
2025090607000438.jpg
41
170
であって、
式中、W4が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点*を表すか、またはW4が、NH-CH

-C(=O)-*を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、Y19が、CF3である、式M8、ならびに
JPEG
2025090607000439.jpg
45
170
であって、
式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、Y20、Y21、およびY22の各々が独立して、HおよびFから選択され、ただし、Y21がFである場合、Y20およびY22がHであり、Y21がHである場合、Y20およびY22がFであることを条件とする、式M9、の群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体が任意選択で、
a)前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記A鎖の前記C末端におけるペプチドスペーサーであって、
前記ペプチドスペーサーが、(GES)

Kを含み、式中、pが、3~12の整数である、ペプチドスペーサー、または
b)前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端におけるペプチドスペーサーもしくはリンカーLであって、
前記ペプチドスペーサーが、GKPG、GKP(G

S)

、KP(G

S)

、GKPRGFFYTP(G

S)

、もしくはTYFFGRKPD(G

S)

を含み、式中、q、r、s、およびtの各々が独立して、1~5の整数から選択される、ペプチドスペーサーもしくはリンカーL、の群から選択されるスペーサーを含み、
前記リンカーLが、
JPEG
2025090607000440.jpg
33
170
であって、
式中、*1が、前記修飾基Mに対する前記付着点を示し、*2が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端における前記アミノ酸残基の前記アミノ基への前記付着点を示す、式L1、
JPEG
2025090607000441.jpg
30
170
であって、
式中、*1が、前記修飾基Mに対する前記付着点を示し、*2が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖のN末端における前記アミノ酸残基の前記アミノ基への前記付着点を示し、
uが、1、2、または3である、式L2、および
JPEG
2025090607000442.jpg
30
170
であって、
式中、*1が、前記修飾基Mに対する前記付着点を示し、*2が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖のN末端における前記アミノ酸残基の前記アミノ基への前記付着点を示し、
vが、2または3である、式L3、から選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
qが、1~3から選択される整数であり、rが、3であり、sが、2であり、tが、3である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
各修飾基Mが、以下の群、
a)前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記A鎖の前記N末端アミノ酸残基の前記アミノ基、
b)前記ヒトインスリン類似体の前記A鎖の22位のリジンの前記イプシロンアミノ基、または
前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体の前記A鎖の前記C末端における前記任意選択のペプチドスペーサー中の前記リジンの前記イプシロンアミノ基、
c)前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端アミノ酸残基の前記アミノ基、
前記ヒトインスリン類似体の前記B鎖の1位もしくは4位のリジン残基の前記イプシロンアミノ基、
前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端における前記任意選択のペプチドスペーサー中のリジンの前記イプシロンアミノ基、または
前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端における前記任意選択のリンカーLの*1で印が付けられた前記末端アミノ基、および
d)前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖の22位または29位のリジンの前記イプシロンアミノ基、のうちの1つから選択される付着点に付着している、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
正確に2つ、3つ、または4つの修飾基Mを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体が、
desB30ヒトインスリン、
A21Q desB30ヒトインスリン、
A14E B25H desB30ヒトインスリン、
A14E B1K B2P B25H desB27 desB30ヒトインスリン、
A14E A22K B25H desB27 desB30ヒトインスリン、
A14E A22K B25H B27P B28G desB30ヒトインスリン、
A14E desB1-B2 B4K B5P desB30ヒトインスリン、
A14E desB1-B2 B3G B4K B5P desB30ヒトインスリン、
A14E B-1G B1K B2P desB30ヒトインスリン、
A22K desB30ヒトインスリン、
A22K B29R desB30ヒトインスリン、
A22K B22K B29R desB30ヒトインスリン、および
A-2K A-1P desB30 ヒトインスリン、の群から選択されるヒトインスリン類似体である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
i)ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体であって、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体が任意選択で、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端においてペプチドスペーサーを含み、
前記ペプチドスペーサーが、GKPG、GKP(G

S)

、KP(G

S)

、GKPRGFFYTP(G

S)

、またはTYFFGRKPD(G

S)

を含み、式中、qが、1~3の整数であり、rが、3であり、sが、2であり、tが、3である、ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体と、
ii)2つの修飾基Mであって、前記修飾基Mの各々が独立して、
JPEG
2025090607000443.jpg
33
170
であって、
D-またはL-アミノ酸形態を表し、式中、nが、1であり、W1が、NH-CH

