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公開番号2024122218
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023029648
出願日2023-02-28
発明の名称処理装置、検査システム、処理方法、およびプログラム
出願人日本電気株式会社
代理人個人,個人
主分類G01N 1/00 20060101AFI20240902BHJP(測定;試験)
要約【課題】 検査対象の液体の粘度によらず、計測器が液体中の特定物質を正確に検出できるようにする。
【解決手段】
取得部(11)は、検査対象の液体を取得し、測定部(12)は、取得した液体の粘度を測定し、調整部(13)は、液体の粘度が、予め決定された範囲の値となるように、液体の粘度を調整し、送出部(14)は、予め決定された範囲の値となった粘度を有する液体を、液体に含まれる特定物質を検出する計測器へ送出する。
【選択図】 図6
特許請求の範囲【請求項1】
検査対象の液体を取得する取得手段と、
取得した前記液体の粘度を測定する測定手段と、
前記液体の粘度が、予め決定された範囲の値となるように、前記液体の粘度を調整する調整手段と、
予め決定された範囲の値の粘度となった前記液体を、前記液体に含まれる特定物質を検出する計測器へ送出する送出手段と、
を備えた
処理装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記測定手段は、前記液体における前記特定物質とは異なる物質の濃度を測定し、測定した物質の濃度から、前記液体の粘度を導出する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
測定した前記液体の粘度が、予め決定された範囲より高い場合、
前記調整手段は、前記液体に添加剤を添加することにより、前記液体の粘度を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
測定した前記液体の粘度が、予め決定された範囲より低い場合、
前記調整手段は、前記液体を濃縮することにより、前記液体の粘度を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記計測器の性能に応じて、前記液体の粘度の目標値を決定する決定手段をさらに備え、
前記調整手段は、決定された前記液体の粘度の前記目標値に向かって、前記液体の粘度を調整する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項6】
検査対象のエアロゾルを捕集し、捕集した前記エアロゾルを液体に変化させる捕集装置と、
前記液体に含まれる特定物質を検出する計測器と、
処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記捕集装置から、検査対象の前記液体を取得する取得手段と、
取得した前記液体の粘度を測定する測定手段と、
前記液体の粘度が、予め決定された範囲の値となるように、前記液体の粘度を調整する調整手段と、
予め決定された範囲の値となった粘度を有する前記液体を、前記計測器へ送出する送出手段と、
を備えた
検査システム。
【請求項7】
人間の呼気を、検査対象の前記エアロゾルとして、前記捕集装置に取り込むためのダクトをさらに備えた
ことを特徴とする請求項6に記載の検査システム。
【請求項8】
前記計測器は、アプタマー、核酸、または蛋白を用いて、前記液体に含まれる前記特定物質を検出する
ことを特徴とする請求項6に記載の検査システム。
【請求項9】
コンピュータが、
検査対象の液体を取得し、
取得した前記液体の粘度を測定し、
前記液体の粘度が、予め決定された範囲の値となるように、前記液体の粘度を調整し、
予め決定された範囲の値となった粘度を有する前記液体を、前記液体に含まれる特定物質を検出する計測器へ送出する
処理方法。
【請求項10】
検査対象の液体を取得することと、
取得した前記液体の粘度を測定することと、
前記液体の粘度が、予め決定された範囲の値となるように、前記液体の粘度を調整することと、
予め決定された範囲の値となった粘度を有する前記液体を、前記液体に含まれる特定物質を検出する計測器へ送出することと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特定物質を検出する計測器による検査対象である液体を処理する技術に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
ウイルスや細菌等の病原体は、空気に含まれる微粒子に付着して、または、人が放出する飛沫等に含まれて、空気中を浮遊している。例えば、ウイルスに感染した人の咳、あるいはくしゃみによって、ウイルスを含んだ体液が空気中に放出される。体液は瞬時に乾燥して、飛沫核になる。ウイルスを含んだ飛沫核は、エアロゾルとなって、空気中を浮遊する。
【0003】
空気中の病原体や有害物質を捕集するための関連する技術が知られている。関連する技術の一例では、フィルタに空気を流入させ、当該フィルタに捕集されたウイルス等を、液体中に抽出する(例えば、特許文献1)。
【0004】
関連する技術の他の一例では、サイクロン効果を利用して、液体に空気を衝突させることにより、空気中の病原体を捕集する(例えば、特許文献2)。その他にも、空気を結露させることにより、空気中の病原体を捕集するという関連する技術も存在する(例えば、特許文献3)。
【0005】
関連する技術では、計測器が、液体から、病原体や有害物質を検出する。一例は、蛍光分光法である。蛍光分光法では、液体中に蛍光物質を拡散させて、液体中の病原体に蛍光物質を結合させる。その後、病原体を含む液滴に光を照射し、その液滴の蛍光強度を観測する。そして、計測器は、観測された蛍光強度から、病原体の濃度を間接的に測定する(例えば、特許文献2)。
【0006】
その他にも、病原体と特異的に結合するバイオレセプタ(酵素、抗体、細胞、核酸、またはアプタマーなど)を固定化した構造体を、発振器を使って振動させ、その共振周波数の変化、あるいは、共振点付近の周波数特性の変化を調べることによって、レセプタと結合した病原体を検出する計測器の開発も試みられている。例えば、発振器とは、カンチレバーセンサ、水晶振動子、膜型表面応力センサ、あるいはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2011/136344号
特開2015-224991号公報
特開2015ー206700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発振器の共振周波数または周波数特性は、レセプタに結合した特定物質(病原体)の重量だけでなく、特定物質を含む液体の粘度にも依存する。特定物質を含む液体の粘度が不適切であれば、計測器が病原体を検出する精度は低下する。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発振器を用いて、特定物質を検出する方法において、検査対象の液体の粘度によらず、計測器が液体中の特定物質を正確に検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る処理装置は、検査対象の液体を取得する取得手段と、取得した前記液体の粘度を測定する測定手段と、前記液体の粘度が、予め決定された範囲の値となるように、前記液体の粘度を調整する調整手段と、予め決定された範囲の値の粘度となった前記液体を、前記液体に含まれる特定物質を検出する計測器へ送出する送出手段と、を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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