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公開番号2024126350
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034665
出願日2023-03-07
発明の名称エチレン重合体組成物の製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 4/654 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】超高分子量エチレン重合体を含み、かつ、溶融流動性を有するエチレン重合体組成物の製造方法において、低分子量エチレン重合体成分の液状炭化水素への溶出を低減できる前記エチレン重合体組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】特定のポリエーテル化合物を含む固体状チタン触媒成分[A]などを含むオレフィン重合用触媒と液状炭化水素の存在下に、特定の異なる要件を満たす複数の工程によりエチレンを重合し、特定の極限粘度を有するエチレン重合体組成物を製造する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
[A]マグネシウム、ハロゲン、チタンおよび、下記式(2)で表されるポリエーテル化合物を含む固体状チタン触媒成分、ならびに、
[B]周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分、
を含むオレフィン重合用触媒と、
(D)液状炭化水素との
存在下に
(a)エチレンを重合して、135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が8~50dl/gの範囲内のエチレン重合体(a)を5~60質量%製造する工程を行い、ついで
(b)水素の存在下にエチレンを重合して、エチレン重合体(b)を95~40質量%製造する工程を行い(ただし、エチレン重合体(a)とエチレン重合体(b)との合計を100質量%とする)、
135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が1.5~5.0dl/gである、エチレン重合体組成物の製造方法。
TIFF
2024126350000004.tif
29
152
(上記一般式(2)において、mは1≦m≦10の整数であり、R
11
~R
36
は、それぞれ独立に、水素原子、または炭素、水素、酸素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する置換基であり、
mが2以上である場合、複数個存在するR
11
およびR
12
は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、
任意のR
11
~R
36
は共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよい。)
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
エチレン重合体組成物のASTM D1238E規格に準じ、190℃、10kg荷重条件で測定されるメルトフローレートが1g/10分~50g/10分の範囲である請求項1に記載のエチレン重合体組成物の製造方法。
【請求項3】
前記式(2)で表されるポリエーテル化合物が、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-n-プロピル-1,3-ジエトキシプロパン、および2,2-ジエチル-1,3-ジエトキシプロパンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項1に記載のエチレン重合体組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン重合体組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
超高分子量ポリエチレンは、一般的なポリエチレンのような汎用樹脂に比べて、分子間凝集力が弱く、分子構造が対称的であり、結晶化度が高いので摺動性に優れ、かつ、耐衝撃性、耐摩耗性、引張強度などにも優れているため、摺動材などとして好適に用いることができる。しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、分子量が高いため成形体を製造しにくく、汎用のポリエチレンの成形に採用されている方法をそのまま利用することは困難であることが多い。
【0003】
そこで、超高分子量ポリエチレンの優れた特性を損なうことなく、超高分子量ポリエチレンの成形性を改良する方法として、超高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]の低いポリエチレンとをブレンドするなど、種々の方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、極限粘度[η]が10~40dl/gの超高分子量ポリオレフィン15~40重量%(質量%)と、極限粘度[η]が0.1~5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリオレフィン85~60重量%とからなる射出成形用ポリオレフィン組成物が開示されている。この組成物は、超高分子量ポリオレフィンを含有しているにもかかわらず、射出成形できるという利点を有しており、さらに射出成形で得られる成形品は超高分子量ポリオレフィンの優れた摺動性および耐摩耗性を有する点において優れている。
【0005】
特許文献2には、極限粘度[η]が10~40dl/gの超高分子量ポリエチレン35重量%を超えて90重量%以下と、極限粘度[η]が0.1~5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリエチレン10重量%以上65重量%未満とを含むポリエチレン樹脂組成物に、特定のポリオレフィン系樹脂組成物をブレンドした組成物とが開示されている。この組成物からは、耐摩耗性、外観および成形性のバランスに優れた成形体が得られる。
【0006】
また、特許文献3には、極限粘度[η]が10~40dl/gの超高分子量ポリエチレン5~18重量%と、極限粘度[η]が0.1~5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリエチレン82~95重量%とを含み、密度が955~970kg/m
3
であるポリエチレン樹脂組成物が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献4には、極限粘度[η]が10~40dl/gの超高分子量ポリエチレン5~25質量%と、極限粘度[η]が0.1~5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリエチレン75~95質量%とを含むポリエチレン樹脂100質量部に、極限粘度[η]が0.1~10dl/gのポリオルガノシロキサン0.1~10質量部を配合した組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開昭63-12606号公報
国際公開第2003/022920号
特開2012-25904号公報
特開2016-204405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1~4の開示に従うと、超高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]の低いポリエチレンを含む組成物は、通常、固体状チタン触媒成分を含むオレフィン重合触媒を用い、液状炭化水素を用いてエチレンを重合する、所謂、スラリー重合法で製造されているようである。
本発明者の検討によれば、極限粘度[η]の低い重合体をスラリー重合法で製造すると、液状炭化水素中に低分子量成分が溶出し易い場合がある。特に高分子量成分の極限粘度[η]が高いほど、得られるエチレン重合体組成物を用いた成形体製造時等の溶融流動性を考慮して、低分子量成分は極限粘度[η]を低くすることが求められる。極限粘度[η]がより低いエチレン重合体成分は、より溶出し易くなる懸念があり、エチレン重合体の溶出が多い場合は、エチレン重合体組成物としての歩留まりの低下、反応系の粘度の上昇による反応液のプロセス内送液時の送液抵抗増加、反応器内壁への前記低分子量成分の付着等の問題が発生する可能性がある。この様な問題点は、特に液状炭化水素を用いる連続重合法では、液状炭化水素をダイレクトサーキュレーションする場合(重合終了後、使用した液状炭化水素を回収し、そのまま次の重合に用いる場合)があるので、顕在化し易い可能性も考えられる。
本発明は、超高分子量エチレン重合体を含み、かつ、溶融流動性を有するエチレン重合体組成物の製造方法において、低分子量エチレン重合体成分の液状炭化水素への溶出を低減できるようにし、上述の問題点を解決することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決するために検討した結果、特定の固体状チタン触媒成分を含むオレフィン重合触媒と液状炭化水素の存在下に高分子量エチレンの重合体を製造する工程と、低分子量エチレン重合体を製造する工程とを含むエチレン重合体組成物の製造方法が本発明の課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。本発明は、以下の要件によって特定されるものである。
(【0011】以降は省略されています)

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