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公開番号2024141021
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052447
出願日2023-03-28
発明の名称シール部品用共重合体組成物、およびその用途
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 210/18 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、圧縮永久歪みが良好なシール材に好適なシール部品用共重合体組成物を得ることにある。
【解決手段】本発明は、特定の要件を満たす、エチレン[A1]に由来する構造単位、炭素数4～20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位、および、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、当該共重合体(A)100質量部当たり、カーボンブラック(B)を0.1～200質量部、および、平均分子量(Mn)1,000～100,000の液状ポリイソプレン、および、液状ポリブタジエンから選択された少なくとも1種の液状ゴム(C)を0.1～100質量部の範囲で含むことを特徴とするシール部品用共重合体組成物に係る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記（１）～（３）の要件を満たす、エチレン［Ａ１］に由来する構造単位、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］に由来する構造単位、および、非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位を有するエチレン・α－オレフィン・非共役ポリエン共重合体（Ａ）、当該共重合体（Ａ）１００質量部当たり、カーボンブラック（Ｂ）を０．１～２００質量部、および、平均分子量（Ｍｎ）１，０００～１００，０００の、液状ポリイソプレンおよび液状ポリブタジエンから選択された少なくとも１種の液状ゴム（Ｃ）を０．１～１００質量部の範囲で含むことを特徴とするシール部品用共重合体組成物。
（１）エチレン［Ａ１］に由来する構造単位と、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］に由来する構造単位とのモル比〔［Ａ１］／［Ａ２］〕が、４０／６０～９０／１０であり、
（２）非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位の含有割合が、［Ａ１］、［Ａ２］および［Ａ３］に由来する構造単位の合計を１００モル％として、０．１～６．０モル％であり、
（３）下記式（ｉ）で表されるＢ値が、１．２０以上である。
Ｂ値＝（［ＥＸ］＋２［Ｙ］）／〔２×［Ｅ］×（［Ｘ］＋［Ｙ］）〕・・・（ｉ）
［ここで［Ｅ］、［Ｘ］および［Ｙ］は、それぞれ、エチレン［Ａ１］、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］、および非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位のモル分率を示し、［ＥＸ］はエチレン［Ａ１］－炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］ダイアッド連鎖分率を示す。］
続きを表示（約 320 文字）【請求項２】
共重合体（Ａ）を構成する炭素数４～２０のα－オレフィンが、１－ブテンである請求項１に記載のシール部品用共重合体組成物。
【請求項３】
共重合体（Ａ）を構成する非共役ポリエン［Ａ３］が、５－エチリデン－２－ノルボルネン（ＥＮＢ）である請求項１に記載のシール部品用共重合体組成物。
【請求項４】
共重合体（Ａ）が、さらに、下記（４）の要件を満たす請求項１に記載のシール部品用共重合体組成物。
（４）１２５℃におけるムーニー粘度ＭＬ（１＋４）１２５℃が、５～１００である。
【請求項５】
請求項１～４のいずれか一項に記載のシール部品用共重合体組成物からなるシール部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
エチレン・プロピレン共重合体（ＥＰＭ、ＥＰＲ）およびエチレン・プロピレン・ジエン共重合体（ＥＰＤＭ）などのエチレン・α－オレフィン共重合体エラストマーは、その分子構造の主鎖に不飽和結合を有しないため、汎用の共役ジエンゴムと比べ、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に優れ、自動車用部品、電線用材料、電子・電気部品、建築土木資材、工業材部品等の用途に広く用いられている。
続きを表示（約 2,000 文字）【０００２】
ＥＰＤＭを用いてシール用ゴム成形体を得ることが知られている（例えば、特許文献１）。シール用ゴム成形体であるシールパッキンは、自動車、産業機械、電子部品等様々な用途で用いられているが、自動車や産業機械等は寒冷地でも使用されるため、シールパッキンには、常温での機械強度に加えて、低温特性も要求される。
