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公開番号2024125438
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2021127632
出願日2021-08-03
発明の名称放射性金属錯体及びその製造方法、並びに放射性金属捕捉剤
出願人住友化学株式会社,日本メジフィジックス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 51/04 20060101AFI20240911BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】医薬用途において安定的に存在できる放射性金属錯体及びその製造方法の提供。
【解決手段】放射性金属元素と、下記式(1)で表される配位子とを有し、放射性金属元素が、89Zr又は225Acである、放射性金属錯体。
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式(1)中、Q1~Q4は、式(A1)等で表される基からなる群から選ばれる基。Z1~Z4は単結合又は連結基。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
放射性金属元素と、下記式(1)で表される化合物に由来する配位子とを有し、
前記放射性金属元素が、
89
Zr又は
225
Acである、放射性金属錯体。
TIFF
2024125438000067.tif
30
149
[式(1)中、nは、1~3の整数を表す。


、Q

、Q

、及びQ

は、それぞれ独立に、水素原子、群Aから選ばれる基、又は置換基を表す。ただし、Q

、Q

、Q

、及びQ

の少なくとも3個は、群Aから選ばれる基である。
nが2又は3である場合、複数存在するQ

は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、Q

及びQ

は、互いに結合して、又は、2価の連結基を介して環構造を形成していてもよい。
(群A)
群Aは、下記式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、式(A7)、式(A8)、及び式(A9)で表される基からなる群である。
TIFF
2024125438000068.tif
69
149
(式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、式(A7)、式(A8)、及び式(A9)中、R

~R
22
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。なお、*は、結合手を表す。)


、Z

、Z

、及びZ

は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい2価の連結基を表す。
nが2又は3である場合、複数存在するZ

は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Rは、置換基を有していてもよい2価の連結基を表す。ただし、nが1であり、かつQ

、Q

、Q

、及びQ

のすべてが式(A1)で表される基であるとき、Rは、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基又は群Bから選ばれる基を部分構造として含む2価の基である。
(群B)
群Bは、下記式(B1)、式(B2)、式(B3)、及び式(B4)で表される基からなる群である。
TIFF
2024125438000069.tif
28
149
(式(B1)、式(B2)、式(B3)、及び式(B4)中、R
23
~R
28
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。なお、*は、結合手を表す。)
nが2又は3である場合、複数存在するRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記式(1)で表される化合物におけるRが、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基である、請求項1に記載の放射性金属錯体。
【請求項3】
前記式(1)で表される化合物が、下記式(1A)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の放射性金属錯体。
TIFF
2024125438000070.tif
26
149
[式(1A)中、Q

、Q

、Q

、Q

、Z

、Z

、Z

、Z

、及びRは、前記と同義である。]
【請求項4】
前記式(1)で表される化合物が、下記式(2)で表される化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の放射性金属錯体。
TIFF
2024125438000071.tif
52
149
[式(2)中、R、Z

、及びQ

は、前記と同義である。

29
~R
37
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。

1A
、Z
2A
、及びZ
3A
は、-CH

-又は-C(=O)-を表す。]
【請求項5】
前記式(2)で表される化合物が、下記式(3)で表される化合物である、請求項4に記載の放射性金属錯体。
TIFF
2024125438000072.tif
51
149
[式(3)中、R、Z
1A
、Z
2A
、Z
3A
、Z
4A
、及びR
29
~R
37
は、前記と同義である。

38
~R
40
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。]
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の放射性金属錯体の製造方法であって、
89
Zr又は
225
Acを付与する反応剤と前記式(1)で表される化合物とを混合して反応条件を与える標識工程を含む、放射性金属錯体の製造方法。
【請求項7】
前記反応剤が、以下のいずれかである、請求項6に記載の放射性金属錯体の製造方法。
(i)
89
Zrの塩化物
(ii)
225
Acの塩化物
【請求項8】
前記標識工程が、40℃以下で実施される、請求項6又は7に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項9】
前記標識工程が、緩衝剤を含有する反応溶媒の存在下で実施され、
前記反応剤が
89
Zrを付与する反応剤であるとき、前記反応溶媒のpHが2.0~6.0であり、
前記反応剤が
225
Acを付与する反応剤であるとき、前記反応溶媒のpHが2.0~7.5である、請求項6~8のいずれか一項に記載の放射性金属錯体の製造方法。
【請求項10】
下記式(1)で表される化合物からなる放射性金属捕捉剤であって、
前記放射性金属捕捉剤の捕捉対象が、
89
Zr又は
225
Acである、放射性金属捕捉剤。
TIFF
2024125438000073.tif
30
149
[式(1)中、nは、1~3の整数を表す。


、Q

、Q

、及びQ

は、それぞれ独立に、水素原子、群Aから選ばれる基、又は置換基を表す。ただし、Q

、Q

、Q

、及びQ

の少なくとも3個は、群Aから選ばれる基である。
nが2又は3である場合、複数存在するQ

は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、Q

及びQ

は、互いに結合して、又は、2価の連結基を介して環構造を形成していてもよい。
(群A)
群Aは、下記式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、式(A7)、式(A8)、及び式(A9)で表される基からなる群である。
TIFF
2024125438000074.tif
69
149
(式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、式(A7)、式(A8)、及び式(A9)中、R

