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公開番号2024130958
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023040939
出願日2023-03-15
発明の名称積層体および締結物品
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類B32B 5/28 20060101AFI20240920BHJP(積層体)
要約【課題】引張応力に対する吸収エネルギー量が高い、一方向に配向して配列した強化繊維を有する積層体を提供すること。
【解決手段】一方向に配向した複数の強化繊維とマトリクス樹脂とを含む繊維強化樹脂層が融着されてなる積層体であって、前記繊維強化樹脂層の層間に、隣接する前記繊維強化樹脂層が融着されていない非融着部が部分的に形成された、積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一方向に配向した複数の強化繊維と熱可塑性樹脂であるマトリクス樹脂とを含む繊維強化樹脂層が融着されてなる積層体であって、
前記繊維強化樹脂層の層間に、隣接する前記繊維強化樹脂層が融着されていない非融着部が部分的に形成された、
積層体。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記非融着部が配置された部位で前記積層体を厚み方向に切断した断面において、
一の層間には前記非融着部が形成され、他の層間には隣接する前記繊維強化樹脂層が融着された融着部が形成された、
請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記非融着部は、前記非融着部の外周が、前記積層体の外周と重複するように配置された、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記非融着部は、前記非融着部の外周が、前記積層体の外周と重複しないように配置された、請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
前記積層体は、3層以上の層を有する積層体であり、前記非融着部は、前記3層以上の層のうち1つの層と、他の層との間に形成された、請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
前記非融着部は、前記積層体の、他の部材との締結部位に形成された、請求項1に記載の積層体。
【請求項7】
前記積層体は、基準となる前記繊維強化樹脂層における前記強化繊維の配向方向に対して、前記強化繊維が配向する角度が異なる層を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項8】
前記強化繊維が配向する角度が異なる層は、基準となる前記繊維強化樹脂層における前記強化繊維の配向方向に対して、前記強化繊維が配向する角度が90°異なる層である、請求項1に記載の積層体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体と、
前記積層体の前記非融着部において締結された相手部材と、
を有する、締結物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体および締結物品に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一方向に配向して配列された複数の強化繊維と、上記強化繊維に含浸された樹脂組成物(マトリクス樹脂)と、を含む薄膜状の繊維強化樹脂(以下、単に「Uni-Direction (UD)シート」ともいう。)が知られている。このUDシートは、金属よりも軽量であり、一方で機械的強度が高いため、複数枚を積層して互いに融着させ、補強される相手部材の表面に張り合わせて、補強材として使用することなどが検討されている。
【0003】
上記相手部材の表面に張り合わせは、締結により行われることがある。たとえば、特許文献1には、UDシートを含む複数の樹脂シートを、特殊な形状のリベットにより金属部材に締結した締結構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実用新案登録第3218832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような締結部には、締結された補強部材を、締結部位から引き離す方向への荷重(つまりは、引張方向への荷重)が長期間にわたってかかり続ける。そして、UDシートの積層体を相手部材に締結させた締結物品は、上記の引張方向への荷重により、締結部位において積層体が変形してしまうことがある。
【0006】
上記の積層体の変形を抑制し、補強材としての積層体の耐久性を高める観点からは、UDシートの積素体のような一方向に配向して配列した強化繊維を有する積層体の、引張応力に対する吸収エネルギー量を高めることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記の観点に基づきなされたものであり、引張応力に対する吸収エネルギー量が高い、一方向に配向して配列した強化繊維を有する積層体、およびこの積層体が相手部材に締結されてなる締結物品を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[8]の積層体に関する。
[1]一方向に配向した複数の強化繊維と熱可塑性樹脂であるマトリクス樹脂とを含む繊維強化樹脂層が融着されてなる積層体であって、
前記繊維強化樹脂層の層間に、隣接する前記繊維強化樹脂層が融着されていない非融着部が部分的に形成された、
積層体。
[2]前記非融着部が配置された部位で前記積層体を厚み方向に切断した断面において、
一の層間には前記非融着部が形成され、他の層間には隣接する前記繊維強化樹脂層が融着された融着部が形成された、
[1]に記載の積層体。
[3]前記非融着部は、前記非融着部の外周が、前記積層体の外周と重複するように配置された、[1]または[2]に記載の積層体。
[4]前記非融着部は、前記非融着部の外周が、前記積層体の外周と重複しないように配置された、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記積層体は、3層以上の層を有する積層体であり、前記非融着部は、前記3層以上の層のうち1つの層と、他の層との間に形成された、[1]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6]前記非融着部は、前記積層体の、他の部材との締結部位に形成された、[1]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[7]前記積層体は、基準となる前記繊維強化樹脂層における前記強化繊維の配向方向に対して、前記強化繊維が配向する角度が異なる層を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[8]前記強化繊維が配向する角度が異なる層は、基準となる前記繊維強化樹脂層における前記強化繊維の配向方向に対して、前記強化繊維が配向する角度が90°異なる層である、[1]~[7]のいずれかに記載の積層体。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の他の態様は、下記[9]の締結物品に関する。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の積層体と、
前記積層体の前記非融着部において締結された相手部材と、
を有する、締結物品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、引張応力に対する吸収エネルギー量が高い、一方向に配向して配列した強化繊維を有する積層体、およびこの積層体が相手部材に締結されてなる締結物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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