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公開番号2024135738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046578
出願日2023-03-23
発明の名称繊維強化樹脂およびその製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08J 5/04 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】曲げ物性を高められた成形体が得られるUDシートまたはその成形体である繊維強化樹脂、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含み、前記マトリクス樹脂は、X線小角散乱法により求められる23℃における結晶の長周期が200Å以上である、繊維強化樹脂。この繊維強化樹脂は、一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含む複合材を用意する工程と、前記繊維強化樹脂を、前記マトリクス樹脂の融点をTmとしたときに以下の範囲のアニール温度でアニールする工程と、により製造することができる。
Tm-20℃ < アニール温度 < Tm
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含み、
前記マトリクス樹脂は、X線小角散乱法により求められる23℃における結晶の長周期が200Å以上である、
繊維強化樹脂。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記マトリクス樹脂は、80℃における結晶化度が45%以上である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂。
【請求項3】
前記マトリクス樹脂は、ポリプロピレンを含む、
請求項1に記載の繊維強化樹脂。
【請求項4】
前記ポリプロピレンは、融点が163℃以下である、
請求項3に記載の繊維強化樹脂。
【請求項5】
前記ポリプロピレンは、ASTMD1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が100mm/10分以上である
請求項3に記載の繊維強化樹脂。
【請求項6】
前記強化繊維は、炭素繊維を含む、
請求項1に記載の繊維強化樹脂。
【請求項7】
繊維体積分率(Vf)は、20%以上60%以下である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂。
【請求項8】
一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含む複合材を用意する工程と、
前記複合材を、前記マトリクス樹脂の融点をTmとしたときに以下の範囲のアニール温度でアニールする工程と、
Tm-20℃ < アニール温度 < Tm
を有する、繊維強化樹脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
一方向に配向して配列された複数の強化繊維と、上記強化繊維に含浸された樹脂組成物(マトリクス樹脂)と、を含む薄膜状の繊維強化樹脂(以下、単に「Uni-Direction (UD)シート」ともいう。)が知られている。このUDシートは、強度が高いことから、各種補強材として使用されている。
【0003】
特許文献1には、ポリプロピレン系樹脂と、フェノール系およびリン系の酸化防止剤と、を樹脂部の必須成分とし、かつ結晶核剤の添加、またはポリプロピレン系樹脂のガラス転移温度よりも高い温度に加熱した後に冷却する方法、により樹脂部の結晶化度を50%超過としたUDシートが記載されている。特許文献1には、このUDシートは、積層して加熱および加圧して得られた融着体の熱安定性および曲げ物性が良好であったと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-43672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1にも記載のように、UDシートの成形体の曲げ物性を高める方法が種々検討されている。しかし、本発明者らの知見によると、特許文献1に記載のUDシートから得られた成形体は、各種用途に要求される曲げ物性を満たさないことがあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、曲げ物性を高められた成形体が得られるUDシートまたはその成形体である繊維強化樹脂、およびその製造方法を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態は、下記[1]~[7]の繊維強化樹脂に関する。
[1]一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含み、
前記マトリクス樹脂は、X線小角散乱法により求められる23℃における結晶の長周期が200Å以上である、
繊維強化樹脂。
[2]前記マトリクス樹脂は、80℃における結晶化度が45%以上である、
[1]に記載の繊維強化樹脂。
[3]前記マトリクス樹脂は、ポリプロピレンを含む、
[1]または[2]に記載の繊維強化樹脂。
[4]前記ポリプロピレンは、融点が163℃以下である、
[3]に記載の繊維強化樹脂。
[5]前記ポリプロピレンは、ASTMD1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が100mm/10分以上である
[3]または[4]に記載の繊維強化樹脂。
[6]前記強化繊維は、炭素繊維を含む、
[1]~[5]のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
[7]繊維体積分率(Vf)は、20%以上60%以下である、
[1]~[6]のいずれかに記載の繊維強化樹脂。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の他の実施形態は、下記[8]の繊維強化樹脂の製造方法に関する。
[8]一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含む複合材を用意する工程と、
前記複合材を、前記マトリクス樹脂の融点をTmとしたときに以下の範囲のアニール温度でアニールする工程と、
Tm-20℃ < アニール温度 < Tm
を有する、繊維強化樹脂の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、曲げ物性を高められた成形体が得られるUDシートまたはその成形体である繊維強化樹脂、およびその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[繊維強化樹脂]
本発明の一実施形態は、一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、熱可塑性樹脂を含むマトリクス樹脂と、を含む繊維強化樹脂に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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