CH

-C(=O)-*、またはNH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、
式中、R1が、
JPEG
2025090607000444.jpg
40
170
であり、
式中、Y1およびY2が、Hであり、Y3が、CF

である、式M1、
JPEG
2025090607000445.jpg
59
170
であって、
式中、W3が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点*を表すか、またはW3が、NH-CH(COOH)-CH

CH

-C(=O)-*の前記DもしくはL形態を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点を表す、式M7、
JPEG
2025090607000446.jpg
41
170
であって、
式中、W4が、存在せず、かつ前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点*を表すか、またはW4が、NH-CH

-C(=O)-*を表し、式中、*が、前記ヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、Y19が、CF3である、式M8、
JPEG
2025090607000447.jpg
44
170
であって、
式中、*が、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体への前記付着点を表し、Y20、Y21、およびY22の各々が独立して、HおよびFから選択され、ただし、Y21がFである場合、Y20およびY22がHであり、Y21がHである場合、Y20およびY22がFであることを条件とする、式M9、の群から選択され、
1つの修飾基Mが、前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖の29位のリジンの前記イプシロンアミノ基に付着しており、1つの修飾基Mが、
前記ヒトインスリン類似体の前記B鎖の1位もしくは4位のリジン残基の前記イプシロンアミノ基、または
前記ヒトインスリンまたはヒトインスリン類似体の前記B鎖の前記N末端における前記任意選択のペプチドスペーサーのリジンの前記イプシロンアミノ基、に付着している、2つの修飾基Mと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が、
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2025090607000448.jpg
117
170
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2025090607000449.jpg
76
170
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2025090607000450.jpg
85
170
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2025090607000451.jpg
68
170
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2025090607000452.jpg
90
170
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2025090607000453.jpg
97
170
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2025090607000454.jpg
92
170
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2025090607000455.jpg
90
170
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2025090607000456.jpg
114
170
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2025090607000457.jpg
105
170
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2025090607000458.jpg
119
170
、および
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2025090607000459.jpg
129
170
、の群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
中間生成物であって、
A14E desB1-B2 B4K B5P desB30ヒトインスリン(配列番号4および配列番号16)、
A14E desB1-B2 B3G B4K B5P desB30ヒトインスリン(配列番号4および配列番号17)、
A14E B-1G B1K B2P desB30ヒトインスリン(配列番号4および配列番号18)、
A22K B22K B29R desB30ヒトインスリン(配列番号6および配列番号20)、
A21Q(GES)3K desB30ヒトインスリン(配列番号8および配列番号11)、
A21Q(GES)6K desB30ヒトインスリン(配列番号9および配列番号11)、
A21Q(GES)12K desB30ヒトインスリン(配列番号10および配列番号11)、
B1-KPGGGGSGGGGSGGGGS desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号21)、
B1-KPGGGGSGGGGSGGGGS A14E B25H desB30ヒトインスリン(配列番号4および配列番号22)、
B1-GKPGGGGSGGGGSGGGGS desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号23)、
B1-GKPGGGGSGGGGS desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号24)、
B1-GKPGGGGS desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号25)、
B1-GKPG desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号26)、
