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公開番号2024127544
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036760
出願日2023-03-09
発明の名称金の回収方法および金回収用溶液
出願人学校法人 関西大学,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人
主分類C22B 11/00 20060101AFI20240912BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】容易に行うことができ、かつ金の回収率の高い、金の回収方法と、該回収方法で用いられる、金回収用溶液を提供する。
【解決手段】金イオンを含む処理対象液から金を回収する方法であって、前記処理対象液とラダー型環状化合物をpH6以上の条件下で混合し、溶解したラダー型環状化合物を含む混合溶液を得る混合工程と、前記混合溶液を撹拌し、金含有析出物の析出した撹拌溶液を得る撹拌工程と、前記撹拌溶液から金含有析出物を回収する回収工程とを含む、金の回収方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金イオンを含む処理対象液から金を回収する方法であって、
前記処理対象液とラダー型環状化合物をpH6以上で混合し、溶解したラダー型環状化合物を含む混合溶液を得る混合工程と、
前記混合溶液を撹拌し、金含有析出物の析出した撹拌溶液を得る撹拌工程と、
前記撹拌溶液から金含有析出物を回収する回収工程と
を含む、金の回収方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記回収工程で、前記撹拌溶液をろ過し、前記金含有析出物の少なくとも一部をろ物として回収する、請求項1に記載の金の回収方法。
【請求項3】
前記ラダー型環状化合物は、下記の化学式(1)で示される化合物である、請求項1または2に記載の金の回収方法。
TIFF
2024127544000013.tif
72
97
上記化学式(1)において、全R

のうち、12個以上のR

はフェノール性水酸基であり、その他のR

は、炭素数1以上10以下のヘテロ原子を有していてもよい脂肪族化合物、芳香族化合物、脂環式化合物、およびハロゲンよりなる群から選択される1以上の置換基であり、それらは互いに同一でも、異なっていてもよい。
【請求項4】
前記ラダー型環状化合物は、下記の化学式(2)で示される化合物である、請求項1または2に記載の金の回収方法。
TIFF
2024127544000014.tif
69
95
【請求項5】
前記撹拌工程で、前記混合溶液を1時間以上撹拌する、請求項1または2に記載の金の回収方法。
【請求項6】
前記処理対象液は、金イオン濃度が10質量ppm以上である、請求項1または2に記載の金の回収方法。
【請求項7】
前記混合工程での、前記処理対象液に含まれる金イオンと前記ラダー型環状化合物の質量比は金イオン:ラダー型環状化合物=1:0.5以上である、請求項1または2に記載の金の回収方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載の金の回収方法に用いられる、溶解したラダー型環状化合物を含むpH6以上の金回収用溶液。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、金の回収方法および金回収用溶液に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
金は高価でかつ、資源に乏しいことから、金を含む廃棄物、例えば、めっき廃液、廃棄された電子部品等に含まれる金を回収する技術が提案されている。特に、従来から使用される毒性の強いシアン化物を使用した方法に代わる技術として、多くの金の回収方法が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、金を酸性条件下で選択的に捕集(吸着)する捕集材に関する技術が示され、具体的に、エポキシ基を担体に導入することにより金を酸性条件下で選択的に捕集する捕集材が提案されている。
【0004】
特許文献2では、優れた選択的金吸着能を有し、カラムへの充填や溶液への分散が可能であり、且つ、溶液と容易に分離できる吸着材及びこれを用いた金の回収方法が提案されている。前記吸着材として、所定の一般式(1)で表される構造単位(a)の繰り返しからなるセグメントAと、所定の一般式(2)で表される構造単位(b)の繰り返しからなるセグメントBと、所定の一般式(3)で表される構造単位(c)の繰り返しからなるセグメントCとが、A-B-Cのシークエンスで結合しているABC型アゾ系トリブロック共重合体を、樹脂ビーズに含浸させてなる吸着材が提案されている。
【0005】
また特許文献3には、金イオンの選択的な吸着性に優れる新規な吸着材として、重合体基材に特定の官能基を導入した金イオン吸着材が、複数の金属種が混在する溶液中から金のみを高い選択性で吸着することが示されている。具体的に、少なくとも一つ以上の重合体を含む金イオン吸着材であって、前記重合体の側鎖に、エーテル基および/または第3級アミド基の官能基が導入されていることを特徴とする金イオン吸着材が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-096175号公報
特開2013-136035号公報
特開2014-198330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1~3の方法では、金を吸着材に吸着させた後、該吸着材から金を脱着させることが非常に煩雑であるといった問題があった。本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容易に行うことができ、かつ金の回収率(以下、単に「回収率」ということがある)の高い、金の回収方法と、該回収方法で用いられる金回収用溶液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様1は、
金イオンを含む処理対象液から金を回収する方法であって、
前記処理対象液とラダー型環状化合物をpH6以上の条件下で混合し、溶解したラダー型環状化合物を含む混合溶液を得る混合工程と、
前記混合溶液を撹拌し、金含有析出物の析出した撹拌溶液を得る撹拌工程と、
前記撹拌溶液から金含有析出物を回収する回収工程と
を含む、金の回収方法である。
【0009】
本発明の態様2は、
前記回収工程で、前記撹拌溶液をろ過し、前記金含有析出物の少なくとも一部をろ物として回収する、態様1に記載の金の回収方法である。
【0010】
本発明の態様3は、
前記ラダー型環状化合物は、下記の化学式(1)で示される化合物である、態様1または2に記載の金の回収方法である。
TIFF
2024127544000002.tif
72
97
上記化学式(1)において、全R

のうち、12個以上のR

はフェノール性水酸基であり、その他のR

は、炭素数1以上10以下のヘテロ原子を有していてもよい脂肪族化合物、芳香族化合物、脂環式化合物、およびハロゲンよりなる群から選択される1以上の置換基であり、それらは互いに同一でも、異なっていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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