~R
22
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。なお、*は、結合手を表す。)


、Z

、Z

、及びZ

は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい2価の連結基を表す。
nが2又は3である場合、複数存在するZ

は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Rは、置換基を有していてもよい2価の連結基を表す。ただし、nが1であり、かつQ

、Q

、Q

、及びQ

のすべてが式(A1)で表される基であるとき、Rは、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基又は群Bから選ばれる基を部分構造として含む2価の基である。
(群B)
群Bは、下記式(B1)、式(B2)、式(B3)、及び式(B4)で表される基からなる群である。
TIFF
2024125438000075.tif
29
149
(式(B1)、式(B2)、式(B3)、及び式(B4)中、R
23
~R
28
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。なお、*は、結合手を表す。)
nが2又は3である場合、複数存在するRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。]

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性金属錯体及びその製造方法、並びに放射性金属捕捉剤に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
放射線を利用するがんの治療又は診断において、放射性核種を病巣へ効率よく届けるために、がん細胞と親和性のある構造体(抗体、ペプチド等)と、放射性核種とを結合させて得られる連結体を用いる手法が知られている。このような連結体に用いられる連結部位としては、がん細胞と親和性のある構造体と化学結合させることが可能な置換基部位と、放射性核種と安定な錯体を形成することが可能なキレート部位とを有する構造の多座配位子が好適である(例えば、特許文献1、非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2020-515596号公報
【非特許文献】
【0004】
Chem.Soc.Rev.,2014,43,260-290.
Bioconjugate Chem.2017,28,2211-2223.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
放射性核種としてのα線源及びβ線源はがんの治療に使用され、放射性核種としてのγ線源はがんの診断に使用され得る。中でも、
89
Zr及び
225
Acは、核医学セラノスティクス(radiotheranostics)を実現する放射性核種の組合せとして、着目されている。
【0006】
ところで、半減期が3日である
89
Zr及び半減期が10日である
225
Acは、水溶液中において、それぞれ異なる価数を取り、またイオン半径も大きく異なるため、同一構造の配位子からなる
89
Zr錯体及び
225
Ac錯体のどちらか一方は安定性が低くなる場合がある。そのため、
89
Zr及び
225
Acのいずれにも配位する配位子が求められている。また、セラノスティクス用途において、
89
Zr錯体又は
225
Ac錯体から放射性金属元素が解離してしまうと、これらの放射性金属元素によって、体内の組織又は細胞が無差別に破壊されるおそれがある。そのため、
89
Zr錯体又は
225
Ac錯体においては、医薬用途において安定的に存在できることが求められている。
【0007】
本発明は、
89
Zr又は
225
Acの放射性金属元素と錯形成した後に、医薬用途において安定的に存在できる放射性金属錯体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、
89
Zr又は
225
Acの放射性金属元素を捕捉対象とする放射性金属捕捉剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、ピリジンカルボン酸誘導体又はピリミジンカルボン酸誘導体を含む部分構造を3つ以上有する特定の化合物が、
89
Zr及び
225
Acの両方に配位することが可能であること、及び、
89
Zr又は
225
Acを有する錯体が、医薬用途において利用し得る組成で安定的に存在できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の一側面は、放射性金属錯体に関する。当該放射性金属錯体は、放射性金属元素と、下記式(1)で表される化合物に由来する配位子とを有する。放射性金属元素は、
89
Zr又は
225
Acである。
TIFF
2024125438000001.tif
30
149
[式(1)中、nは、1~3の整数を表す。


、Q

、Q

、及びQ

は、それぞれ独立に、水素原子、群Aから選ばれる基、又は置換基を表す。ただし、Q

、Q

、Q

、及びQ

の少なくとも3個は、群Aから選ばれる基である。
nが2又は3である場合、複数存在するQ

は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、Q

及びQ

は、互いに結合して、又は、2価の連結基を介して環構造を形成していてもよい。
(群A)
群Aは、下記式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、式(A7)、式(A8)、及び式(A9)で表される基からなる群である。
TIFF
2024125438000002.tif
69
149
(式(A1)、式(A2)、式(A3)、式(A4)、式(A5)、式(A6)、式(A7)、式(A8)、及び式(A9)中、R

~R
22
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。なお、*は、結合手を表す。)


、Z

、Z

、及びZ

は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい2価の連結基を表す。
nが2又は3である場合、複数存在するZ

は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
Rは、置換基を有していてもよい2価の連結基を表す。ただし、nが1であり、かつQ

、Q

、Q

、及びQ

のすべてが式(A1)で表される基であるとき、Rは、置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基又は群Bから選ばれる基を部分構造として含む2価の基である。
(群B)
群Bは、下記式(B1)、式(B2)、式(B3)、及び式(B4)で表される基からなる群である。
TIFF
2024125438000003.tif
28
149
(式(B1)、式(B2)、式(B3)、及び式(B4)中、R
23
~R
28
は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。なお、*は、結合手を表す。)
nが2又は3である場合、複数存在するRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。]
【0010】
式(1)で表される化合物におけるRは、好ましくは置換基を有していてもよいヒドロカルビレン基である。
(【0011】以降は省略されています)

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