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公開番号
2024125991
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-19
出願番号
2023191152
出願日
2023-11-08
発明の名称
エチレン系共重合体組成物およびその用途
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類
C08L
23/16 20060101AFI20240911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の目的は、他の素材、例えば、繊維材料を含む層との接着強度(剥離強度)に優れるエチレン系共重合体組成物、および積層体を得ることにある。
【解決手段】本発明は、下記の(1)~(4)の成分を含むことを特徴とするエチレン系共重合体組成物、および積層体に係る。
(1)特定の要件を満たすエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(L)。
(2)トランスポリオクテニレン(M)。
(3)シリカ(S)。
(4)2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(K)。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の(1)~(4)の成分を含むことを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
(1)下記(i)~(v)の要件を満たすエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(L)。
(2)トランスポリオクテニレン(M)。
(3)シリカ(S)。
(4)2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(K)。
(i)エチレン/プロピレンのモル比が40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体100重量%中、0.07重量%~10重量%である。
(iii)エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦80 … 式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η*(ω=100)(Pa・sec)との比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]
2.9
)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
(v)3D-GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB
1000C
)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB
1000C
≦1-0.07×Ln(Mw) … 式(3)
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(L)を構成する非共役ポリエンが5ービニルー2ーノルボルネン(VNB)を含む、請求項1に記載のエチレン系共重合体組成物。
【請求項3】
2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(K)が、エチレングリコールジメタクリレートを含む、請求項1に記載のエチレン系共重合体組成物。
【請求項4】
エチレン系共重合体組成物が、さらに架橋剤として有機過酸化物を含むことを特徴とする、請求項1に記載のエチレン系共重合体組成物。
【請求項5】
エチレン系共重合体組成物が、さらにシランカップリング剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のエチレン系共重合体組成物。
【請求項6】
前記シランカップリング剤がアミノ基を有する、請求項5に記載のエチレン系共重合体組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のエチレン系共重合体組成物からなる層[I]と、繊維材料を含む層[II]とが接していることを特徴とする積層体。
【請求項8】
エチレン系共重合体組成物が架橋してなる、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
上記層[II]の繊維材料がRFL処理された繊維を含む、請求項7に記載の積層体。
【請求項10】
上記層[II]の繊維材料が帆布である、請求項7に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋可能なエチレン系共重合体組成物、当該組成物を用いた繊維材料を含む層との積層体、およびその用途に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
EPDMなどのエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、一般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、自動車用工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建築用材、ゴム引き布などに用いられている。
【0003】
従来のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、ニトリルゴム、クロロプレンゴムおよびクロロスルホン化ポリエチレンなどの極性ゴムに比べて、合成繊維との接着性が劣るという欠点がある。この欠点を解決する方法として、クロロスルホン化コポリマーの接着溶液を用いることで、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体と合成繊維の接着性改良が開示されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら今日、ノンハロゲン化などの環境問題が問われるなかにあっては、このようなハロゲン化による極性を利用した接着技術は最適とは言い難い。また従来の接着方法としては、合成繊維をレゾルシンホルムアルデヒドラテックス処理(RFL処理)した後、ゴムに埋め込み架橋して接着させる方法が知られている。さらに詳しくはRFL処理に際し、イソシアネートやイソシアヌール酸誘導体を用いる方法が知られている。しかしながら、これらの方法をゴムとしてエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を用いる場合に応用しても十分な接着を得るのは困難である。
【0005】
また、耐圧縮永久歪み性を改良するために、エチレン・α-オレフィン・ジエン共重合体に、トランスポリオクテニレンゴムを配合してなる亜鉛華が配合される硫黄加硫系のエチレンプロピレンゴム配合物とすることが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特公昭42-23632号公報
特許第2528033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、他の素材、例えば、繊維材料を含む層との接着強度(剥離強度)に優れるエチレン系共重合体組成物、および積層体を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の項[1]~[11]に係る。
[1]
下記の(1)~(4)の成分を含むことを特徴とするエチレン系共重合体組成物。
(1)下記(i)~(v)の要件を満たすエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(L)。
(2)トランスポリオクテニレン(M)。
(3)シリカ(S)。
(4)2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(K)。
(i)エチレン/プロピレンのモル比が40/60~99.9/0.1である。
(ii)非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率が、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体100重量%中、0.07重量%~10重量%である。
(iii)エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と、非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率(重量%))と、非共役ポリエン(C)の分子量((C)の分子量)とが、下記式(1)を満たす。
4.5≦Mw×(C)の重量分率/100/(C)の分子量≦80 … 式(1)
(iv)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)(Pa・sec)と、周波数ω=100rad/sでの複素粘度η*(ω=100)(Pa・sec)との比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=100))と、極限粘度[η]と、前記非共役ポリエン(C)に由来する構成単位の重量分率((C)の重量分率)とが、下記式(2)を満たす。
P/([η]
2.9
)≦(C)の重量分率×6 … 式(2)
(v)3D-GPCを用いて得られた、1000炭素原子あたりの長鎖分岐数(LCB
1000C
)と、重量平均分子量(Mw)の自然対数[Ln(Mw)]とが下記式(3)を満たす。
LCB
1000C
≦1-0.07×Ln(Mw) … 式(3)
【0009】
[2]
前記エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体(L)を構成する非共役ポリエンが5ービニルー2ーノルボルネン(VNB)を含む、項[1]に記載のエチレン系共重合体組成物。
【0010】
[3]
2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(K)が、エチレングリコールジメタクリレートを含む、項[1]または[2]に記載のエチレン系共重合体組成物。
(【0011】以降は省略されています)
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