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公開番号
2024123368
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023030710
出願日
2023-03-01
発明の名称
多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法
出願人
株式会社豊田中央研究所
代理人
弁理士法人アイテック国際特許事務所
主分類
C01B
33/06 20060101AFI20240905BHJP(無機化学)
要約
【課題】抵抗をより低減させた新規な多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示の多孔質シリコン材料は、コア部と前記コア部の周囲に存在し前記コア部よりも多孔化された多孔化部とを有し、Si相とAl相とCrシリサイド相とを含み、下記(1)及び(2)のうちの少なくとも一方を満たすものである。(1)Si相とAl相とCrシリサイド相との全体を100mol%としたときに、Al相を10mol%以上55mol%以下の範囲で含み、Crシリサイド相を0.5mol%以上3mol%以下の範囲で含む。(2)SiとAlとCrとの全体を100at%としたときに、Alを15at%以上60at%以下の範囲で含み、Crを0.5at%以上3at%以下の範囲で含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
コア部と前記コア部の周囲に存在し前記コア部よりも多孔化された多孔化部とを有し、Si相とAl相とCrシリサイド相とを含み、下記(1)~(2)のうちの1以上を満たす、多孔質シリコン材料。
(1)Si相とAl相とCrシリサイド相との全体を100mol%としたときに、Al相を10mol%以上55mol%以下の範囲で含み、Crシリサイド相を0.5mol%以上3mol%以下の範囲で含む。
(2)SiとAlとCrとの全体を100at%としたときに、Alを15at%以上60at%以下の範囲で含み、Crを0.5at%以上3at%以下の範囲で含む。
続きを表示(約 970 文字)
【請求項2】
前記Crシリサイド相は、Al
13
Si
4
Cr
4
及びCr(Al,Si)
2
のうちの1以上である、請求項1に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項3】
水銀圧入法による1μm以下の細孔を45体積%以上含む、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項4】
水銀圧入法による平均細孔径が100nm以下である、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項5】
抵抗率が500Ωcm以下である、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項6】
前記多孔化部は、前記コア部よりもAlの含有量が少ない、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
【請求項7】
正極活物質を含む正極と、
請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料を負極活物質として含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えた蓄電デバイス。
【請求項8】
平衡状態図において室温でAl相とSi相とCrシリサイド相とが現れる組成のAl-Si-Cr三元系合金の原料を溶融し急冷凝固させシリコン合金の前駆体を得る前駆体工程と、
前記シリコン合金に含まれるAl成分の一部を除去して前記多孔質シリコン材料を得る多孔化工程と、
を含み、
前記多孔化工程は、Alの減少量が、Alを完全除去した場合のAlの減少量の20%以上90%以下となる条件で行う、多孔質シリコン材料の製造方法。
【請求項9】
前記多孔化工程では、酸又はアルカリによってAl成分を選択的に除去する除去処理を行う、請求項8に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
【請求項10】
下記(3)~(5)のうちの1以上を満たす、請求項8又は9に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
(3)前記除去処理は、0.1mol/L以上3mol/L以下の濃度の酸又はアルカリで行う。
(4)前記除去処理は、30℃以下の温度で行う。
(5)前記除去処理は、2時間以上24時間以下行う。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本明細書では、多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を開示する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、シリコンの負極材料において、AlSiCu合金粉末を塩酸などで処理することにより、Alを除去して得られた多孔質シリコン材料が提案されている(例えば、非特許文献1)。この多孔質シリコン材料では、多孔質シリコン材料に銅を組み込むことで、シリコンの良好な電子伝導性を確保し、充放電時の体積膨張を抑制できるとしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Journal of Power Sources 455 (2020) 227967
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の非特許文献1の多孔質シリコン材料では、銅によって電子伝導性を確保しているが、抵抗率をより低減させるためには、比較的多くの銅が必要であるという問題があった。このため、抵抗をより低減させた新規な多孔質シリコン材料が求められていた。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、抵抗をより低減させた新規な多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、多孔質シリコン材料にAl相及びCrシリサイド相を導入すると、抵抗率をより低減させることができ、特に、コア部と、コア部よりも多孔化された多孔化部とを有し、Al及びCrの含有量[at%]や、Al相及びCrシリサイド相の割合[mol%]を所定の範囲とすると、抵抗率をより低減させることができることを見いだし、本開示の多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を完成するに至った。
【0007】
即ち、本開示の多孔質シリコン材料は、
コア部と前記コア部の周囲に存在し前記コア部よりも多孔化された多孔化部とを有し、Si相とAl相とCrシリサイド相とを含み、下記(1)~(2)のうちの1以上を満たすものである。
(1)Si相とAl相とCrシリサイド相との全体を100mol%としたときに、Al相を10mol%以上55mol%以下の範囲で含み、Crシリサイド相を0.5mol%以上3mol%以下の範囲で含む。
(2)SiとAlとCrとの全体を100at%としたときに、Alを15at%以上60at%以下の範囲で含み、Crを0.5at%以上3at%以下の範囲で含む。
【0008】
本開示の蓄電デバイスは、
正極活物質を含む正極と、
上述した多孔質シリコン材料を負極活物質として含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
【0009】
本開示の多孔質シリコン材料の製造方法は、
平衡状態図において室温でAl相とSi相とCrシリサイド相とが現れる組成のAl-Si-Cr三元系合金の原料を溶融し急冷凝固させシリコン合金の前駆体を得る前駆体工程と、
前記シリコン合金に含まれるAl成分の一部を除去して前記多孔質シリコン材料を得る多孔化工程と、
を含み、
前記多孔化工程は、Alの減少量が、Alを完全除去した場合のAlの減少量の20%以上90%以下となる条件で行うものである。
【発明の効果】
【0010】
本開示は、抵抗率をより低減させた新規な多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供することができる。このような効果が得られる理由は以下のように推察される。例えば、多孔質シリコン材料にAl相及びCrシリサイド相を導入すると、これらは、導電相として機能する。特に、こうした多孔質シリコン材料において、例えば、コア部と、コア部よりも多孔化された多孔化部とを有し、Al相を10mol%以上55mol%以下の範囲で含み、Crシリサイド相を0.5mol%以上3mol%以下の範囲で含む場合や、Alを15at%以上60at%以下の範囲で含み、Crを0.5at%以上3at%以下の範囲で含む場合には、Al相やCrシリサイド相が多孔質シリコン材料中に好適な状態で存在するため、抵抗率をより低減させることができると推察される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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