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公開番号2025005944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106408
出願日2023-06-28
発明の名称分離膜エレメントおよび分離装置
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類B01D 63/08 20060101AFI20250109BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】気体を供給した場合でも供給側の封止部が剥離し難い、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るプレートアンドフレーム型の分離膜エレメントは、供給側流路部材と透過側流路部材の間に封止部を有し、前記透過側流路部材の、JIS K 7181により測定される圧縮変形量が0.40mm以下であり、かつ前記封止部の、JIS K 6854により測定される接着力が1.0N以上である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
容器と、前記容器内に平膜状に配置された領域を有する分離膜とを含む、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントであって、
前記分離膜は、原料流体に含まれる特定の流体成分を選択的に分離する分離機能層を有し、
前記容器は、前記分離膜を透過した透過流体が流れる2つの透過側流路部材と、前記2つの透過側流路部材の間に配置される、前記分離膜、および前記原料流体が流れる供給側流路部材と、を少なくとも有する積層体を収容し、
前記分離膜エレメントは、前記供給側流路部材と前記分離膜との間に供給側封止部を有し、
前記透過側流路部材の、JIS K 7181により測定される圧縮変形量が0.40mm以下であり、かつ
前記封止部の、JIS K 6854により測定される剥離強度が1.0N以上である、
プレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記透過側流路部材のメッシュ数が18メッシュ以上であり、
前記透過側流路部材が、2つ以上の層を有する多層構造である場合、各層のメッシュ数が同一である、請求項1に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
【請求項3】
前記透過側流路部材のメッシュ数が50メッシュ以上である、請求項1に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
【請求項4】
前記分離膜の厚みが、10~600μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
【請求項5】
前記原料流体は、ガスである、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
【請求項6】
前記特定の流体成分は、酸性ガスである、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメントと、前記供給側流路部材に連通する第1供給部および第1排出部と、前記透過側流路部材に連通する第2排出部と、を備える、分離装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は分離膜エレメントおよび分離装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
液体または気体の原料流体から特定の流体成分を分離する分離膜として、平膜を積層したプレートアンドフレーム型の分離膜エレメントが知られている(例えば、特許文献1~3)。近年、分離膜の性能が向上し、より薄い分離膜の実現が可能となった。このように薄い分離膜は、排ガス等の気体に含まれる二酸化炭素等の除去に使用することができる。前記プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントは、スパイラル型の分離膜エレメントでは使用が困難な薄い分離膜を使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-000965号公報
特開2017-000964号公報
米国出願2019/0065091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1~3に記載されているようなプレートアンドフレーム型の分離膜エレメントに気体を供給した場合、透過側に膜が押し込まれて、供給側の封止部が剥離する場合がある。
【0005】
本発明は前記課題を鑑みなされたものであり、気体を供給した場合でも供給側の封止部が剥離し難い(より好ましくは剥離しない)、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは前記課題を解決するために検討した結果、透過側流路部材の圧縮変形量が一定以下であり、かつ供給側封止部の剥離強度が一定以上である分離膜エレメントにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、以下の構成を含有する。
<1>容器と、前記容器内に平膜状に配置された領域を有する分離膜とを含む、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントであって、前記分離膜は、原料流体に含まれる特定の流体成分を選択的に分離する分離機能層を有し、前記容器は、前記分離膜を透過した透過流体が流れる2つの透過側流路部材と、前記2つの透過側流路部材の間に配置される、前記分離膜、および前記原料流体が流れる供給側流路部材と、を少なくとも有する積層体を収容し、前記分離膜エレメントは、前記供給側流路部材と前記分離膜との間に供給側封止部を有し、前記透過側流路部材の、JIS K 7181により測定される圧縮変形量が0.40mm以下であり、かつ前記封止部の、JIS K 6854により測定される剥離強度が1.0N以上である、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
<2>前記透過側流路部材のメッシュ数が18メッシュ以上であり、前記透過側流路部材が、2つ以上の層を有する多層構造である場合、各層のメッシュ数が同一である、<1>に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
<3>前記透過側流路部材のメッシュ数が50メッシュ以上である、<1>に記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
<4>前記分離膜の厚みが、10~600μmである、<1>~<3>のいずれか1つに記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
<5>前記原料流体は、ガスである、<1>~<4>のいずれか1つに記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
<6>前記特定の流体成分は、酸性ガスである、<1>~<5>のいずれか1つに記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメント。
<7><1>~<6>のいずれか1つに記載のプレートアンドフレーム型の分離膜エレメントと、前記供給側流路部材に連通する第1供給部および第1排出部と、前記透過側流路部材に連通する第2排出部と、を備える、分離装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、気体を供給した場合でも供給側の封止部が剥離し難い(より好ましくは剥離しない)、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る分離膜エレメントを模式的に示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る分離膜エレメントが有する積層体を分解して示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係る分離膜エレメントが有する積層体の断面図である。
本発明の一実施形態に係る分離膜エレメントの製造工程を説明する斜視図である。
図4に示す製造工程の続きを説明する斜視図である。
図5に示す製造工程の続きを説明する斜視図である。
実施例で行った気密試験の試験装置を説明する概略の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔1.分離膜エレメント〕
本発明の一実施形態に係る分離膜エレメント(以下、本分離膜エレメントとも称する。)は、容器と、前記容器内に平膜状に配置された領域を有する分離膜とを含む、プレートアンドフレーム型の分離膜エレメントであって、前記分離膜は、原料流体に含まれる特定の流体成分を選択的に分離する分離機能層を有し、前記容器は、前記分離膜を透過した透過流体が流れる2つの透過側流路部材と、前記透過側流路部材の間に配置される、前記分離膜、および前記原料流体が流れる供給側流路部材と、を少なくとも有する積層体を収容し、前記分離膜エレメントは、前記供給側流路部材と分離膜との間に供給側封止部を有し、前記透過側流路部材の、JIS K 7181により測定される圧縮変形量が0.40mm以下であり、かつ前記封止部の、JIS K 6854により測定される剥離強度が1.0N以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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