B1-GKPRGFFYTPGGGGSGGGGS desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号27)、ならびに
B1-TYFFGRKPDGGGGSGGGGSGGGGS desB30ヒトインスリン(配列番号1および配列番号28)からなる群から選択される、中間生成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のインスリン誘導体、およびそれらの薬学的使用に関する。さらに、本発明は、かかるインスリン誘導体を含む医薬組成物、および糖尿病に関連する医学的状態の治療または予防のためのかかる化合物の使用に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
インスリンは、高血糖の治療に最も有効な薬物であるが、インスリン投与量は、生理学的グルコース範囲が狭いため、多すぎと少なすぎとの間の微妙なバランスである。健康な人は、絶食状態においてほぼ5mMのグルコースレベルを有し、糖尿病患者は、食事および基礎インスリン調製物の両方を投与してほぼ5mMを得ようと試みる。しかしながら、約3mM未満の血糖値(低血糖症)は、多くの場合、インスリン治療中に生じ、低血糖症は、不快感、意識を失う(loss of conciseness)、脳損傷、または死亡につながる可能性がある。したがって、糖尿病患者は、低血糖症を恐れて高いまたは中程度に高い血糖値を積極的に治療することに躊躇する。より高い血糖値のデポーからのみ活性であるかまたは放出され、より低い血糖値において不活性または弱く活性であるインスリン薬物が開発されると、糖尿病治療を助けることができるであろう。かかる目標は、1970年代以来、多くの論文において提案されてきたが(Brownlee et al.Science 1979,1190、Zaykov et al.Nature Rev.Drug Disc.2016,425)、ほとんどの場合、皮下デポーからグルコース依存的にインスリンを封入および放出するグルコース感受性ポリマーを介している。しかしながら、かかる系はゆっくりであり、したがって、例えば食後の血糖値を急速に変動させる治療には良くない。その結果、皮下グルコース感受性放出系は、臨床試験に達したことが一度もない。
【0003】
インスリン生物活性のグルコース感受性調整が血液中で行われる場合は、より良好である。この願いを叶えることができる1つのアプローチは、脂肪酸部分がアルブミン結合を引き起こす脂肪酸-モノボロネートインスリン誘導体との以前に記載されるようなグルコース感受性アルブミン結合であり得る(Novo Nordisk WO2011/000823、WO2014/093696、Chou et al.Proc.Nat.Acad.Sci.2015,2401)。これらの系におけるアルブミン相互作用の主な駆動力は、脂肪酸-モノボロネートインスリン誘導体(ボロネートではない)の脂肪酸部分から生じ、アルブミン親和性へのグルコースの影響は弱い。したがって、アルブミン結合のグルコース感受性を高めるために、グルコースによって直接移動するグルコース感受性アルブミン結合モチーフの必要がある。モノボロネートは、高いミリモル範囲までの培地中の親和性(Kd)で、グルコースおよび他の糖に結合することが知られている(Hansen et al.Sensors Actuators B 2012,45)。しかしながら、生理学的グルコースレベルにおいて適切なグルコース感受性を提供するために、グルコースに対する強い親和性が必要とされる。グルコース上のヒドロキシ基に対して適切な形状で配置された2つのボロネート/ボロキソールを有するジボロン化合物は、モノボロンに対するグルコース親和性の増加、すなわち、低いMm KdまたはサブmM Kdをもたらすことができる(Hansen et al.Sensors Actuators B 2012,45)。それらの研究の目的は、光グルコースセンサを作製することであったため、文献に記載されるほとんどのかかるジボロンは、蛍光プローブを含む。これらのプローブが光に感受性があり、有毒であり、かつ着色され得るため、蛍光プローブは、薬物候補において望ましくない。したがって、生理学的血糖値内でグルコース感受性が高められたインスリン誘導体が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2011/000823
WO2014/093696
WO2017/032798
【非特許文献】
【0005】
Brownlee et al.Science 1979,1190
Zaykov et al.Nature Rev.Drug Disc.2016,425
Chou et al.Proc.Nat.Acad.Sci.2015,2401
Hansen et al.Sensors Actuators B 2012,45
Andersen et al.2017 PLos One 12
Soos et al.1986 Biochem J.235,199-208
【発明の概要】
【0006】
最も広い態様では、本発明は、インスリン誘導体に関する。
【0007】
本発明の化合物は、驚くべきことに、アルブミン(HSA)およびグルコースの両方に結合することが見出され、HSA親和性は、グルコース感受性である。したがって、HSAの存在下でのヒトインスリン受容体(HIR)親和性もまた、グルコース感受性になる。HSA結合されたインスリンの分画は、HIRへの結合から遮蔽されるが、HSAからのグルコース促進放出は、インスリンの遊離分画を増加させ、したがってグルコースは、HIR親和性を高める。
【0008】
疑われるグルコース感受性アルブミン結合を有するすでに開示されたインスリン誘導体とは対照的に、本発明の化合物は、アルブミン結合の脂肪酸部分に依存しないが、グルコースによって直接移動するアルブミン結合モチーフを含み、アルブミン結合へのグルコースの影響の増加、したがってインスリンのグルコース感受性の増加をもたらす。
【0009】
アルブミン結合は、一般に、ペプチドおよびタンパク質系薬剤のインビボ半減期を延長することができる。長期の効果は、アルブミン結合分画が酵素分解および腎臓排出から保護される際に達成され、遊離部分のみが生物活性であり、したがってアルブミン結合分画の受容体媒介クリアランスを防止する。
【0010】
したがって、本発明の化合物は、グルコース濃度に依存したインスリン活性を示し、したがってグルコース感受性インスリン誘導体として機能する。
(【0011】以降は省略されています)

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