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公開番号2024123514
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023030993
出願日2023-03-01
発明の名称異常検出方法及びアクチュエータ装置
出願人浜松ホトニクス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 26/10 20060101AFI20240905BHJP(光学)
要約【課題】アクチュエータ装置の異常をより確実に検出することができる異常検出方法、及びアクチュエータ装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータ装置1は、第1可動部3と、第2可動部4と、磁石部9と、コイル7,8と、第1可動部3を共振駆動させるための第1駆動信号及び第2可動部4を非共振駆動させるための第2駆動信号をコイル7,8に供給する制御部11とを備える。異常検出方法は、制御部11が第2駆動信号をコイル8に供給するステップと、第2駆動信号がコイル8に供給されている状態においてコイル8に発生する逆起電力に対応する出力値を取得するステップと、コイル8に供給された第2駆動信号と取得された出力値とに基づいて第2可動部4の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定するステップとを含む。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
アクチュエータ装置の異常を検出する異常検出方法であって、
前記アクチュエータ装置は、
支持部と、
第1可動部と、
前記第1可動部を囲むように配置された第2可動部と、
前記第1可動部が第1軸線周りに揺動可能となるように、前記第1可動部を前記第2可動部に連結する第1連結部と、
前記第2可動部が前記第1軸線と交差する第2軸線周りに揺動可能となるように、前記第2可動部を前記支持部に連結する第2連結部と、
前記第2可動部に配置された検出用コイルと、
前記検出用コイルに作用する磁場を発生させる磁石部と、
前記第1可動部及び前記第2可動部を駆動させる駆動部と、
前記第1可動部を共振駆動させるための第1駆動信号、及び前記第2可動部を非共振駆動させるための第2駆動信号を前記駆動部に供給する制御部と、を備え、
前記異常検出方法は、
前記制御部が、前記第2駆動信号を前記駆動部に供給する供給ステップと、
前記供給ステップにより前記第2駆動信号が前記駆動部に供給されている状態において、前記検出用コイルにおいて発生する逆起電力に対応する出力値を取得する取得ステップと、
前記供給ステップにおいて前記駆動部に供給された前記第2駆動信号と、前記取得ステップにおいて取得された前記出力値とに基づいて、前記第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定する判定ステップと、を含む異常検出方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記供給ステップでは、前記制御部が、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を前記駆動部に供給し、
前記取得ステップでは、前記供給ステップにより前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号が前記駆動部に供給されている状態において、前記出力値を取得する、請求項1に記載の異常検出方法。
【請求項3】
前記判定ステップでは、前記第2可動部が傾斜しているか否かを判定することにより、前記第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定する、請求項1又は2に記載の異常検出方法。
【請求項4】
前記駆動部は、前記第1可動部及び前記第2可動部の少なくとも一方を駆動させるための駆動用コイルを有し、
前記検出用コイルは、前記駆動用コイルによって構成されている、請求項1又は2に記載の異常検出方法。
【請求項5】
前記駆動部は、前記第1可動部を駆動させるための第1駆動用コイルと、前記第2可動部を駆動させるための第2駆動用コイルと、を有し、
前記第1駆動用コイル及び前記第2駆動用コイルは、前記第2可動部に配置されている、請求項1又は2に記載の異常検出方法。
【請求項6】
前記検出用コイルは、前記第1駆動用コイル及び前記第2駆動用コイルによって構成されており、
前記取得ステップでは、前記第2駆動信号が前記駆動部に供給されている状態において、前記第1駆動用コイルにおいて発生する逆起電力に対応する第1出力値及び前記第2駆動用コイルにおいて発生する逆起電力に対応する第2出力値を取得し、
前記判定ステップでは、前記供給ステップにおいて前記駆動部に供給された前記第2駆動信号と、前記取得ステップにおいて取得された前記第1出力値及び前記第2出力値とに基づいて、前記第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定する、請求項5に記載の異常検出方法。
【請求項7】
前記第1駆動用コイル及び前記第2駆動用コイルの一方の巻き数は、前記第1駆動用コイル及び前記第2駆動用コイルの他方の巻き数よりも多く、
前記検出用コイルは、前記第1駆動用コイル及び前記第2駆動用コイルの前記一方によって構成されている、請求項5に記載の異常検出方法。
【請求項8】
前記駆動部は、前記第1可動部を駆動させるための第1駆動部と、前記第2可動部を駆動させるための第2駆動部と、を有し、
前記第1駆動部は、前記第2可動部に配置されており、
前記第2駆動部は、前記第2可動部又は前記第2連結部に配置されている、請求項1又は2に記載の異常検出方法。
【請求項9】
前記駆動部は、前記第1可動部及び前記第2可動部の両方を駆動させるための単一の駆動用コイルを有し、
