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公開番号2024141020
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052446
出願日2023-03-28
発明の名称コンベアベルト用共重合体組成物およびその用途
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 210/18 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の目的は、高モジュラス(高剛性)、かつ耐オイルブリード性に優れ、耐熱老化性および耐摩耗性が良好なコンベアベルトを得るに好適なコンベアベルト用共重合体組成物を得ることにある。
【解決手段】本発明は、下記成分(S)、(F)、(G)、(H)および(R)を含むことを特徴とするコンベアベルト用共重合体組成物に係わる。
成分(S):特定の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)
成分(F);エチレン・α-オレフィン共重合体(F)
成分(G);カーボンブラック(G)
成分(H);老化防止剤(H)
成分(R);特定の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体(R)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記成分(S)、(F)、(G)、(H)および(R)を含むことを特徴とするコンベアベルト用共重合体組成物;
成分(S):
エチレン(A)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)とに由来する構成単位を有し、下記要件(i)~(v)を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S);
(i)エチレン/α-オレフィンのモル比が40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量%中、0.07重量%~10重量%である。
(iii)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦80・・・式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η*(ω=100)(Pa・sec)との比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]
2.9
)≦(C)の重量分率×6・・・式(2)
(v)3D-GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB
1000C
≦1-0.07×Ln(Mw)・・・式(3)
TIFF
2024141020000015.tif
28
160
成分(F);エチレン・α-オレフィン共重合体(F)
成分(G);カーボンブラック(G)
成分(H);老化防止剤(H)
成分(R);
下記要件(1)~(6)を満たすエチレン・α-オレフィン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体(R);
(1)重量平均分子量が1,000~50,000の範囲にある。
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が2.7以下である。
(3)
13
C-NMRスペクトルの強度比Tαβ/Tααが0.0~0.1である。
(4)5-ビニル-2-ノルボルネンから導かれる構成単位の含量が0.1~20.0質量%の範囲にある。
(5)5-ビニル-2-ノルボルネンから導かれる構成単位がendo体構造およびexo体構造を含み、且つ、endo体構造/exo体構造の比が2.5以下である。
(6)135℃デカヒドロナフタレン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01~0.8dl/gの範囲にある。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記成分(R)であるエチレン・α-オレフィン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体(R)が、さらに、下記要件(7)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
(7)下記式(i)で表されるB値が1.10以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン、α-オレフィン、および5-ビニル-2-ノルボルネンのモル分率を示し、[EX]はエチレン-α-オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。]。
【請求項3】
さらに下記成分(J)を含むことを特徴とする請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
(J)有機過酸化物系架橋剤
【請求項4】
前記成分(S)であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、さらに極限粘度[η]が0.1~5dL/gであり、重量平均分子量(Mw)が10000~600000である請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項5】
前記成分(S)であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)を構成する非共役ポリエン(C)が5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)である請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項6】
前記成分(S)であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S)が、さらに、前記式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン(D)に由来する構成単位を、0重量%~20重量%の重量分率〔ただし、(A)、(B)、(C)、(D)の重量分率の合計を100重量%とする。〕で含み、下記(vi)の要件を満たす請求項1に記載のコンベアベルト用共重合体組成物;
(vi)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、共役ポリエン(D)に由来する構成単位の重量分率((D)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)と、共役ポリエン(D)の分子量((D)の分子量)とが、下記式(4)を満たす。;
4.5≦Mw×{((C)の重量分率/100/(C)の分子量)+((D)の重量分率/100/(D)の分子量)}≦45・・・式(4)
【請求項7】
前記成分(S)を95~5質量部、および前記成分(F)を5~95質量部、成分(S)と成分(F)の合計量:100質量部当たり、前記成分(G)を5~120質量部、前記成分(H)を0.1~20質量部、並びに成分(R)を0.1~20質量部含むことを特徴とする請求項3に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンベアベルト用共重合体組成物を用いてなる耐熱コンベアベルト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加工性と機械物性、耐熱老化性および耐摩耗性に優れるコンベアベルト用共重合体組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鋼、石炭、セメント等の様々な産業分野においては、物品の輸送手段としてベルトコンベア装置が用いられ、特に、例えばクリンカ等のように、150~250℃程度の高温物品をベルトコンベア装置で搬送するケースも多い。このような状況を受け、メンテナンス作業の最小限化及び使用寿命の長期化を図るため、耐熱老化性および耐摩耗性に優れるコンベアベルトが求められている。
【0003】
コンベアベルトの耐熱老化性、耐摩耗性などを改良する方法として、エチレン・1-オクテン共重合体とエチレン・プロピレン共重合体とを含有するゴム組成物を用いることが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11-246017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、コンベアベルトにはより高い耐摩耗性に対する要求が高まっており、そして従来品を代替する耐熱コンベヤベルト用ゴム組成物には耐熱性、機械物性、加工性を従来品と同等に維持またはそれ以上の性能を有することが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、高モジュラス(高剛性)、且つ、耐オイルブリード性に優れ、耐熱老化性および耐摩耗性が良好なコンベアベルトを得るに好適なコンベアベルト用共重合体組成物を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の項[1]~[8]に係る。
[1]
下記成分(S)、(F)、(G)、(H)および(R)を含むことを特徴とするコンベアベルト用共重合体組成物;
成分(S):
エチレン(A)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)と、下記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン(C)とに由来する構成単位を有し、下記要件(i)~(v)を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(S);
(i)エチレン/α-オレフィンのモル比が40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体100重量%中、0.07重量%~10重量%である。
(iii)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦80・・・式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η*(ω=100)(Pa・sec)との比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]
2.9
)≦(C)の重量分率×6・・・式(2)
(v)3D-GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB1000C)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB
1000C
≦1-0.07×Ln(Mw)・・・式(3)
【0008】
TIFF
2024141020000001.tif
27
163
【0009】
成分(F);エチレン・α-オレフィン共重合体(F)
成分(G);カーボンブラック(G)
成分(H);老化防止剤(H)
成分(R);
下記要件(1)~(6)を満たすエチレン・α-オレフィン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体(R);
(1)重量平均分子量が1,000~50,000の範囲にある。
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)が2.7以下である。
(3)
13
C-NMRスペクトルの強度比Tαβ/Tααが0.0~0.1である。
(4)5-ビニル-2-ノルボルネンから導かれる構成単位の含量が0.1~20.0質量%の範囲にある。
(5)5-ビニル-2-ノルボルネンから導かれる構成単位がendo体構造およびexo体構造を含み、且つ、endo体構造/exo体構造の比が2.5以下である。
(6)135℃デカヒドロナフタレン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01~0.8dl/gの範囲にある。
【0010】
[2]
前記成分(R)であるエチレン・α-オレフィン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体(R)が、さらに、下記要件(7)を満たすことを特徴とする項[1]に記載のコンベアベルト用共重合体組成物。
(7)下記式(i)で表されるB値が1.10以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
[ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン、α-オレフィン、および5-ビニル-2-ノルボルネンのモル分率を示し、[EX]はエチレン-α-オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。]。
(【0011】以降は省略されています)

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