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公開番号2024131563
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023041907
出願日2023-03-16
発明の名称粘接着剤用ゴム組成物
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C09J 123/22 20060101AFI20240920BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】耐熱老化性および低温柔軟性に優れた粘接着剤用ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】ブチル系ゴム(A)100質量部と、下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(B)1~200質量部を含む、粘接着剤用ゴム組成物;要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が10~90モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;要件(b-2):100℃における動粘度が10~5,000mm2/sの範囲にある;要件(b-3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~50,000の範囲にある;要件(b-4):流動点が-60~-5℃の範囲にある。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ブチル系ゴム(A)100質量部と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(B)1~200質量部を含む、粘接着剤用ゴム組成物;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が10~90モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sの範囲にある;
要件(b-3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~50,000の範囲にある;
要件(b-4):流動点が-60~-5℃の範囲にある。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
架橋剤(C)を0~3質量部含む、請求項1に記載の粘接着剤用ゴム組成物。
【請求項3】
前記要件(b-1)において、エチレンから導かれる構造単位の含有量が40~60モル%の範囲にあり、
前記要件(b-2)において、100℃における動粘度が100~3,000mm
2
/sの範囲にあり、
前記要件(b-3)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が5,000~20,000の範囲にあり、かつ
前記要件(b-4)において、流動点が-20~0℃の範囲にある、請求項1に記載の粘接着剤用ゴム組成物。
【請求項4】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の含有量が10~100質量部の範囲にある、請求項1に記載の粘接着剤用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を含む粘接着剤。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を含むホットメルト接着剤。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を含む粘着テープ。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を粘着シート。
【請求項9】
ブチル系ゴム(A)100質量部と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(B)1~200質量部を混合する工程を含む、粘接着剤用ゴム組成物の製造方法;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が10~90モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sの範囲にある;
要件(b-3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~50,000の範囲にある;
要件(b-4):流動点が-60~-5℃の範囲にある。
【請求項10】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)が、下記方法(α)により製造されるエチレン・α-オレフィン共重合体(B)である、請求項9に記載の製造方法;
方法(α):下記式(式1)で表される架橋メタロセン化合物(P-1)、ならびに、
有機金属化合物(Q-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(Q-2)および前記架橋メタロセン化合物(P-1)と反応してイオン対を形成する化合物(Q-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(Q)を含む触媒系の存在下で、エチレンとα-オレフィンとを重合する工程を含む方法。
JPEG
2024131563000009.jpg
79
156
[式[1]において、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
8
、R
9
およびR
12
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、互いに連結して環構造を形成していてもよく、R
6
およびR
11
は、互いに同一の基であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、R
7
およびR
10
は、互いに同一の基であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、R
6
およびR
7
は、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成していてもよく、R
10
およびR
11
は、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成していてもよく、R
6
、R
7
、R
10
およびR
11
は、同時に水素原子ではなく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、

13
およびR
14
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、互いに連結して環構造を形成していてもよく、Mは、Ti、ZrまたはHfであり、Qは独立して、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり、jは、1~4の整数である。]
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘接着剤用ゴム組成物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
ブチル系ゴムは他合成ゴムと異なり、高い粘着性を有しているため、粘接着剤のベースゴムとして用いられている。このとき、粘接着力の調整や硬さの調整などを目的に可塑剤が添加される場合がある。例えば特許文献1では、ブチルゴムにポリイソブチレンを添加する配合が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-40280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリイソブチレンは温度による粘度の変化が大きく、したがって、ポリイソブチレンを添加したブチルゴムベースの粘接着剤の特性も、温度によって大きく変化してしまう問題がある。具体的には、低粘度のポリイソブチレンを用いると低温での柔軟性は良好だが耐熱性が低下する、高粘度のポリイソブチレンではその逆である。
