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公開番号2024122307
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029775
出願日2023-02-28
発明の名称実装エラー推定装置、実装エラー推定方法及び実装エラー推定プログラム
出願人国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G06N 10/70 20220101AFI20240902BHJP(計算;計数)
要約【課題】データ処理の効率性の悪化及び数値的な安定性の低下を抑制する。
【解決手段】実装エラー推定装置は、1又は複数の量子ゲートが含まれる基本単位を含み、かつ、前記基本単位が第1繰り返し回数で繰り返されるエラー増幅量子回路の実験結果を示す実験情報を取得する実験情報取得部であって、前記量子ゲートは、量子ゲート数理表現によって表現され、前記量子ゲート数理表現は、生成子数理表現によって生成される、実験情報取得部と、前記基本単位が前記第1繰り返し回数で繰り返されたときの第1合成量子ゲートの第1合成量子ゲート数理表現を、前記生成子数理表現の理想値数理表現からのずれを示す生成子エラー数理表現の1次式を含めて表す第1モデル数理表現、を生成するためのモデル情報を取得するモデル情報取得部と、前記実験情報及び前記モデル情報に基づいて前記生成子エラー数理表現を推定する推定部と、を備える。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
1又は複数の量子ゲートが含まれる基本単位を含み、かつ、前記基本単位が第1繰り返し回数で繰り返されるエラー増幅量子回路の実験結果を示す実験情報を取得する実験情報取得部であって、前記量子ゲートは、量子ゲート数理表現によって表現され、前記量子ゲート数理表現は、生成子数理表現によって生成される、実験情報取得部と、
前記基本単位が前記第1繰り返し回数で繰り返されたときの第1合成量子ゲートの第1合成量子ゲート数理表現を、前記生成子数理表現の理想値数理表現からのずれを示す生成子エラー数理表現の1次式を含めて表す第1モデル数理表現、を生成するためのモデル情報を取得するモデル情報取得部と、
前記実験情報及び前記モデル情報に基づいて前記生成子エラー数理表現を推定する推定部と、を備える、
実装エラー推定装置。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記モデル情報は、前記基本単位の第2合成量子ゲートを表現する第2合成量子ゲート数理表現を、生成子の空間において前記生成子エラー数理表現の1次式で表すための基本単位モデル情報を含む、
請求項1に記載の実装エラー推定装置。
【請求項3】
前記基本単位に含まれる第1量子ゲートは、第2繰り返し回数で繰り返され、
前記第1量子ゲートの数理表現は、第1生成子数理表現によって生成され、
前記基本単位モデル情報は、前記第1量子ゲートが前記第2繰り返し回数で繰り返されたときの第3合成量子ゲートの数理表現を、前記第1生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式を含めて表す第2モデル数理表現を含む、
請求項2に記載の実装エラー推定装置。
【請求項4】
前記基本単位に含まれる第2量子ゲートは、前記第3合成量子ゲートと連続し、かつ、第3繰り返し回数で繰り返され、
前記第2量子ゲートの数理表現は、第2生成子数理表現によって生成され、
前記基本単位モデル情報は、前記第3合成量子ゲートと、前記第2量子ゲートが前記第3繰り返し回数で繰り返されたときの第4合成量子ゲートと、の第5合成量子ゲートの数理表現を、前記第1生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式及び前記第2生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式を含めて表す第3モデル数理表現を含む、
請求項3に記載の実装エラー推定装置。
【請求項5】
前記基本単位に含まれる第3量子ゲートは、前記第5合成量子ゲートと連続し、かつ、第4繰り返し回数で繰り返され、
前記第3量子ゲートの数理表現は、第3生成子数理表現によって生成され、
前記基本単位モデル情報は、前記第5合成量子ゲートと、前記第3量子ゲートが前記第4繰り返し回数で繰り返されたときの第6合成量子ゲートと、の第7合成量子ゲートの数理表現を、前記第3モデル数理表現に基づいて、前記第1生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式、前記第2生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式及び前記第3生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式を含めて表すアルゴリズムを示す情報を含む、
