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公開番号
2024126824
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023035486
出願日
2023-03-08
発明の名称
成形体、成形体の製造方法、および金属樹脂複合体
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
B29C
45/00 20060101AFI20240912BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】耐トラッキング性が十分に高められた、ポリアミド樹脂組成物の成形体、およびその製造方法、ならびに金属樹脂複合体を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体であって、前記ポリアミド樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが115℃以上であるポリアミド樹脂(A)を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位と、ジアミンに由来する成分単位と、を含み、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位(Ab)を含み、前記ジアミンに由来する成分単位は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含み、前記成形体の表面粗さRaは、0.30μm以下である、成形体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体であって、
前記ポリアミド樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが115℃以上であるポリアミド樹脂(A)を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位と、ジアミンに由来する成分単位と、を含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位(Ab)を含み、
前記ジアミンに由来する成分単位は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含み、
前記成形体の表面粗さRaは、0.30μm以下である、
成形体。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記ポリアミド樹脂(A)は、芳香環を含む成分単位を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)に含まれる成分単位を構成する炭素原子の総数に対する、前記芳香環を構成する炭素原子の総数の割合は15%以上50%以下である、請求項1に記載の成形体。
【請求項3】
前記ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド6T6Iまたはポリアミド6TDTである、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項4】
IEC 60112(2020)に準拠して測定される比較トラッキング指数(CTI)が600Vよりも大きい、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項5】
前記ポリアミド樹脂(A)の総末端基量は、100mmol/kg以上300mmol/kg以下である、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項6】
示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが115℃以上であるポリアミド樹脂(A)を含むポリアミド樹脂組成物を、金型温度MT[℃]が下記式(1)を満たす金型内に射出充填する工程と、
前記射出充填された前記ポリアミド樹脂組成物を冷却する工程と、を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位と、ジアミンに由来する成分単位と、を含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位(Ab)を含み、
前記ジアミンに由来する成分単位は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含む、
成形体の製造方法。
Tg+10≦MT (1)
【請求項7】
前記成形体の製造方法は、前記射出充填する工程の後に、前記金型内を保圧する工程を含み、
前記冷却する工程は、前記保圧する工程の後に行われ、
前記保圧する工程において、保圧圧力は、前記射出充填する工程における最大射出充填圧力の30%以上80%以下の圧力である、
請求項6に記載の成形体の製造方法。
【請求項8】
前記射出充填する工程は、45mm/s以上200mm/s以下の射出速度で前記ポリアミド樹脂組成物を前記金型内に射出充填する工程である、請求項6または7に記載の成形体の製造方法。
【請求項9】
金属部材と、
前記金属部材に複合化された、ポリアミド樹脂組成物を含む樹脂部材と、を含み、
前記ポリアミド樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが115℃以上であるポリアミド樹脂(A)を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位と、ジアミンに由来する成分単位と、を含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位(Ab)を含み、
前記ジアミンに由来する成分単位は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含み、
前記樹脂部材の、前記ポリアミド樹脂組成物が露出した表面の表面粗さRaは、0.30μm以下である、
金属樹脂複合体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体、成形体の製造方法、および金属樹脂複合体に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、成形材料として、ポリアミド樹脂組成物が知られている。ポリアミド樹脂組成物は、例えば、自動車用部品、電気・電子用部品などの種々の部品の材料として広く用いられており、成形体の機械的強度に優れることが知られている。
【0003】
ポリアミド樹脂組成物の成形体が自動車用部品(例えばバスバーなど)、電気・電子用部品に用いられたとき、トラッキングが生じ得る。そのため、ポリアミド樹脂組成物をこれらの用途に用いるとき、成形体の耐トラッキング性を高めることが要求される。
【0004】
例えば、特許文献1には、分子中に複数のスルホニル基を含むポリスルホン樹脂と、ポリアミド樹脂とを含み、上記ポリアミド樹脂の含有率が、ポリスルホン樹脂とポリアミド樹脂の合計質量に対して1質量%以上45質量%以下である電気絶縁性樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、上記樹脂組成物は、優れた耐トラッキング性を示したとされている。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、熱可塑性ポリアミドと、ジアルキルホスフィン酸塩などの難燃剤とを含むポリアミド樹脂組成物が開示されている。特許文献2では、上記ポリアミド樹脂組成物は、耐トラッキング性が良好であったとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-021115号公報
特表2019-507227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および特許文献2に記載されたように、耐トラッキング性を高めたポリアミド樹脂組成物が知られている。
【0008】
ところで、ポリアミド樹脂組成物の成形体の使用中には、成形体の表面に、大気中の水分に由来する微少液膜が形成されたり、汚れが付着したりしうる。この状態で成形体に電圧が印加されると、小さな放電が繰り返し生じて成形体の炭化劣化が生じ、絶縁性が低下するトラッキング破壊が生じる。そのため、成形体の絶縁性の低下を抑制するため、耐トラッキング性が十分に高められたポリアミド樹脂組成物の成形体が要求されている。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐トラッキング性が十分に高められた、ポリアミド樹脂組成物の成形体、およびその製造方法、ならびに金属樹脂複合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[1]~[5]の成形体に関する。
[1]ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体であって、前記ポリアミド樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)により測定されるガラス転移温度Tgが115℃以上であるポリアミド樹脂(A)を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位と、ジアミンに由来する成分単位と、を含み、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、テレフタル酸に由来する成分単位(Ab)を含み、前記ジアミンに由来する成分単位は、1,6-ジアミノヘキサンに由来する成分単位を含み、前記成形体の表面粗さRaは、0.30μm以下である、成形体。
[2]前記ポリアミド樹脂(A)は、芳香環を含む成分単位を含み、前記ポリアミド樹脂(A)に含まれる成分単位を構成する炭素原子の総数に対する、前記芳香環を構成する炭素原子の総数の割合は15%以上50%以下である、[1]に記載の成形体。
[3]前記ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド6T6Iまたはポリアミド6TDTである、[1]または[2]に記載の成形体。
[4]IEC 60112(2020)に準拠して測定される比較トラッキング指数(CTI)が600Vよりも大きい、[1]~[3]のいずれかに記載の成形体。
[5]前記ポリアミド樹脂(A)の総末端基量は、100mmol/kg以上300mmol/kg以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の成形体。
(【0011】以降は省略されています)
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