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公開番号
2025097116
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-30
出願番号
2023213218
出願日
2023-12-18
発明の名称
積層体およびその製造方法
出願人
三井化学株式会社
代理人
弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類
B32B
27/32 20060101AFI20250623BHJP(積層体)
要約
【課題】インフレーション成形に供した場合にバブルの安定性に優れる積層体をおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)を含むA層と、熱可塑性樹脂(B)を含むB層と、を備える、積層体およびその製造方法。要件(A1-1)~(A1-7)の詳細は明細書中に示す。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)を含むA層と、
熱可塑性樹脂(B)を含むB層と、
を備える、積層体;
要件(A1-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m
3
;
要件(A1-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃以上220℃未満;
要件(A1-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満;
要件(A1-4):示差走査熱量計により下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上であるか、または計測されない;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A1-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A1-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A1-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.6を超え4.0dl/g以下。
続きを表示(約 2,500 文字)
【請求項2】
前記A層における、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)の含有量が60~100質量%であり、
下記要件(A2-1)~(A2-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A2)の含有量が0~40質量%である(但し、前記重合体(A1)および前記重合体(A2)の合計含有量は100質量%である)、請求項1に記載の積層体;
要件(A2-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m
3
;
要件(A2-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、210℃~240℃;
要件(A2-3):融解エンタルピーΔHが40J/g未満;
要件(A2-4):示差走査熱量計により下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以下;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A2-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A2-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A2-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~5.0dl/g。
【請求項3】
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)が、下記要件(A1-8)をさらに満たす、請求項1または2に記載の積層体;
要件(A1-8):260℃で測定した溶融張力が10mN以上である。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリエチレンまたはポリプロプレンである、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項5】
厚さが1~70μmである、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項6】
インフレーションフィルムである、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項7】
包装用である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項8】
下記要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)および下記要件(A2-1)~(A2-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A2)を含む樹脂組成物(X)と、熱可塑性樹脂(B)と、を、膨比(バブル比)が1.0を超え、かつ、成形温度が260℃未満となる条件で、積層インフレーション成形する工程を含む、積層体の製造方法;
要件(A1-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m
3
;
要件(A1-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃以上220℃未満;
要件(A1-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満;
要件(A1-4):示差走査熱量計により下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上、または計測されない;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A1-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A1-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A1-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.6を超え4.0dl/g以下;
要件(A2-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m
3
;
要件(A2-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、220℃~240℃;
要件(A2-3):融解エンタルピーΔHが40J/g未満;
要件(A2-4):DSCにより下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以下;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A2-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A2-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A2-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~5.0dl/g。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は積層体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 5,900 文字)
【背景技術】
【0002】
4-メチル-1-ペンテン系重合体は、ポリエチレンやポリプロピレンに比べて、耐熱性、透明性、軽量性、耐スチーム性、離型性、耐汚染性、ガス透過性、電気特性など優れた特徴を有する。このような優れた特性を他素材に付与することができることから、4-メチル-1-ペンテン系重合体の層と、他素材の層とを備える積層体は、食品容器、電子・情報部材用副資材、実験器具、文房具、架橋用工程部材、離型フィルム、電子・情報部材用フィルム、食品包材、合成紙など様々な分野での利用が期待される。
【0003】
膜厚にばらつきが少なく膜厚精度(厚薄精度)が良好で、耐熱性を有するフィルムとして、例えば、特許文献1には特定の要件を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を含むことを特徴とするフィルムが開示されている。
また、膜厚にばらつきが少なく膜厚精度(厚薄精度)が良好で、耐熱性を有する積層体として、例えば、特許文献2には特定の要件を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体組成物(X)を含むX層と、熱可塑性樹脂(Y)を含むY層とを含むことを特徴とする積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-102070号公報
特開2023-102071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた積層フィルムの製造方法としては、キャストフィルム法が知られているが、キャストフィルム法では平板状のフィルムやシートしか得られないこと、またその端部の厚さが不均一となりやすく、不均一な部分(耳部)をトリミングで切除するため歩留まりが悪いことなどの問題がある。このため、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む層を有し、厚さの均質な積層体が求められ、特にインフレーションフィルム成形で得られる積層体が求められていた。
しかしながら、4-メチル-1-ペンテン系重合体は、一般に延伸性に乏しく、例えば、特許文献1および2に記載の組成物を用いて、延伸を伴うインフレーションフィルム成形した場合、安定成形が可能な程度のバブルの安定性については更なる改良が求められている。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、インフレーション成形に供した場合にバブルの安定性に優れる積層体をおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意検討した結果、特定の要件を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む層と熱可塑性樹脂を含む層とを備える積層体において、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)を含むA層と、