請求項4に記載の実装エラー推定装置。
【請求項6】
前記基本単位に含まれる第3量子ゲートは、前記第5合成量子ゲートと連続し、かつ、第4繰り返し回数で繰り返され、
前記第3量子ゲートの数理表現は、第3生成子数理表現によって生成され、
前記基本単位モデル情報は、前記第5合成量子ゲートと、前記第3量子ゲートが前記第4繰り返し回数で繰り返されたときの第6合成量子ゲートと、の第7合成量子ゲートの数理表現を、前記第1生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式、前記第2生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式及び前記第3生成子数理表現についての前記生成子エラー数理表現の1次式を含めて表す第4モデル数理表現を含む、
請求項4に記載の実装エラー推定装置。
【請求項7】
前記モデル情報は、前記基本単位モデル情報に基づいて前記第1モデル数理表現を生成するための情報を含む、
請求項2から6のいずれか一項に記載の実装エラー推定装置。
【請求項8】
前記モデル情報は、前記第1モデル数理表現において、前記生成子エラー数理表現の1次式を前記生成子の空間から確率分布の空間に変換するための変換情報を含む、
請求項7に記載の実装エラー推定装置。
【請求項9】
前記生成子エラー数理表現の1次式は、前記第1モデル数理表現において生成子の空間に含まれる、
請求項1に記載の実装エラー推定装置。
【請求項10】
前記基本単位は、1又は複数種類あり、
前記第1繰り返し回数は、1又は複数種類あり、
前記実験情報は、前記第1合成量子ゲートを初期状態に作用させたものに対する測定を、繰り返して得られる頻度分布であって、前記1又は複数種類の前記基本単位ごと、前記初期状態及び前記測定の組であって1又は複数種類の前記組ごと及び前記1又は複数種類の前記第1繰り返し回数ごとの前記頻度分布を含み、
前記推定部は、前記組の種類ごとの前記頻度分布に基づいて、前記第1合成量子ゲート数理表現を生成する生成子の数理表現の推定値を前記基本単位の種類ごと及び前記第1繰り返し回数の種類ごとに生成し、
前記推定部は、前記モデル情報に基づいて、前記第1モデル数理表現を前記基本単位の種類ごと、及び、前記第1繰り返し回数の種類ごとに生成し、
前記推定部は、前記基本単位の種類ごと及び前記第1繰り返し回数の種類ごとの前記推定値と、前記基本単位の種類ごと及び前記第1繰り返し回数の種類ごとの前記第1モデル数理表現とに基づいて前記生成子エラー数理表現を推定する、
請求項9に記載の実装エラー推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、実装エラー推定装置、実装エラー推定方法及び実装エラー推定プログラムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
量子コンピュータは、複数の量子ビットに様々な量子ゲートを作用させ、その後に複数の量子ビットの状態を測定して測定値を得ることで量子計算を行う。従来、量子ゲートが設計通りの作用をしているか確認し、ずれが生じている場合には較正するため、量子ゲートの作用を表す行列を推定する量子プロセストモグラフィと呼ばれる技術が研究されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Matteo Paris、Jaroslav Rehacek編集、「Quantum State Estimation」、(ドイツ国)、Springer、2004年
Erik Nielsen、外5名、「Gate Set Tomography」、Quantum Physics arXiv :2009.07301、2020年
Blume-Kohout, Robin J、「Idle Tomography」、[online]、2019年、[令和5年2月20日検索]、インターネット〈URL:https://www.osti.gov/biblio/1581878〉
Neereja Sundaresan、外5名、「Reducing Unitary and Spectator Errors in Cross Resonance with Optimized Rotary Echoes」、Physical Review X、PRX Quantum 1, 020318、2020年
Gabriel O. Samach、外17名、「Lindblad Tomography of a Superconducting Quantum Processor」、Quantum Physics arXiv :2105.02338、2021年
