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公開番号2024123611
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031180
出願日2023-03-01
発明の名称置換型ペロブスカイト酸化物
出願人国立大学法人東京工業大学
代理人個人,個人
主分類B01J 23/83 20060101AFI20240905BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 温和な条件で、再利用可能な触媒を用いて、分子状酸素を酸化剤として低級アルカンを酸化する手段を提供する。
【解決手段】 一般式A1 1-xA2 xBO3(式中、A1は希土類元素を表し、A2はアルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素を表し、Bはdブロック元素又はマグネシウムを表し、xは0≦x≦1の数値を表す。)で表されるペロブスカイト酸化物を含むことを特徴とする触媒。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式A
1
1-x
A
2
x
BO
3
(式中、A
1
は希土類元素を表し、A
2
はアルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素を表し、Bはdブロック元素又はマグネシウムを表し、xは0≦x≦1の数値を表す。)で表されるペロブスカイト酸化物を含むことを特徴とする触媒。
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
アルカンの酸化に用いられることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
A
1
が、ランタンであることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項4】
A
2
が、ストロンチウムであることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項5】
Bが、鉄であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項6】
A
1
がランタンであり、A
2
がストロンチウムであり、Bが鉄であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項7】
xが、0.2≦x≦0.4の数値であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
【請求項8】
酸素及び請求項1乃至7のいずれか一項に記載の触媒の存在下、アルカンからアルカンの酸化物を得る工程を含むことを特徴とするアルカンの酸化物の製造方法。
【請求項9】
アルカンが、第3級C-H結合を含むアルカンであることを特徴とする請求項8に記載のアルカンの酸化物の製造方法。
【請求項10】
アルカンからアルカンの酸化物を得る工程をN-ヒドロキシフタルイミドの存在下で行うことを特徴とする請求項8に記載のアルカンの酸化物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な触媒、及びそれを用いたアルカンの酸化物の製造方法に関する。本発明の触媒は、再利用可能な触媒であり、温和な条件で、分子状酸素のみを酸化剤として、低級アルカンを酸化することが可能である。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
石油化学基礎製品、有機工業製品、高分子は、原油を精製・分離する石油製油所から供給されるナフサの水蒸気分解を利用して製造される。天然ガス等に含まれる低級アルカンを有用な酸化生成物であるアルコールやカルボニル化合物に直接酸化することができれば、石油由来のアルケンなどを出発原料とした現行プロセスとは異なる化学品合成のプロセスを提供できる。
【0003】
しかしながら、低級アルカンを酸化するのに用いる従来の触媒系では過酸化水素などの高価な酸化剤の使用が必要である。一方、分子状酸素のみを酸化剤とした系の多くは均一系触媒であるため、再利用可能な不均一系触媒の報告例はほとんどない。
【0004】
特許文献1には、イソブタンを無触媒的に酸素と反応させて、tert-ブチルアルコール(tert-BuOH)およびtert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)を含む反応混合物を製造する方法が開示されている。このように無触媒でTBHPをつくり、これを酸化剤としてtert-BuOHを得て様々な化合物に変換する方法もあるが、無触媒なので高温・高圧条件(実施例では145℃の温度および3.6MPa≒36 atm)を必要とする。
【0005】
ペロブスカイト型酸化物ABO
3
はその多様な構造と物理化学的性質が制御可能であるという特徴から触媒、強誘電体、圧電材料などをはじめとする幅広い分野へ応用されている。本発明者らは、独自に開発したアスパラギン酸やリンゴ酸を金属分散剤として用いたゾルゲル法によりペロブスカイト型酸化物ナノ粒子の合成法を報告している(特許第6941315号公報)。また、本発明者は、六方晶ペロブスカイトBaFeO
3-δ
触媒がアダマンタンなどのアルカン酸化に有効であることを報告している(非特許文献1)。六方晶ペロブスカイトBaFeO
3-δ
触媒も同様にイソブタンの酸化反応に高活性を示すが、この触媒を反応中に不可逆的に触媒構造が変化するため再利用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平8-059527号公報
【非特許文献】
【0007】
S. Shibata et al., Chem. Commun., 2018, 54, 6772.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、低級アルカンをアルコール等に酸化する方法は以前から知られていたが、いずれも問題点を有していた。本発明は、このような背景の下になされたものであり、温和な条件で、再利用可能な触媒を用いて、分子状酸素を酸化剤として低級アルカンを酸化する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、低級アルカンガスであるイソブタンを分子状酸素のみを用いて酸化し、tert-ブタノールを合成する触媒として、置換型鉄ペロブスカイト触媒La
1-x
Sr
x
FeO
3
が有効であることを見出した。La
0.8
Sr
0.2
FeO
3
触媒は反応後ろ過により容易に回収でき、触媒性能の低下なく再利用可能であり、また、 N-ヒドロキシフタルイミド(NHPI)を共存させることで、n-プロパンやn-ブタンの酸化反応にも適用可能である。本発明は、以上の知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
即ち、本発明は、以下の(1)~(12)を提供するものである。
(1)一般式A
1
1-x
A
2
x
BO
3
(式中、A
1
は希土類元素を表し、A
2
はアルカリ土類金属元素又はアルカリ金属元素を表し、Bはdブロック元素又はマグネシウムを表し、xは0≦x≦1の数値を表す。)で表されるペロブスカイト酸化物を含むことを特徴とする触媒。
(【0011】以降は省略されています)

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