したがって、本発明は、耐熱老化性および低温柔軟性に優れた粘接着剤用ゴム組成物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題の解決に向け、鋭意検討した結果、ブチル系ゴム(A)と、特定のエチレン・α-オレフィン共重合体(B)を用いることにより、耐熱老化性および低温柔軟性に優れた粘接着剤用ゴム組成物が得られることを見出した。
本発明は、たとえば以下の[1]~[14]に関する。
[1]
ブチル系ゴム(A)100質量部と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(B)1~200質量部を含む、粘接着剤用ゴム組成物;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が10~90モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sの範囲にある;
要件(b-3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~50,000の範囲にある;
要件(b-4):流動点が-60~-5℃の範囲にある。
[2]
架橋剤(C)を0~3質量部含む、[1]に記載の粘接着剤用ゴム組成物。
[3]
前記要件(b-1)において、エチレンから導かれる構造単位の含有量が40~60モル%の範囲にあり、
前記要件(b-2)において、100℃における動粘度が100~3,000mm
2
/sの範囲にあり、
前記要件(b-3)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が5,000~20,000の範囲にあり、かつ
前記要件(b-4)において、流動点が-20~0℃の範囲にある、[1]に記載の粘接着剤用ゴム組成物。
[4]
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の含有量が10~100質量部の範囲にある、[1]または[3]に記載の粘接着剤用ゴム組成物。
[5]
[1]から[4]のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を含む粘接着剤。
[6]
[1]から[4]のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を含むホットメルト接着剤。
[7]
[1]から[4]のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を含む粘着テープ。
[8]
[1]から[4]のいずれか1項に記載の粘接着剤用ゴム組成物を粘着シート。
[9]
ブチル系ゴム(A)100質量部と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(B)1~200質量部を混合する工程を含む、粘接着剤用ゴム組成物の製造方法;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が10~90モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sの範囲にある;
要件(b-3):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~50,000の範囲にある;
要件(b-4):流動点が-60~-5℃の範囲にある。
[10]
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(B)が、下記方法(α)により製造されるエチレン・α-オレフィン共重合体(B)である、[9]に記載の製造方法;
方法(α):下記式(式1)で表される架橋メタロセン化合物(P-1)、ならびに、
有機金属化合物(Q-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(Q-2)および前記架橋メタロセン化合物(P-1)と反応してイオン対を形成する化合物(Q-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(Q)を含む触媒系の存在下で、エチレンとα-オレフィンとを重合する工程を含む方法。
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2024131563000001.jpg
79
158
[式[1]において、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
8
、R
9
およびR
12
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、互いに連結して環構造を形成していてもよく、R
6
およびR
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐熱老化性および低温柔軟性に優れた粘接着剤用ゴム組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について具体的に説明する。なお、本明細書において、数値範囲を示す「~」は、例えば「M~N」と表記した場合、特に断りがなければ「M以上、N以下」を意味する。
本明細書において、ある重合体を構成するオレフィンをMとしたときに、「Mから導かれる構造単位」なる表現が用いられることがあるが、これは「Mに対応する構造単位」、すなわち、Mの二重結合を構成するπ結合が開くことにより形成される、一対の結合手を有する構成単位をいう。
本明細書において、「(メタ)アクリル」なる語は、アクリル、メタクリル、アクリルとメタクリルの両方を包括する概念として用いられる。
本明細書において、「芳香族」および「芳香環」なる語は、ベンゼン環のみならず、ナフタレン、アントラセン、トリフェニレンなど縮合多環芳香族や、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジンなど複素芳香族、シクロペンタジエニルアニオンなどイオン性芳香族、またアズレン、ポルフィリンなど芳香族性を示す種々の化合物、芳香族性を示す環を包括する概念として用いられる。
【0008】
[粘接着剤用ゴム組成物]
本発明にかかる粘接着剤用ゴム組成物は、以下に示すブチル系ゴム(A)と以下に示すエチレン・α-オレフィン共重合体(B)を含有する。
【0009】
[ブチル系ゴム(A)]
ブチル系ゴムはイソブチレンを主体として含むゴムである。これらのブチル系ゴムは、通常、イソブチレンとイソプレンを共重合させることにより得られる。これ以外にも、イソブチレンとビニル芳香族化合物を共重合させ得られるゴムも用いることができる。また、イソブチレンとイソプレンやビニル芳香族化合物を共重合させることにより得られたブチル系ゴムに、必要に応じ臭素化、塩素化などの変性反応をさせて得られたブチル系ゴムでもよく、また、これらを更に2次変性して得られたブチル系ゴムでもよい。たとえば、ブチルゴム(IIR)などの非ハロゲン化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl-IIR)などのハロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、臭素化イソブチレン・p-メチルスチレン共重合ゴムなど特殊ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられる。なかでも、高い耐熱性を有する点から、塩素や臭素などのハロゲン成分の含量が3%以下、より好ましくは1%以下であるブチル系ゴムが好ましい。これらのブチル系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】
イソブチレンとビニル芳香族化合物を共重合させる場合、続く臭素化および架橋での反応点とするため、芳香環上にアルキル基が置換しており、ベンジル位を含む方が好ましい。このようなビニル芳香族化合物としては、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-エチルスチレン、m-エチルスチレン、3,4-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルスチレンなどが挙げられる。これらビニル芳香族化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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