熱可塑性樹脂(B)を含むB層と、
を備える、積層体;
要件(A1-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が 0.82~0.88g/m
3
;
要件(A1-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃以上220℃未満;
要件(A1-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満;
要件(A1-4):示差走査熱量計により下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上であるか、または計測されない;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A1-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A1-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィン から導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A1-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.6を超え4.0dl/g以下。
<2> 前記A層における、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)の含有量が60~100質量%であり、
下記要件(A2-1)~(A2-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A2)の含有量が0~40質量%である(但し、前記重合体(A1)および前記重合体(A2)の合計含有量は100質量%である)、<1>に記載の積層体;
要件(A2-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が 0.82~0.88g/m
3
;
要件(A2-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、210℃~240℃ ;
要件(A2-3):融解エンタルピーΔHが40J/g未満;
要件(A2-4):示差走査熱量計により下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以下;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A2-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A2-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A2-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~5.0dl/g。
<3> 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)が、下記要件(A1-8)をさらに満たす、<1>または<2>に記載の積層体;
要件(A1-8):260℃で測定した溶融張力が10mN以上である。
<4> 前記熱可塑性樹脂(B)が、ポリエチレンまたはポリプロプレンである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5> 厚さが1~70μmである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6> インフレーションフィルムである、<1>~<5>のいずれか1つに記載の積層体。
<7> 包装用である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の積層体。
<8> 下記要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)および下記要件(A2-1)~(A2-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A2)を含む樹脂組成物(X)と、熱可塑性樹脂(B)と、を、膨比(バブル比)が1.0を超え、かつ、成形温度が260℃未満となる条件で、積層インフレーション成形する工程を含む、積層体の製造方法;
要件(A1-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m
3
;
要件(A1-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、190℃以上220℃未満;
要件(A1-3):融解エンタルピーΔHが35J/g未満;
要件(A1-4):示差走査熱量計により下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以上、または計測されない;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A1-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A1-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A1-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.6を超え4.0dl/g以下;
要件(A2-1):JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定した密度が0.82~0.88g/m
3
;
要件(A2-2):示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点(Tm)が、220℃~240℃;
要件(A2-3):融解エンタルピーΔHが40J/g未満;
要件(A2-4):DSCにより下記の測定方法で測定した215℃での半結晶化時間が220秒以下;
半結晶化時間の測定方法:(株)パーキンエルマー製のDSC8500を用いて、500℃/分の昇温速度で30℃から280℃まで昇温し、10分間温度を保持した後、500℃/分の降温速度で215℃まで降温したときの215℃状態での半結晶化時間を計測する;
要件(A2-5):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)が6.0以下;
要件(A2-6):4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の含有量が90.0モル%以上100モル%未満であり、炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の含有量が0モル%を超え10.0モル%以下(但し、前記4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位および前記炭素数10~20のα-オレフィンから導かれる構成単位の合計含有量は100モル%とする);
要件(A2-7):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~5.0dl/g。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、インフレーション成形に供した場合にバブルの安定性に優れる積層体およびその製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細を説明する。以下に記載する構成要件の内容の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本明細書において、「~」を用いて表される数値の範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、組成物中の各成分量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に拘らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後いずれか一方に記載される単位は、特に断りがない限り同じ単位を示すことを意味する。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における各種モノマーは、化石原料由来であってもよく、バイオマス由来であってもよい。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0009】
<積層体>
本発明に係る積層体は、要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)を含むA層と、熱可塑性樹脂(B)を含むB層と、を備える。
積層体は上記構成を有することでインフレーション成形に供した場合にバブルの安定性に優れる。この理由は明らかではないが以下のメカニズムが推察される。
A層に含まれる4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)は要件(A1-1)~(A1-7)を満たすので、結晶化速度を下げることが可能となり、冷却時のフィルムの破断を抑制でき、かつ、インフレ成形に適した溶融張力を有しているため熱可塑性樹脂(B)を含むB層とインフレーション成形に供した場合にバブルの安定性に優れる。
また、A層に含まれる4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)は、極限粘度[η]が0.6を超え4.0dl/g以下であり、かつ、融点(Tm)が、190℃以上220℃未満である条件を満たしているので、A層は、例えば、ポリエチレンなどの低融点のポリオレフィンからなる層との積層も可能となり、かつ、得られる積層体の外観が良好なインフレーション成形が可能となると推察している。
以下、本発明に係る積層体が備えるA層およびB層について詳細に説明する。
【0010】
<<A層>>
A層は、下記要件(A1-1)~(A1-7)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A1)(以下、単に「重合体(A1)」ともいう場合がある。)を含み、好ましくは、重合体(A1)と後述する重合体(A2)とを含む。
以下、各層に含まれる各成分について説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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