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公開番号2024125550
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033428
出願日2023-03-06
発明の名称ポリプロピレン樹脂組成物
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 53/00 20060101AFI20240911BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】剛性と耐衝撃性のバランスに優れる、プロピレン系重合体、ポリアミド樹脂、変性エチレン系共重合体、およびエチレン系エラストマーを含むポリプロピレン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体(a)、ポリオレフィン組成物(b)、およびエチレン系エラストマー(c)を含有するポリプロピレン樹脂組成物であり、前記ポリオレフィン組成物(b)は、プロピレン系重合体(b1)、脂肪族ポリアミド樹脂(b2)、および変性エチレン系共重合体(b3)を含み、かつ特定の相構造を有し、前記変性エチレン系共重合体(b3)は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)に対し反応性を有する基を含む部分が特定の未変性のエラストマー(b3’)に付加されたエラストマーである、ポリプロピレン樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プロピレン系重合体(a)、ポリオレフィン組成物(b)、およびエチレン系エラストマー(c)を含有するポリプロピレン樹脂組成物であり、
前記プロピレン系重合体(a)の室温(23℃)におけるデカン可溶部量が、プロピレン系重合体(a)の全質量に対して、3質量%以上20質量%以下であり、
前記ポリオレフィン組成物(b)は、プロピレン系重合体(b1)、脂肪族ポリアミド樹脂(b2)、および変性エチレン系共重合体(b3)を含み、かつ
プロピレン系重合体(b1)を含む連続相(α)と、前記連続相(α)中に分散された脂肪族ポリアミド樹脂(b2)および変性エチレン系共重合体(b3)を含む分散相(β)およびエチレン系エラストマー(c)を含む分散相(γ)とを有し、
前記変性エチレン系共重合体(b3)は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)に対し反応性を有する基を含む部分が未変性のエラストマー(b3’)に付加されたエラストマーであり、前記未変性のエラストマー(b3’)は、エチレンに由来する構造単位と炭素数3~8のα-オレフィンに由来する構造単位を含むオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
前記連続相(α)と前記分散相(β)および前記分散相(γ)との合計を100質量%とした場合に、前記分散相(β)が1質量%以上50質量%以下および分散相(γ)が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記プロピレン系重合体(b1)がプロピレン単独重合体、または室温(23℃)におけるデカン可溶部量がプロピレン系重合体の全質量に対して、3質量%~20質量%以下であり、かつASTM D 1238に準拠した、230℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が1~200g/10分のプロピレン系重合体である請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項3】
前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド610およびポリアミド1010からなる群より選ばれる1種以上の脂肪族ポリアミド樹脂である請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項4】
前記エチレン系エラストマー(c)は、ASTM D1505に準拠した、密度が850~890kg/m

であり、ASTM D1238に準拠した、190℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR
2.16
)が0.1~50g/10minのエチレン系エラストマーである請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項5】
前記分散相(β)は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)を含む連続相(β1)と、前記連続相(β1)中に分散された変性エチレン系共重合体(b3)を含む微分散相(β2)とを有する請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項6】
前記プロピレン系重合体(a)の含有量が30質量%以上95質量%未満、前記ポリオレフィン組成物(b)の含有量が5質量%以上40質量%以下、前記エチレン系エラストマー(c)30質量%以下(ただし前記プロピレン系重合体(a)、前記ポリオレフィン組成物(b)、および前記エチレン系エラストマー(c)の含有量の合計を100質量%とする)である請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含むペレット。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む自動車内装材および自動車外装材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレン系重合体、ポリアミド樹脂、変性エチレン系共重合体、およびエチレン系エラストマーを含むポリプロピレン樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
プロピレン系重合体およびポリアミド樹脂と、相溶化剤としての役割を担う酸無水物基等の酸基が導入された変性エチレン系共重合体とを含む樹脂組成物は、耐衝撃性が向上した樹脂として検討されてきており、特定の相構造が形成されることが明らかにされている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6984616号