Yanwu Gu、外3名、「Randomized Linear Gate-Set Tomography」、PRX QUANTUM、PRX Quantum 2, 030328、2021年
Takanori Sugiyama、外2名、「Self-consistent quantum tomography with regularization」、Physical Review A、第103巻、p.062615、2021年、[令和5年2月20日検索]、インターネット〈URL:https://arxiv.org/abs/1806.02696〉
Nicholas J. Higham著、「Functions of Matrices」、(米国)、Society for Industrial and Applied Mathematics、2008年
Awad H. Al-Mohy、外1名、「Improved Inverse Scaling and Squaring Algorithms for the Matrix Logarithm」、SIAM Journal on Scientific Computing、第34巻、第4号、C152-C169、2012年、[令和5年2月20日検索]、インターネット〈URL:https://doi.org/10.1137/110852553〉
Nicholas J. Higham、外1名、「A Schur-Pade Algorithm for Fractional Powers of a Matrix」、SIAM Journal on Matrix Analysis and Applications、第32巻、第3号、p.1056-1078、2011年、[令和5年2月20日検索]、インターネット〈URL:https://doi.org/10.1137/10081232X〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
量子トモグラフィの標準手法の中には、実験にエラー増幅機構が設けられることがある(例えば、非特許文献2~4)。
【0005】
エラー増幅機構を伴う実験を行うと、量子ゲートに生じている微小なエラーの情報が増幅されるので、エラーが見えやすくなる。このため、評価の結果の信頼性が向上するという利点がある。
【0006】
しかしながら、従来のデータ処理方法を利用すると、非線形性の極めて高い数値最適化問題を解く必要があるため、データ処理の効率性の悪化、及びデータ処理の数値的な安定性の低下という課題がある。
【0007】
そこで、本発明は、エラー増幅機構が設けられる量子回路の実装エラーを推定する構成において、データ処理の効率性の悪化及び数値的な安定性の低下を抑制することが可能な実装エラー推定装置、実装エラー推定方法及び実装エラー推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実装エラー推定装置は、1又は複数の量子ゲートが含まれる基本単位を含み、かつ、前記基本単位が第1繰り返し回数で繰り返されるエラー増幅量子回路の実験結果を示す実験情報を取得する実験情報取得部であって、前記量子ゲートは、量子ゲート数理表現によって表現され、前記量子ゲート数理表現は、生成子数理表現によって生成される、実験情報取得部と、前記基本単位が前記第1繰り返し回数で繰り返されたときの第1合成量子ゲートの第1合成量子ゲート数理表現を、前記生成子数理表現の理想値数理表現からのずれを示す生成子エラー数理表現の1次式を含めて表す第1モデル数理表現、を生成するためのモデル情報を取得するモデル情報取得部と、前記実験情報及び前記モデル情報に基づいて前記生成子エラー数理表現を推定する推定部と、を備える。
【0009】
この態様によれば、モデル情報に基づいて第1モデル数理表現を生成することができるので、エラー増幅量子回路における生成子エラーの1次の変化を取得することができる。このようにして取得した生成子エラーの1次の変化に基づいて、2次関数によって生成子エラー数理表現の推定を行うことができるので、例えばデータ処理の効率性が良く、かつ、数値的な安定性の良好な既存のソルバーを用いることができる。したがって、エラー増幅機構が設けられる量子回路の実装エラーを推定する構成において、データ処理の効率性の悪化及び数値的な安定性の低下を抑制することができる。また、推定された生成子エラー数理表現を、量子ゲートを含む量子回路の較正に簡易に用いることができる。
【0010】
上記態様において、前記モデル情報は、前記基本単位の第2合成量子ゲートを表現する第2合成量子ゲート数理表現を、生成子の空間において前記生成子エラー数理表現の1次式で表すための基本単位モデル情報を含んでもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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