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公開番号2024134443
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044751
出願日2023-03-20
発明の名称光硬化性液状ポリオレフィンおよび組成物
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 299/00 20060101AFI20240926BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、高い光硬化性を有し、且つ、光硬化後の外観や力学特性の経時変化が少ない成形体を形成可能な光硬化性液状ポリオレフィンおよび光硬化性原料を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明は、下記の要件(a1)~(a6)を満たし、且つ、1分子あたりの平均として1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に関する。
(a1)エチレンから導かれる構成単位の含有量が、エチレンから導かれる構成単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量の合計を100モル%としたときに、15~85mol%の範囲にある;
(a2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により得られた数平均分子量(Mn)が、400~40,000である;
(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により得られた数平均分子量(Mn)を基準とする炭素数1,000個あたりの内部オレフィン含有量が平均として2個以下である;
(a4)150℃における回転粘度が10~8,000mPa・sの範囲にある;
(a5)ハーゼン色相が100以下である;
(a6)流動点が0℃以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の要件(a1)~(a6)を満たし、且つ、1分子あたりの平均として1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)。
(a1)エチレンから導かれる構成単位の含有量が、エチレンから導かれる構成単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量の合計を100モル%としたときに、15~85mol%の範囲にある;
(a2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により得られた数平均分子量(Mn)が、400~40,000の範囲である;
(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により得られた数平均分子量(Mn)を基準とする炭素数1,000個あたりの内部オレフィン含有量が平均として2個以下である;
(a4)150℃における回転粘度が10~8,000mPa・sの範囲である;
(a5)ハーゼン色相が300以下である;
(a6)流動点が0℃以下である。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
α-オレフィンがプロピレンである請求項1に記載の変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)。
【請求項3】
メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上の化合物に対応する構成単位を含む請求項1に記載の変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)。
【請求項4】
エチレン・α-オレフィン共重合体(A’)を不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(X)によってグラフト変性する工程(S1)と、
前記工程(S1)に続いて、メタクリル酸の誘導体およびアクリル酸の誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(Y)によってグラフト変性する工程(S2)と
を含むエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の製造方法。
【請求項5】
前記化合物(X)が無水マレイン酸である請求項4に記載のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の製造方法。
【請求項6】
前記化合物(Y)がメタクリル酸2-ヒドロキシエチルおよびアクリル酸2-ヒドロキシエチルからなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項4又は請求項5に記載のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の製造方法。
【請求項7】
(メタ)アクリルモノマーと請求項1に記載の変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を含む組成物。
【請求項8】
(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能アクリルモノマーと請求項1に記載の変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)を含む組成物。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の組成物を光硬化させた成形体。
【請求項10】
請求項7または請求項8に記載の組成物を含む成形体用原料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性液状ポリオレフィンおよびその組成物、より詳しくは、(メタ)アクリロイル基を含有する光硬化性を示す変性エチレン・α-オレフィン共重合体およびその組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
光の照射により発生するラジカルやカチオンを起点として、ビニル基、(メタ)アクリロイル基やエポキシ基など重合性を有するオリゴマー、モノマー間の反応により架橋構造が形成する光硬化性樹脂は、省エネルギーと環境負荷低減の観点から注目をあびている。光として紫外線を利用する紫外線硬化性樹脂は、室温、且つ短時間で硬化が可能なため基材へのダメージが少なく省エネルギーな取り扱いが可能である。また、樹脂は分子量が低いオリゴマーが主成分のため、シンナーによる減粘が不要のため、環境負荷を低減可能である。また3Dプリンターのように塗工と同時に紫外線照射することで、紫外線硬化性樹脂による立体像形成も可能である。そのため、紫外線硬化性樹脂の塗料、インキ、コーティング材料、粘接着剤、製版材料、レジスト、封止材などの用途展開が検討されている。このような光硬化性樹脂を、ポリオレフィン等の低極性基材に適用することも検討されている。
【0003】
光硬化性樹脂をポリオレフィンに適用しようとする場合、光硬化性樹脂は、多くの場合光硬化性液状ポリオレフィンの形で用いられることになる。一方、光硬化性樹脂は、(メタ)アクリロイル基など、光の照射によりラジカルおよび/またはカチオンを生成可能な官能基を有することが必須である。このため、光硬化性樹脂は、ポリオレフィン等の低極性基材への利用が難しいとされてきた。そのような状況においても、光硬化性樹脂をポリオレフィン等の低極性基材に適用しようとする試みが種々なされており、それに関するいくつかの報告が挙げられている。
【0004】
特許文献1および特許文献2では、特定の(メタ)アクリロイル基を有する共役ジエン系ポリマーとしてポリイソプレンが提案されている。光硬化前後の体積変化が小さく、且つ光硬化後の高い力学特性が特徴であるが、光硬化物の経時変化は言及されていない。また、特許文献3では、(メタ)アクリル酸エステルを導入した特定の分子構造を有するポリブタジエンの製造方法が提案されている。光硬化前後の粘度変化を測定することにより優れた光硬化性が提案されているものの、光硬化物の品質は言及されていない。さらに、特許文献4では、(メタ)アクリル酸エステルを導入した特定の分子構造を有する水素添加されたポリブタジエンが提案されている。水素添加することで光硬化直後および耐熱試験後の黄変が従来の変性ポリブタジエンに比べて改善されていることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-192745号公報
特開2003-192750号公報
特許第5265116号公報
特許第6059356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のいずれの光硬化性液状ポリオレフィンにおいても、分子内に不飽和結合、特に、イソプレンまたはブタジエンに由来する内部オレフィンに基づく不飽和結合、を有する可能性があるため、光硬化物の品質の経時安定性に課題があった。
【0007】
本発明は、高い光硬化性を有し、且つ、光照射後の外観や力学特性の経時変化が少ない成形体を形成可能な光硬化性液状ポリオレフィンおよび光硬化性原料を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、光硬化性液状ポリオレフィンとして、特定の要件を満たす変性エチレン・α-オレフィン共重合体を採用することにより上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下を提供する。
[1] 下記の要件(a1)~(a6)を満たし、且つ、1分子あたりの平均として1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)。
(a1)エチレンから導かれる構成単位の含有量が、エチレンから導かれる構成単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量の合計を100モル%としたときに、15~85mol%の範囲にある;
(a2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により得られた数平均分子量(Mn)が、400~40,000の範囲である;
(a3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により得られた数平均分子量(Mn)を基準とする炭素数1,000個あたりの内部オレフィン含有量が平均として2個以下である;
(a4)150℃における回転粘度が10~8,000mPa・sの範囲である;
(a5)ハーゼン色相が300以下である;
(a6)流動点が0℃以下である。
【0010】
[2] α-オレフィンがプロピレンである[1]に記載の変性エチレン・α-オレフィン共重合体(A)。
(【0011】以降は省略されています)

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