【０００３】
また、特許文献２には、低温特性および機械強度（強度・伸び）を両立したシールパッキンを形成することが可能な燃料電池ガスケット用エチレン共重合体組成物として、Ｂ値が１．２０以上であるエチレン［Ａ］に由来する構造単位、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ｂ］に由来する構造単位、および非共役ポリエン［Ｃ］に由来する構造単位を含むエチレン・α－オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有する燃料電池ガスケット用エチレン共重合体組成物が提案されている。
【０００４】
一方、シールパッキンなどのシール材は、常に負荷（応力）がかかっており、より圧縮永久歪みが良好なシール材が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
国際公開第２０００／５９９６２号
特開２０１７－０７５２９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明の目的は、圧縮永久歪みが良好なシール材に好適なシール部品用共重合体組成物を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、以下の［１］～［５］に係る。
［１］
下記（１）～（３）の要件を満たす、エチレン［Ａ１］に由来する構造単位、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］に由来する構造単位、および、非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位を有するエチレン・α－オレフィン・非共役ポリエン共重合体（Ａ）、当該共重合体（Ａ）１００質量部当たり、カーボンブラック（Ｂ）を０．１～２００質量部、および、平均分子量（Ｍｎ）１，０００～１００，０００の、液状ポリイソプレンおよび液状ポリブタジエンから選択された少なくとも１種の液状ゴム（Ｃ）を０．１～１００質量部の範囲で含むことを特徴とするシール部品用共重合体組成物。
（１）エチレン［Ａ１］に由来する構造単位と、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］に由来する構造単位とのモル比〔［Ａ１］／［Ａ２］〕が、４０／６０～９０／１０であり、
（２）非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位の含有割合が、［Ａ１］、［Ａ２］および［Ａ３］に由来する構造単位の合計を１００モル％として、０．１～６．０モル％であり、
（３）下記式（ｉ）で表されるＢ値が、１．２０以上である。
【０００８】
Ｂ値＝（［ＥＸ］＋２［Ｙ］）／〔２×［Ｅ］×（［Ｘ］＋［Ｙ］）〕・・・（ｉ）
［ここで［Ｅ］、［Ｘ］および［Ｙ］は、それぞれ、エチレン［Ａ１］、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］、および非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位のモル分率を示し、［ＥＸ］はエチレン［Ａ１］－炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］ダイアッド連鎖分率を示す。］
［２］
共重合体（Ａ）を構成する炭素数４～２０のα－オレフィンが、１－ブテンである請求項［１］に記載のシール部品用共重合体組成物。
［３］
共重合体（Ａ）を構成する非共役ポリエン［Ａ３］が、５－エチリデン－２－ノルボルネン（ＥＮＢ）である項［１］または［２］に記載のシール部品用共重合体組成物。
［４］
共重合体（Ａ）が、さらに、下記（４）の要件を満たす項［１］～項［３］の何れかに記載のシール部品用共重合体組成物。
（４）１２５℃におけるムーニー粘度ＭＬ（１＋４）１２５℃が、５～１００である。
［５］
項［１］～［４］のいずれか一項に記載のシール部品用共重合体組成物からなるシール部品。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のシール部品用共重合体組成物は、低温柔軟性等の低温特性と、圧縮永久歪みが良好であるので、シール材などのシール部品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
≪エチレン・α－オレフィン・非共役ポリエン共重合体（Ａ）≫
本発明のシール部品用共重合体組成物を構成する成分の一つであるエチレン・α－オレフィン・非共役ポリエン共重合体（Ａ）〔以下、「共重合体（Ａ）」と略記する場合がある。〕は、下記（１）～（３）の要件を満たすエチレン［Ａ１］に由来する構造単位、炭素数４～２０のα－オレフィン［Ａ２］に由来する構造単位、および、非共役ポリエン［Ａ３］に由来する構造単位を有する共重合体である。
（【００１１】以降は省略されています）

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