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公開番号2024134510
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023214009
出願日2023-12-19
発明の名称繊維強化樹脂組成物および成形体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08J 5/04 20060101AFI20240926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形体におけるポリオレフィンとポリアミドとの間の界面剥離を抑制しつつ、曲げ物性や引張物性の低下や引張クリープ歪の増加も抑制できる繊維強化樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】変性されていないポリオレフィン(A)と、炭素数が10以上の単量体に由来する構成単位を有するポリアミド(B)と、強化繊維(C)と、変性ポリオレフィン(D)と、を含有し、前記ポリオレフィン(A)、前記ポリアミド(B)および前記強化繊維(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、前記ポリオレフィン(A)の含有量は20質量部以上80質量部以下であり、前記ポリアミド(B)の含有量は1質量部以上20質量部以下であり、前記強化繊維(C)の含有量は10質量部以上70質量部以下であり、前記変性ポリオレフィン(D)の含有量は1質量部以上5質量部以下である、繊維強化樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
変性されていないポリオレフィン(A)と、
炭素数が10以上の単量体に由来する構成単位を有するポリアミド(B)と、
強化繊維(C)と、
変性ポリオレフィン(D)と、を含有し、
前記ポリオレフィン(A)、前記ポリアミド(B)および前記強化繊維(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、
前記ポリオレフィン(A)の含有量は20質量部以上80質量部以下であり、
前記ポリアミド(B)の含有量は1質量部以上20質量部以下であり、
前記強化繊維(C)の含有量は10質量部以上70質量部以下であり、
前記変性ポリオレフィン(D)の含有量は1質量部以上5質量部以下である、
繊維強化樹脂組成物。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記ポリオレフィン(A)、前記ポリアミド(B)および前記強化繊維(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、
前記ポリオレフィン(A)の含有量は35質量部以上55質量部以下であり、
前記強化繊維(C)の含有量は40質量部以上60質量部以下である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
【請求項3】
前記強化繊維(C)は、アクリル系の集束剤またはポリアミド系の集束剤で集束されている、
請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリオレフィン(A)および前記ポリアミド(B)は、前記ポリオレフィン(A)による連続相の中に前記ポリアミド(B)による分散相が分散された海島構造を形成しており、
前記分散相の平均円相当径は、1.0μm以下である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリアミド(B)は、ポリアミド12である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリオレフィン(A)は、ポリプロピレンである、
請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
【請求項7】
前記強化繊維(C)は、ガラス繊維または炭素繊維である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形体。
【請求項9】
自動車部品である、請求項8に記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂組成物および成形体に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
樹脂組成物に強化繊維を含有させた繊維強化樹脂組成物は、軽量かつ高強度な成形体を成形できることから、各種用途に使用されている。
【0003】
このような繊維強化樹脂組成物として、特許文献1には、ポリオレフィンおよびポリアミドを相分離させた構成の樹脂成分を有する繊維強化樹脂組成物が記載されている。特許文献1に記載の繊維強化樹脂組成物は、分散相(ポリオレフィンおよびポリアミドのうち一方の相)のうち、強化繊維の平均断面積以下の断面積を有する分散相の断面積の合計を、すべての分散相の断面積の合計に対して10面積%以下としている。そして、これにより、分散相により亀裂の発生および進行を抑制させて脆性破壊を生じにくくした成形体が得られると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-210379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、ポリオレフィンおよびポリアミドを相分離させた繊維強化樹脂組成物を用いることで、脆性破壊が生じにくい成形体が得られると記載されている。しかし、本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載の繊維強化樹脂組成物から成形した成形体は、実際は微小なクラックが生じやすかった。この原因を詳しく調べてみたところ、特許文献1に記載の繊維強化樹脂組成物から成形した成形体は、ポリオレフィン相とポリアミド相との間の界面剥離が生じており、この界面剥離が生じた部分学ラックの起点となっていることがわかった。
【0006】
そこで本発明者らは、ポリオレフィンとポリアミドとの間の界面剥離を抑制する方法を種々検討してみたが、界面剥離を生じにくくしようとすると、成形体の曲げ物性や引張物性が低下したり、経時的な負荷による変形が生じやすかったり(具体的にいうと、引張クリープ歪が大きくなったり)することがあった。
【0007】
上記問題に鑑み、本発明は、成形体におけるポリオレフィンとポリアミドとの間の界面剥離を抑制しつつ、曲げ物性や引張物性の低下や引張クリープ歪の増加も抑制できる繊維強化樹脂組成物、および当該繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形体を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[7]の繊維強化樹脂組成物に関する。
[1]変性されていないポリオレフィン(A)と、
炭素数が10以上の単量体に由来する構成単位を有するポリアミド(B)と、
強化繊維(C)と、
変性ポリオレフィン(D)と、を含有し、
前記ポリオレフィン(A)、前記ポリアミド(B)および前記強化繊維(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、
前記ポリオレフィン(A)の含有量は40質量部以上80質量部以下であり、
前記ポリアミド(B)の含有量は1質量部以上20質量部以下であり、
前記強化繊維(C)の含有量は10質量部以上70質量部以下であり、
前記変性ポリオレフィン(D)の含有量は1質量部以上5質量部以下である、
繊維強化樹脂組成物。
[2]前記ポリオレフィン(A)、前記ポリアミド(B)および前記強化繊維(C)の含有量の合計を100質量部としたとき、
前記ポリオレフィン(A)の含有量は35質量部以上55質量部以下であり、
前記強化繊維(C)の含有量は40質量部以上60質量部以下である、
[1]に記載の繊維強化樹脂組成物。
[3]前記強化繊維(C)は、アクリル系の集束剤またはポリアミド系の集束剤で集束されている、
[1]または[2]に記載の繊維強化樹脂組成物。
[4]前記ポリオレフィン(A)および前記ポリアミド(B)は、前記ポリオレフィン(A)による連続相の中に前記ポリアミド(B)による分散相が分散された海島構造を形成しており、
前記分散相の平均円相当径は、1.0μm以下である、
[1]~[3]のいずれかに記載の繊維強化樹脂組成物。
[5]前記ポリアミド(B)は、ポリアミド12である、
[1]~[4]のいずれかに記載の繊維強化樹脂組成物。
[6]前記ポリオレフィン(A)は、ポリプロピレンである、
[1]~[5]のいずれかに記載の繊維強化樹脂組成物。
[7]前記強化繊維(C)は、ガラス繊維または炭素繊維である、
[1]~[6]のいずれかに記載の繊維強化樹脂組成物。
【0009】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、下記[8][9]の成形体に関する。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形体。
[9]自動車部品である、[8]に記載の成形体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、成形体におけるポリオレフィンとポリアミドとの間の界面剥離を抑制しつつ、曲げ物性や引張物性の低下や引張クリープ歪の増加も抑制できる繊維強化樹脂組成物、および当該繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形体が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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