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公開番号
2024116045
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-27
出願番号
2023022038
出願日
2023-02-15
発明の名称
延伸フィルム、積層体、および包装体
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類
B32B
27/32 20060101AFI20240820BHJP(積層体)
要約
【課題】本発明の目的は、リサイクル性と、機械的強度、透明性等のフィルムとして好ましい性能とを両立するだけでなく、延伸性能に優れた延伸ポリオレフィンフィルム、ならびにこの延伸フィルムを用いた積層体およびこの積層体を用いた包装袋を提供することである。
【解決手段】中間層と、その中間層の片面または両面に形成されたスキン層を有する延伸フィルムであって、下記の要件(1)および要件(2)を満たす延伸フィルム;
要件(1):中間層はエチレン系重合体(A)とプロピレン系重合体(B)を含む;
要件(2):スキン層はプロピレン系重合体(C)を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
中間層と、その中間層の片面または両面に形成されたスキン層を有する延伸フィルムであって、下記の要件(1)および要件(2)を満たす延伸フィルム;
要件(1):中間層はエチレン系重合体(A)とプロピレン系重合体(B)を含む;
要件(2):スキン層はプロピレン系重合体(C)を含む。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記の中間層のプロピレン系重合体(B)が、
要件(b1)DSCで測定される融点が120℃未満または融点が観測されない。
要件(b2)プロピレン由来の構成単位を51~90モル%、
エチレン由来の構成単位を7~24モル%、および
炭素原子数4~20のα-オレフィン由来の構成単位を3~25モル%含む
を満たすプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体
(ここで、プロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位、および炭素原子数4~20のαーオレフィン由来の構成単位の合計を100モル%とする)であることを特徴とする請求項1に記載の延伸フィルム。
【請求項3】
前記の中間層のプロピレン系重合体(B)が、プロピレン・エチレン共重合体およびプロピレン・1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる1種以上のプロピレン・α-オレフィン共重合体を含む請求項1に記載の延伸フィルム。
【請求項4】
前記のスキン層がエチレン系重合体(D)を3から40質量%含む(ただし、プロピレン系重合体(C)およびエチレン系重合体(D)の合計は100質量%である。)含む請求項1に記載の延伸フィルム。
【請求項5】
縦方向に2から8倍、横方向に2から16倍延伸された請求項1に記載の延伸フィルム。
【請求項6】
請求項1に記載の延伸フィルム、およびシーラントフィルム層を有する積層体。
【請求項7】
前記のシーラントフィルム層が、エチレン系重合体(E)からなる請求項7に記載の積層体。
【請求項8】
前記の積層体が、さらに、印刷層、バリア層およびエンボス加工層から選ばれる少なくとも一つの機能層を有し、その機能材層が、前記の中間層、スキン層、およびシーラントフィルム層から選ばれる少なくとも一つの層に、隣接しているか、または接着剤層を介して接している請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
請求項6に記載の積層体からなる包装体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸フィルム、積層体、ならびに包装体に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
包装材料として、基材フィルムとシーラントフィルムとを備える積層体が知られている。基材フィルムには、剛性等の機械的強度の観点で延伸フィルムが採用される傾向にある。例えば、特許文献1には基材フィルムに二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、シーラントフィルムとしてポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンフィルムとを備える積層体が記載されている。
【0003】
一方で、環境負荷低減等の観点から、高いリサイクル性を有する包装材料が求められている。リサイクルにおいては、プラスチック材料が単一種の高分子から構成されている、いわゆるモノマテリアルであることが好ましい。そのため、エチレン系重合体またはプロピレン系重合体を主成分とした基材フィルム、シーラントフィルム、および積層体が好ましい。しかしながら、エチレン系重合体のみで構成されるフィルムは、その延伸加工性が必ずしも優れたものではなく、その解決が検討されていた。
【0004】
例えば特許文献2では、PE樹脂シートの架橋度を厚み方向に変化させることで、特に低温での延伸加工性の向上を実現している。しかし、架橋度を厚み方向に変化させたフィルムの製造は工程を複雑化し、コスト面でも不利であり、また架橋を行うことはリサイクル性の観点からも望ましいものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-178357号公報
特開昭61-74819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、リサイクル性と、機械的強度、透明性等のフィルムとして好ましい性能とを両立するだけでなく、延伸性能に優れた延伸ポリオレフィンフィルム、ならびにこの延伸フィルムを用いた積層体およびこの積層体を用いた包装袋などの包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の概要は、以下の[1]~[9]に関する。
[1]
中間層と、前記の中間層の片面または両面に形成されたスキン層を有する延伸フィルムであって、下記の要件(1)および要件(2)を満たす延伸フィルム;
要件(1):中間層はエチレン系重合体(A)とプロピレン系重合体(B)を含む;
要件(2):スキン層はプロピレン系重合体(C)を含む。
[2]
前記の中間層のプロピレン系重合体(B)が、
要件(b1)DSCで測定される融点が120℃未満または融点が観測されない。
要件(b2)プロピレン由来の構成単位を51~90モル%、
エチレン由来の構成単位を7~24モル%、および
炭素原子数4~20のα-オレフィン由来の構成単位を3~25モル%含む
を満たすプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体
(ここで、プロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位、および炭素原子数4~20のαーオレフィン由来の構成単位の合計を100モル%とする)であることを特徴とする[1]に記載の延伸フィルム。
[3]
前記の中間層のプロピレン系重合体(B)が、プロピレン・エチレン共重合体およびプロピレン・1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる1種以上のプロピレン・α-オレフィン共重合体を含む、[1]または[2]のいずれかに記載の延伸フィルム。
[4]
前記のスキン層がエチレン系重合体(D)を3から40質量%含む(ただし、プロピレン系重合体(C)およびエチレン系重合体(D)の合計は100質量%である。)含む[1]~[3]のいずれかに記載の延伸フィルム。
[5]
縦方向に2から8倍、横方向に2から16倍延伸された[1]~[4]のいずれかに記載の延伸フィルム。
[6]
[1]~[5]のいずれかに記載の延伸フィルム、およびシーラントフィルム層を有する積層体。
[7]
前記のシーラントフィルム層が、エチレン系重合体(E)からなる[6]に記載の積層体。
[8]
前記の積層体が、さらに、印刷層、バリア層およびエンボス加工層から選ばれる少なくとも一つの機能材層を有し、その機能材層が、前記の中間層、スキン層、およびシーラントフィルム層から選ばれる少なくとも一つの層に、隣接しているか、または接着剤層を介して接している[6]または[7]に記載の積層体。
[9]
[6]~[9]に記載の積層体からなる包装体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の延伸フィルムは、中間層に所定の割合で特定のエチレン系重合体とプロピレン系重合体を含む樹脂組成物を用い、スキン層にポリプロピレン樹脂を用いることにより、優れた延伸加工性が得られ、層の間の接着強度が向上した延伸ポリオレフィンフィルムとすることができる。
【0009】
また、本発明の延伸フィルムを用いた積層体は、シーラントフィルム層との間の層間接着性に優れることで、シーラントフィルム層のヒートシール強度に優れ、剥離(デラミネーション)によるヒートシール強度の低下が発生しにくいという優れた性能を発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[延伸フィルム]
本発明の延伸フィルムは、中間層、および中間層の片面または両面に形成されたスキン層を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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