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公開番号2024128405
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037364
出願日2023-03-10
発明の名称熱伝導性シート、3次元構造体およびその製造法
出願人株式会社KRI
代理人
主分類C09K 5/14 20060101AFI20240913BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 一方向に配向した鱗片状六方晶窒化ホウ素粒子を高濃度に含む高熱伝導性シート、および前記シートを積層した高熱伝導性3次元構造体、ならびにそれらを大規模な設備がなくても製造できる方法の提供。
【解決手段】 本発明の熱伝導性シートは、鱗片状六方晶窒化ホウ素粒子とセルロースナノファイバーからなるシートであって、前記六方晶窒化ホウ素粒子を80~99重量%含有し、前記六方晶窒化ホウ素粒子のシート面内方向の配向度が0.8以上1未満であり、前記セルロースナノファイバーが極性基が導入されたセルロースナノファイバーである。また、本発明の熱伝導性3次元構造体は、前記熱伝導性シートを積層した3次元構造体であって、積層方向に垂直な方向の周期加熱法により測定した熱拡散率が5~30mm2/sである。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
鱗片状六方晶窒化ホウ素粒子とセルロースナノファイバーからなるシートであって、前記六方晶窒化ホウ素粒子を80~99重量%含有し、前記六方晶窒化ホウ素粒子のシート面内方向の配向度が0.8以上1未満であり、前記セルロースナノファイバーが極性基が導入されたセルロースナノファイバーである、熱伝導性シート。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記シートの周期加熱法により測定した面内方向の熱拡散率が15~55mm

/sである、請求項1に記載の熱伝導性シート。
【請求項3】
請求項1に記載の熱伝導性シートを積層した3次元構造体であって、積層方向に垂直な方向の周期加熱法により測定した熱拡散率が5~30mm

/sである、熱伝導性3次元構造体。
【請求項4】
前記シート間にセルロースナノファイバーまたは硬化性樹脂の硬化物からなる有機層を有する、請求項2に記載の熱伝導性3次元構造体。
【請求項5】
鱗片状六方晶窒化ホウ素粒子と極性基が導入されたセルロースナノファイバーからなるシートが積層した3次元構造体の製造方法であって、前記セルロースナノファイバーと前記窒化ホウ素粒子を混合した水分散液を基板にキャストまたはブレードコートした後、脱水処理してシートを作製する工程、前記シートを積層する工程および積層したシートを圧着する工程を含む、熱伝導性3次元構造体の製造方法。
【請求項6】
前記シートを圧着する工程の前にシートの少なくとも片面に前記セルロースナノファイバーの水分散液または硬化性樹脂を塗布または含浸する工程を含む、請求項4に記載の熱伝導性3次元構造体の製造方法。
【請求項7】
請求項3または請求項4に記載の熱伝導性3次元構造体のシート積層方向に平行な面が熱源となる面に接するように配置される前記熱伝導性3次元構造体の放熱または熱伝導材の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シート面内方向に配向した鱗片状六方晶窒化ホウ素粒子を高濃度に含む電気絶縁性熱伝導性シート、それを積層した電気絶縁性熱伝導性3次元構造体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
六方晶窒化ホウ素は、電気伝導性のない鱗片状の結晶粒子で、電子機器の放熱材用フィラーとして期待されている。六方晶窒化ホウ素の熱伝導率は、窒化ホウ素結晶のc軸方向が数W/(K・m)であるのに対し、結晶のa軸方向は~150W/(K・m)と著しく大きいため、この特徴を有効利用すべく、鱗片状粒子の面方向を熱伝導方向と同じ方向に揃えることが試みられている。
【0003】
例えば、六方晶窒化ホウ素と樹脂を混合後、プレスなどによって窒化ホウ素が面内配向したシートを作製し、これを積層した後、積層方向に裁断する方法(特許文献1~2、非特許文献1)、混練した窒化ホウ素と樹脂を第一のギャップを通して窒化ホウ素を流れ方向に配向させた後、第二のギャップにより面方向に略垂直な方向に折り畳みながら融着させる方法(特許文献3)などが開示されている。
【0004】
上記先行技術の製造方法では、樹脂中の窒化ホウ素粒子含有量が増すと粒子同士の接触頻度が増して粒子の動きが制限されるようになるため、窒化ホウ素粒子が配向し難くなる。つまり、窒化ホウ素粒子の含有量と配向を両立させることは困難という問題がある。また、製造工程が複雑なため、製造コストがかかる問題がある。
【0005】
熱伝導性粒子の含有量と配向を両立させる方法としては、膨張黒鉛をバインダレスでプレス成形してシート化する方法(特許文献4)が知られているが、物性の異なる窒化ホウ素ではバインダレスでシート化することは困難である。
【0006】
簡単な工程で窒化ホウ素が面内配向したシートを作製する方法として、ダイヤモンド粒子でコーティングされたセルロースナノファイバーと窒化ホウ素を含む水分散液から濾過や真空加熱プレスで溶媒を除く方法(特許文献5)が開示されている。しかし、得られるシートは多くの空隙を有しているためシート面方向の高い熱伝導率は期待できない。
【0007】
特許文献6では、表面がエステル化及び/又はエーテル化したセルロースナノファイバーと高濃度の窒化ホウ素を混合した液をキャスト法やコーティング法によってシート化して放熱シートを作製する方法が開示されている。だたし、窒化ホウ素のシート面内配向については言及されておらず、実施例のシートの面内方向の熱伝導率も特に高いものではないので、窒化ホウ素のシート面内配向度は低いと推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特公平6-38460号公報
特開平11-019948号公報
国際公開2016/031212号
特開2009-055021号公報
特開2021-21048号公報
特開2016-79202号公報
【非特許文献】
【0009】
清水紀弘「ネットワークポリマー」Vol.32,No.4,205-209頁(2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電気絶縁性を有するとともに一方向に配向した鱗片状六方晶窒化ホウ素粒子を高濃度に含む高熱伝導性シート、および、一方向に配向した高濃度の六方晶窒化ホウ素粒子を含有する高熱伝導性3次元構造体、ならびにそれらを大規模な設備がなくても製造できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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