前記単一の駆動用コイルは、前記第2可動部に配置されており、
前記検出用コイルは、前記単一の駆動用コイルによって構成されている、請求項1又は2に記載の異常検出方法。
【請求項10】
前記供給ステップでは、前記制御部が、前記第2可動部を所定の振れ角で連続的に揺動させるための信号を前記第2駆動信号として前記駆動部に供給する、請求項1又は2に記載の異常検出方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ装置の異常検出方法、及びアクチュエータ装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、支持部と、コイルが形成された可動部と、可動部を支持部に揺動可能に連結する一対のトーションバーと、コイルに磁場を作用させる磁石部と、を備えるアクチュエータ装置が記載されている。特許文献1に記載のアクチュエータ装置では、コイルの抵抗値の増減に基づいてトーションバーの破断が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-19949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、磁石部の減磁、又は磁石部とコイルとの間の位置ずれ等によりコイルに作用する磁力が変化した場合、コイルの抵抗値は正常なままであるにも関わらず、アクチュエータ装置が適切に動作しなくなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、アクチュエータ装置の異常をより確実に検出することができる異常検出方法、及びアクチュエータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の異常検出方法は、[1]「アクチュエータ装置の異常を検出する異常検出方法であって、前記アクチュエータ装置は、支持部と、第1可動部と、前記第1可動部を囲むように配置された第2可動部と、前記第1可動部が第1軸線周りに揺動可能となるように、前記第1可動部を前記第2可動部に連結する第1連結部と、前記第2可動部が前記第1軸線と交差する第2軸線周りに揺動可能となるように、前記第2可動部を前記支持部に連結する第2連結部と、前記第2可動部に配置された検出用コイルと、前記検出用コイルに作用する磁場を発生させる磁石部と、前記第1可動部及び前記第2可動部を駆動させる駆動部と、前記第1可動部を共振駆動させるための第1駆動信号、及び前記第2可動部を非共振駆動させるための第2駆動信号を前記駆動部に供給する制御部と、を備え、前記異常検出方法は、前記制御部が、前記第2駆動信号を前記駆動部に供給する供給ステップと、前記供給ステップにより前記第2駆動信号が前記駆動部に供給されている状態において、前記検出用コイルにおいて発生する逆起電力に対応する出力値を取得する取得ステップと、前記供給ステップにおいて前記駆動部に供給された前記第2駆動信号と、前記取得ステップにおいて取得された前記出力値とに基づいて、前記第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定する判定ステップと、を含む異常検出方法」である。
【0007】
[1]に記載の異常検出方法では、供給ステップにより第2駆動信号が駆動部に供給されている状態において、検出用コイルにおいて発生する逆起電力に対応する出力値を取得し、供給ステップにおいて駆動部に供給された第2駆動信号と、取得ステップにおいて取得された出力値とに基づいて、第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定する。例えば、磁石部の減磁、又は磁石部と検出用コイルとの間の位置ずれ等に起因して検出用コイルが受ける磁力が変化した場合、検出用コイルにおいて発生する逆起電力も変化する。この異常検出方法では、検出用コイルにおいて発生する逆起電力を用いて第2可動部の傾斜状態の異常を検出するため、駆動部(例えば駆動用コイルや圧電素子)に異常が発生した場合だけでなく、磁石部の減磁、又は磁石部と検出用コイルとの間の位置ずれ等の様々な要因により発生するアクチュエータ装置の異常を検出することができる。よって、この異常検出方法によれば、アクチュエータ装置の異常をより確実に検出することができる。
【0008】
本発明の異常検出方法は、[2]「前記供給ステップでは、前記制御部が、前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号を前記駆動部に供給し、前記取得ステップでは、前記供給ステップにより前記第1駆動信号及び前記第2駆動信号が前記駆動部に供給されている状態において、前記出力値を取得する、[1]に記載の異常検出方法」であってもよい。この場合、第1可動部を共振駆動させた状態において、第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定することができる。
【0009】
本発明の異常検出方法は、[3]「前記判定ステップでは、前記第2可動部が傾斜しているか否かを判定することにより、前記第2可動部の傾斜状態に異常が発生しているか否かを判定する、[1]又は[2]に記載の異常検出方法」であってもよい。この場合、本来傾斜しているべき第2可動部が傾斜していない異常を検出することができる。
【0010】
本発明の異常検出方法は、[4]「前記駆動部は、前記第1可動部及び前記第2可動部の少なくとも一方を駆動させるための駆動用コイルを有し、前記検出用コイルは、前記駆動用コイルによって構成されている、[1]~[3]のいずれかに記載の異常検出方法」であってもよい。この場合、駆動用コイルとは別に検出用コイルを設ける場合と比べて、第2可動部におけるコイルの配置スペースを小さくすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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