特許第7172141号
特許第6870690号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者らの検討によれば、プロピレン系重合体の種類によっては、プロピレン系重合体、ポリアミド樹脂、および変性エチレン系共重合体を含む樹脂組成物としても、耐衝撃性が十分に発揮しない場合があることが判明し、実用に供するためには、さらなる改良が必要となることが明らかになった。
【0005】
本発明は、剛性と耐衝撃性のバランスに優れる、プロピレン系重合体、ポリアミド樹脂、変性エチレン系共重合体およびエチレン系エラストマーを含むポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、このような状況において検討を行った結果、特定のプロピレン系重合体と、プロピレン系重合体、脂肪族ポリアミド樹脂、および変性エチレン系共重合体を含むポリオレフィン組成物とに加え、さらにエチレン系エラストマーを含み、かつそのポリオレフィン樹脂組成物が特定の相構造を有するポリプロピレン樹脂組成物によれば、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]~[9]に関する。
[1] プロピレン系重合体(a)、ポリオレフィン組成物(b)、およびエチレン系エラストマー(c)を含有するポリプロピレン樹脂組成物であり、
前記プロピレン系重合体(a)の室温(23℃)におけるデカン可溶部量が、プロピレン系重合体(a)の全質量に対して、3質量%以上20質量%以下であり、
前記ポリオレフィン組成物(b)は、プロピレン系重合体(b1)、脂肪族ポリアミド樹脂(b2)、および変性エチレン系共重合体(b3)を含み、かつ
プロピレン系重合体(b1)を含む連続相(α)と、前記連続相(α)中に分散された脂肪族ポリアミド樹脂(b2)および変性エチレン系共重合体(b3)を含む分散相(β)およびエチレン系エラストマー(c)を含む分散相(γ)とを有し、
前記変性エチレン系共重合体(b3)は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)に対し反応性を有する基を含む部分が未変性のエラストマー(b3’)に付加されたエラストマーであり、前記未変性のエラストマー(b3’)は、エチレンに由来する構造単位と炭素数3~8のα-オレフィンに由来する構造単位を含むオレフィン系熱可塑性エラストマーであり、
前記連続相(α)と前記分散相(β)および分散相(γ)との合計を100質量%とした場合に、前記分散相(β)が1質量%以上50質量%以下および分散相(γ)が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
【0008】
[2] 前記プロピレン系重合体(b1)がプロピレン単独重合体、または室温(23℃)におけるデカン可溶部量がプロピレン系重合体の全質量に対して、3質量%~20質量%以下であり、かつASTM D 1238に準拠した、230℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が1~200g/10分のプロピレン系重合体である[1]に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
[3] 前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)が、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612、ポリアミド610およびポリアミド1010からなる群より選ばれる1種以上の脂肪族ポリアミド樹脂である[1]または[2]に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
[4] 前記エチレン系エラストマー(c)は、ASTM D1505に準拠した、密度が850~890kg/m

であり、ASTM D1238に準拠した、190℃、2.16kg荷重の条件で測定したメルトフローレート(MFR
2.16
)が0.1~50g/10minのエチレン系エラストマーである[1]~[3]のいずれか1つに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
[5] 前記分散相(β)は、前記脂肪族ポリアミド樹脂(b2)を含む連続相(β1)と、前記連続相(β1)中に分散された変性エチレン系共重合体(b3)を含む微分散相(β2)とを有する[1]~[4]のいずれか1つに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
[6] 前記プロピレン系重合体(a)の含有量が30質量%以上95質量%未満、前記ポリオレフィン組成物(b)の含有量が5質量%以上40質量%以下、前記エチレン系エラストマー(c)30質量%以下(ただし前記プロピレン系重合体(a)、前記ポリオレフィン組成物(b)、および前記エチレン系エラストマー(c)の含有量の合計を100質量%とする)である[1]~[5]のいずれか1つに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
【0009】
[7] [1]~[6]のいずれか1つに記載のポリプロピレン樹脂組成物を含むペレット。
[8] [1]~[6]のいずれか1つに記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
[9] [1]~[6]のいずれか1つに記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む自動車内装材および自動車外装材。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、剛性と耐衝撃性のバランスに優れる、プロピレン系重合体、ポリアミド樹脂、変性エチレン系共重合体およびエチレン系エラストマーを含むポリプロピレン樹脂組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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