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公開番号
2024131547
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023041881
出願日
2023-03-16
発明の名称
繊維強化樹脂の製造方法および繊維強化樹脂
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類
C08J
5/04 20060101AFI20240920BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】切断時に割れや欠けが発生しにくく、なおかつ製造時にも割れが発生しにくい繊維強化樹脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】複数の強化繊維を一方向に配向して配列させて走行させる工程と、前記走行されている複数の強化繊維に、熱可塑性樹脂を含浸させる工程と、前記複数の強化繊維に含浸された熱可塑性樹脂を、冷却ローラーにより加圧しながら冷却する工程と、を有し、前記冷却ローラーは、前記強化繊維の走行方向における表面の算術平均粗さをRa
(C1)
とし、前記走行方向に直交する方向における表面の算術平均粗さをRa
(C2)
としたとき、下記の条件を満たす、繊維強化樹脂の製造方法。
条件1: Ra
(C1)
は0.2μm以上1.0μm以下である
条件2: Ra
(C2)
/Ra
(C1)
は0.9以上1.1以下である
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維強化樹脂の製造方法であって、
複数の強化繊維を一方向に配向して配列させて走行させる工程と、
前記走行されている複数の強化繊維に、熱可塑性樹脂を含浸させる工程と、
前記複数の強化繊維に含浸された熱可塑性樹脂を、冷却ローラーにより加圧しながら冷却する工程と、を有し、
前記冷却ローラーは、前記強化繊維の走行方向における表面の算術平均粗さをRa
(C1)
とし、前記走行方向に直交する方向における表面の算術平均粗さをRa
(C2)
としたとき、下記の条件を満たす、
繊維強化樹脂の製造方法。
条件1: Ra
(C1)
は0.2μm以上1.0μm以下である
条件2: Ra
(C2)
/Ra
(C1)
は0.9以上1.1以下である
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記冷却ローラーは、表面の展開面積率Sdr
(C)
が10%以上90%以下である、
請求項1に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂の冷却は、前記強化繊維に800cN以上2500cN以下の張力をかけて行う、
請求項1に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂の冷却は、前記熱可塑性樹脂に1.0bar以上8.0bar以下の圧力を加圧しながら行う、
請求項1に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンである、
請求項1に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
【請求項6】
一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、
前記複数の強化繊維に含浸した熱可塑性樹脂と、を有し、
前記複数の強化繊維の配向方向における表面の術平均粗さをRa
(P1)
とし、前記配向方向に直交する方向における表面の算術平均粗さをRa
(P2)
としたとき、下記の条件を満たす、
繊維強化樹脂。
条件3: Ra
(P1)
は0.2μm以上1.0μm以下である
条件4: Ra
(P2)
/Ra
(P1)
は0.8以上1.2以下である
【請求項7】
表面の展開面積率Sdr
(P)
が5%以上70%以下である、
請求項6に記載の繊維強化樹脂。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンである、
請求項6に記載の繊維強化樹脂。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化樹脂の製造方法および繊維強化樹脂に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
一方向に配向して配列された複数の強化繊維と、上記強化繊維に含浸された熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物(マトリクス樹脂)と、を含む薄膜状の繊維強化樹脂シート(以下、単に「Uni-Direction (UD)シート」ともいう。)が知られている。このUDシートは、金属よりも軽量であり、一方で引張強度などの機械的強度が高いため、各種用途への応用が期待されている。UDシートは、一方向に配向して配列させた複数の強化繊維に、樹脂を含浸させる方法などにより作製することができる(たとえば特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2001-525749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
UDシートは、たとえばある物体の表面に貼り付けて強化材とするときには、貼り付ける物体の表面形状にあわせて切断されるなど、様々な形状に切断されて使用される。しかし、本発明者らの知見によると、従来のUDシートは切断する際に、繊維の配向方向に沿った割れや、シートの欠けが発生しやすかった。そこで、本発明者らは、割れや欠けが生じにくいUDシートを製造する方法を種々検討したが、製造方法によっては、製造時にUDシートに割れが発生することもあった。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、切断時に割れや欠けが発生しにくく、なおかつ製造時にも割れが発生しにくい繊維強化樹脂の製造方法、および切断時に割れや欠けが発生しにくい繊維強化樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、下記[1]~[5]の繊維強化樹脂の製造方法に関する。
[1]繊維強化樹脂の製造方法であって、
複数の強化繊維を一方向に配向して配列させて走行させる工程と、
前記走行されている複数の強化繊維に、熱可塑性樹脂を含浸させる工程と、
前記複数の強化繊維に含浸された熱可塑性樹脂を、冷却ローラーにより加圧しながら冷却する工程と、を有し、
前記冷却ローラーは、前記強化繊維の走行方向における表面の算術平均粗さをRa
(C1)
とし、前記走行方向に直交する方向における表面の算術平均粗さをRa
(C2)
としたとき、下記の条件を満たす、
繊維強化樹脂の製造方法。
条件1: Ra
(C1)
は0.2μm以上1.0μm以下である
条件2: Ra
(C2)
/Ra
(C1)
は0.9以上1.1以下である
[2]前記冷却ローラーは、表面の展開面積率Sdr
(C)
が10%以上90%以下である、
[1]に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
[3]前記熱可塑性樹脂の冷却は、前記強化繊維に800cN以上2500cN以下の張力をかけて行う、
[1]または[2]に記載の繊維強化樹脂の製造方法。
[4]前記熱可塑性樹脂の冷却は、前記熱可塑性樹脂に1.0bar以上8.0bar以下の圧力を加圧しながら行う、
[1]~[3]のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
[5]前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンである、
[1]~[4]のいずれかに記載の繊維強化樹脂の製造方法。
【0007】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、下記[6]~[8]の繊維強化樹脂に関する。
[6]一方向に配向して配列した複数の強化繊維と、
前記複数の強化繊維に含浸した熱可塑性樹脂と、を有し、
前記複数の強化繊維の配向方向における表面の術平均粗さをRa
(P1)
とし、前記配向方向に直交する方向における表面の算術平均粗さをRa
(P2)
としたとき、下記の条件を満たす、
繊維強化樹脂。
条件3: Ra
(P1)
は0.2μm以上1.0μm以下である
条件4: Ra
(P2)
/Ra
(P1)
は0.8以上1.2以下である
[7]表面の展開面積率Sdr
(P)
が5%以上70%以下である、
[6]に記載の繊維強化樹脂。
[8]前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィンである、
[6]または[7]に記載の繊維強化樹脂。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、切断時に割れや欠けが発生しにくく、なおかつ製造時にも割れが発生しにくい繊維強化樹脂の製造方法、および切断時に割れや欠けが発生しにくい繊維強化樹脂が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、UDシートの製造装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.繊維強化樹脂の製造方法
1-1.製造方法
本発明の一実施形態は、一方向に配向して配列された複数の強化繊維と、上記強化繊維に含浸された樹脂組成物(マトリクス樹脂)と、を含む、シート状の繊維強化樹脂(UDシート)の製造方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)
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